「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」（422） 世界のトップ選手が東京・代々木に再集結！パラバドミントン世界選手権、11月1日開幕
昨夏の東京大会でパラリンピックにデビューしたパラバドミントン。日本代表も金3個を含む計9個のメダル 獲得と大活躍したので、テレビ中継などで観戦した方も多いのではないでしょうか。パラバドミントンは男女別に、車いすや上・下肢障害、低身長の全6つの障害クラスに分かれて競います。それぞれの障害に応じたプレースタイルで高いパフォーマンスを発揮する選手に驚かされた人も多いのでは。
東京パラリンピックでバドミントン男子車いすシングルス金・ダブルス銅の梶原大暉選手（右）と同女子車いす単複2冠の里見紗季奈選手（左奥） （撮影：星野恭子）
そんなパラバドミントンの世界一を決める大会、「ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022」がまもなく、11月1日から6日にかけて東京パラの会場でもあった国立代々木第一体育館で開催されます。世界選手権は2年に1度の開催ですが、2021年大会はコロナ禍により1年延期され、今年の開催となりました。日本で開かれるのは初めてで、40カ国以上から200名を越える選手の出場が見込まれています（9月20日時点）。
▼大会公式サイト「ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022」
https://jpbf.jp/pbwc2022/
世界選手権はパラバドミントンの世界ツアー12大会中、最もグレードの高い大会で、今大会は特に、来年2023年からスタートする「パリ2024パラリンピック選考大会」に出場するためのシード権獲得に関わる重要な大会としても位置付けられています。
日本からは16選手が出場権を獲得しており、世界チャンピオンを目指すとともに、パリ大会に向けた戦いの一歩も踏み出すことになります。
東京パラは無観客でしたが、今大会は有観客で開かれ、しかも無料で観戦できます（要：事前登録）。日本選手をはじめ、世界トップレベルのパフォーマンスをぜひ、間近で応援ください！
▼会場観戦事前登録ページ
https://pbwc.peatix.com/
■日本代表が意気込み！
東京都の学校観戦プログラムで小中高校生3,000人以上の観戦も予定されているというパラバドミントン世界選手権開幕を前に、9月22日には開催記者会見と合宿の様子が公開され、日本代表選手たちがそれぞれ、意気込みなどを語りました。
9月22日に行われた「ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022」開催記者会見に参加した日本代表選手たちと草井篤監督（前列中央） （撮影：星野恭子）
東京パラで女子車いすのシングルス（WH1）とダブルス（WH1/2）の2種目で初代女王となった里見紗李奈選手は、「有観客で開かれることを嬉しく思います。子どもたちをはじめ、応援に来てくださるたくさんの方々の心を動かせるようなプレーをチーム一丸となってがんばりたいです。私個人としても、シングルス、ダブルスで2つの金メダルを獲れるようにがんばります」と力強くコメント。
東京パラリンピックで二冠に輝いた里見紗季奈選手。世界選手権でも、「女王の座を守りたい！」 （撮影：星野恭子）
里見選手と組んだダブルスで金、シングルス（WH2）では銅メダルを獲得した山崎悠麻選手は東京パラでのテレビ観戦を機に、車いすでのプレーを見て知ってもらえ、「すごかったねと言われたり、認知度は広がったと感じています。日本での世界選手権開催は、（東京パラを）画面ごしでしか見られなかった人、家族や子どもたちにも来てもらえるので嬉しいです。シングルス、ダブルス両方で金メダルが目標です」とさらなる活躍を誓いました。
同じく男子シングルス（WH2）で金、ダブルス（WH1/2）で銅メダルの梶原大暉選手も、「今大会ではシングルス、ダブルスともに優勝できるよう、全力でプレーします。日本チーム全体で、見てくださる方々に勇気や希望を与えられるようなプレーをしたいです」と力を込めました。金メダリストとして臨む大舞台にも、「プレッシャーはありません。ただ、負けたくない思いがあります。目標はシングルスとダブルスで金！」
下肢障害（SL3）の藤原大輔選手は、「東京パラではミックスダブルスで銅メダルを獲得しましたが、国歌が流れない悔しい気持ちを覚えています。最近、自分のクラスではインド国歌ばかりなので、今回は日本の国歌を流したいです」と目標を口にしました。
また、東京パラはケガの影響もあり、出場がかなわず悔しい思いをした豊田まみ子選手（SU5・上肢障害）は、「まずは、世界選手権の舞台に立ち、今まで練習してきたことをコートで出すことを意識しています。今年は、いろいろな国際大会に出て成長を実感しているので、世界選手権でも成長をしっかり見せたいと思います」と意気込みました。
それぞれの目標を胸に世界選手権に臨む、藤原大輔選手（左）と豊田まみ子選手 （撮影：星野恭子）
日本代表の草井篤監督は今大会を、「2年後のパリ大会に向けて、今大会は世界のトップ選手のプレーを研究したり、世界のプレーにどれだけ日本選手が通用するのかもう一度検証する貴重な大会」と位置づけ、メダル目標については、「東京パラで金獲得した梶原、里見、山崎を軸に、その他のクラスも可能性は十分あります。東京パラのような、あきらめないプレー、全力で向かっていく姿勢を、会場でお見せしたい」と力を込めました。
会見時点ではまだ海外参加選手が確定しておらず、組み合わせも不明だったため明言は難しかったようですが、地の利もある日本勢のメダルラッシュ、期待大です。有観客開催のほか、ライブ配信も予定されています。ぜひ、ご観戦、応援ください！
＜ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022＞
日程： 2022年11月1日（火）〜6日（日）
会場： 国立代々木競技場第一体育館（東京・渋谷区
大会サイト： https://jpbf.jp/pbwc2022/
観戦： 事前登録ページ https://pbwc.peatix.com/
ライブ配信： https://www.youtube.com/channel/UCsLrhseOExbWWNf8HzCjtRg
（日本パラバドミントン連盟公式Youtubeチャンネル／世界選手権のライブ配信は11月1日より）
（文・写真：星野恭子）
