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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(423) パラスポーツを楽しもう! 主な大会・イベント情報~11月開催分

秋もぐっと深まる11月ですが、パラスポーツは国内外で熱い戦いに期待です。主な大会やイベントを集めました。オンライン観戦だけでなく、会場で観戦できる大会もぐっと増えてきました。ぜひ、応援ください!

<見逃せない一戦>
【自転車】
J:COM presents 2022 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
日程: 11月6日(日)
会場: さいたま新都心駅周辺特設コース(1周約3.5㎞)
詳細: https://saitama-criterium.jp/

世界トップクラスのサイクリストがさいたま新都心駅周辺を疾走する「2022ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が3年ぶりに開催されます。世界各国のロードレーサー60名に加え、パラアスリートも東京パラリンピックで二冠の杉浦佳子選手(総合メディカル/TEAM EMMA Cycling)をはじめ、各障がいクラスの日本トップ選手7組8名が個人タイムトライアルレースにエントリーしています。

「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」は、世界最大の自転車レースといわれる「ツール・ド・フランス」の名を冠した世界初の大会として2013年秋からスタートした大会で、同年7月に行われた「ツール・ド・フランス」100回大会を記念して創設されました。以来、その年のツール・ド・フランスでの総合優勝者やステージ優勝選手らスターサイクリストが来日し、世界最高峰のレースを間近に体感できる大会として人気です。2020年、21年はコロナ禍で中止されたため、今年は3年ぶり8回目の開催となります。

「J:COM presents 2022 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」のメインビジュアル (©SSC)

パラアスリートの部は2015年大会から加えられ、以来、国内外のパラサイクリストが出場してきました。パラサイクリングは障害の内容に応じて大きく4つのクラスに分かれ、それぞれ異なる自転車を使う点が特徴です。上肢・下肢障害(まひ・義肢使用など)は自転車、下肢障害はハンドサイクル、脳性まひはトライシクル、視覚障害はタンデムを使います。

今大会にも出場予定で、東京パラ二冠の杉浦選手は自転車を使うWC3クラスです。10月5日に行われた「2022さいたまクリテリウム」出場選手会見にオンラインで参加し、大会をPRしました。

「パラの選手は大勢の観客の前で走る経験が少ないので、とても楽しみです。私自身は(自転車レース中の事故により)障害を負ったとき、(医師から)もう自転車には乗れないと言われましたが、障害に応じた自転車で、今もサイクリングを楽しんでいます。(日本代表の)仲間達も、それぞれの障害に合わせてカスタマイズされた自転車で出場します。ぜひ、一人ひとりの選手を見て応援してください!」

杉浦選手はさらに大会の見どころとして、「さいたまクリテリウム」の特徴あるコースをPR。さいたま新都心駅周辺の市街地に設定された1 周約 3.5kmという距離の短いサーキットコースを周回するコースで、中盤にはさいたまスーパーアリーナという屋内も通り抜ける、個性満点のコースです。

杉浦選手は、「市街地を走るコースはパラのレースでもいくつかありますが、都心のビル群やアリーナを通過したり、大勢の人が集まるコースはめったにありません。とても興奮するし、いつかパラの選手たちも世界から呼びたいなと思っています」と話し、好パフォーマンスを誓っていました。

10月5日にオンラインで行われた、選手発表記者会見より。上段右から時計回りに、杉浦佳子選手、清水勇人さいたま市長、遠藤秀一さいたまスポーツコミッション会長、新城幸也選手 (©SSC)

一般の部では「ツール・ド・フランス 2022」で個人総合優勝と山岳賞に輝いたヨナス・ヴィンゲゴー選手(ユンボ・ヴィスマ)や今年の全日本選手権ロードレース王者で、前回のさいたまクリテリウムの覇者、新城幸也選手(バーレーン・ヴィクトリアス)などビッグネームも出場予定です。

自転車関連のPRブースや試乗体験会などの「サイクルフェスタ」や埼玉県の食をPRする飲食エリア「さいたまるしぇ」も開催されるなど、さまざまなお楽しみも。詳しくは大会サイトで確認の上、世界トップサイクリストたちの熱いバトルを、ぜひ、応援ください!

【観戦案内】
・観戦ガイド: https://saitama-criterium.jp/2022/about/view-guide.html
一部有料エリアを除き、沿道観戦は無料。パブリックビューイングも設置
・J:テレ/J SPORTS放送: 11月6日(日) 14:30~17:30(予定)
・YouTubeライブ配信: 11月6日(日) ※配信時間調整中

<パラサイクリング出場選手>
杉浦佳子(自転車WC3):4大会連続4回目出場。東京パラロード二冠、2022年ロード世界選手権優勝
藤井美穂(自転車WC2):4大会連続5回目。東京パラ 500mTT7位
藤田征樹(自転車MC3):2大会連続5回目。リオパラロードTT銀メダル
川本翔大(自転車MC2):5大会連続5回目。東京パラ3km個人パーシュート4位
木村和平(タンデムMB)/三浦生誠パイロット:3大会連続3回目(木村選手のみ)。2022年全日本選手権トラック1kmTT優勝
松本亘(ハンドサイクルMH3): 2大会連続2回目。2019年全日本選手権ロード優勝
福井万葉(トライシクルMT2): 4大会連続4回目。2022年ロードW杯ドイツ大会ロードTT4位
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<国内大会>
■1日(火)~6日(日)
【バドミントン】 ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022
男女クラス別に世界一を競う。2024年パリパラリンピック出場に向けた重要な一歩。
会場: 国立代々木競技場第一体育館(東京・渋谷区) *入場無料
詳細: https://jpbf.jp/pbwc2022/
参考: No.422(10月17日公開)
世界のトップ選手が東京・代々木に再集結!パラバドミントン世界選手権、11月1日開幕  https://op-ed.jp/sports/6541

■2日(水)~3日(木・祝)
【馬術】 第6回全日本パラ馬術大会
人と馬が一体となり、技の正確性や美しさが採点され、得点を競う。障害クラスはグレードI~Vの5つに分かれる。
会場: 御殿場市馬術・スポーツセンター (静岡県御殿場市)
詳細: https://jrad.jp/

■6日(日)
【自転車】 J:COM presents 2022 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
⇒詳細は、上記、<見逃せない一戦>で!

■12日(土)〜13日(日)
【水泳】 第39回日本パラ水泳選手権大会
個人種目はエントリータイム順に組み合わけし、タイムレースで競い、男女別、種目別に表彰。リレー種目も行われる。
会場: 長野運動公園総合運動場 総合市民プール (通称 「アクアウィング」)
詳細: https://paraswim.jp/

■19日(土)〜20日(日)
【卓球】 第14回全日本パラ卓球選手権大会(肢体の部)
肢体不自由クラス(1~10)を対象にした日本一決定戦。男女別にシングルス、ダブルス、混合ダブルスが行われる。
会場: 武蔵野の森総合スポーツプラザ サブアリーナ (東京都調布市)
詳細: https://jptta.or.jp/convention-japantour/

【車いすラグビー】 2022 SHIBUYA CUP
次世代を担う、若手選手の強化を目的とした大会で、日本代表がライバル、オーストラリア代表と激突!
会場: 国立代々木競技場 第二体育館(東京都渋谷区) 
詳細:https://jwrf.jp/news/2022shibuyacup/
観戦:入場無料
ライブ配信・放送: 
・日本車いすラグビー連盟公式YouTubeチャンネルにて全試合ライブ配信
・TOKYOパラスポーツチャンネルにて11/20(日)2試合をライブ配信
・都内ケーブルテレビにて11/20(日)14:00〜17:00に生中継

■20日(日)
【陸上競技】 第41回大分国際車いすマラソン
レーサー(競技用車いす)を駆るランナーによる歴史あるマラソン大会。マラソンとハーフマラソンの部が行われ、男女別障害クラス別に順位を競う。昨年の40回記念大会では男子T54クラスの世界記録をマルセル・フグ(スイス)が、同日本記録を鈴木朋樹が塗りかえた。高速コースで展開されるスピーディーなドラマに注目!

会場: スタート(大分県庁間)→フィニッシュ(ジェイリースタジアム/旧大分市営陸上競技場)
詳細: https://kurumaisu-marathon.com/

■26日(土)〜27日(日)
【ゴールボール】 MONEY DOCTOR 2022 日本ゴールボール選手権大会
男女別に、クラブチーム日本一を決める国内最高峰の大会。男子は予選会を勝ち抜いた6チームが、女子は同じく5チームが頂点を目指して競いあう。

会場:新宿スポーツセンター(東京都新宿区)
詳細:https://jgba.or.jp/2022/10/06/money-doctor-2022-japan-goalball-championships/


MONEY DOCTOR 2022 日本ゴールボール選手権大会 ポスター(提供:日本ゴールボール協会)
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<海外大会>
■5日
【総合大会】 ブリスベン2022Virtusオセアニア・アジアゲームズ
オセアニア・アジア地域で初めて行われる、知的障害のあるアスリートの祭典。日本からは6競技に38名、1公開競技に1名の計39選手が出場予定。

会場:ブリスベン(オーストラリア)
詳細:https://www.virtus.sport/eventsvs/1st-virtus-oceania-asia-regional-games

■8日(火)~10日(木) 
【柔道】 IBSA(国際視覚障害スポーツ連盟)柔道世界選手権バクー大会
新クラス分け(*)で実施される初めての世界一決定戦。(*)視覚障害の程度によりJ1(より重度)とJ2に分かれ、体重クラス(男女各4)別に競う。日本からは6選手が出場予定。
【男子】J1クラス・73㎏以下級:加藤裕司/同90㎏以下級:松本義和
J2クラス・73㎏以下級:瀬戸勇次郎
【女子】J2クラス・57㎏以下級: 廣瀬順子/同:工藤博子/同70㎏以下級:小川和紗

  会場: アゼルバイジャン共和国バクー市
  詳細: https://ibsajudo.sport/event/2022-ibsa-judo-world-championships/

■11日(金)~18日(金)
【ブラインドサッカー】 IBSA ブラインドサッカーアジア・オセアニア選手権2022
男子の部では、優勝チームに2024年のパリパラリンピック出場枠が与えられる重要な大会。また、11日と12日の2日間に実施される女子の部はアジア・オセアニア選手権として記念すべき第1回大会であり、初代女王の座が日本代表とインド代表の間で争われる。

会場: インド・コチ
詳細: https://www.blindfootball.in/asia-oceania-2022
*日本戦全試合(男女)のYouTubeライブ配信が決定!
 ・配信アカウント:https://www.youtube.com/channel/UCzfemHfCRGlOpylhditYFSA
 ・試合スケジュール(女子):https://www.b-soccer.jp/nocategory/19930-20221024
   ※男子日本代表の試合スケジュールは10月25日現在、未定。

(文:星野恭子)