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被団協 ノーベル平和賞授賞式

"核兵器廃絶を訴え続けてきた日本原水爆被害者団体協議会、通称「日本被団協」がノーベル平和賞を受賞し、12月10日にノルウェーのオスロ市庁舎で授賞式が行われました。この歴史的な式典では、被団協を代表して田中熙巳さんがスピーチを行い、核兵器廃絶への思いを力強く訴えました。

田中さんは、被爆者援護法について触れた後、日本政府が国家補償を行っていない現状を指摘。予定外の発言として、「原爆で亡くなった人々への償いが行われていないという事実を、ぜひ知っていただきたい」と述べ、政府への強い批判を表明しました。この言葉は、会場に集まった人々の心を深く揺さぶり、国内外で大きな反響を呼んでいます。

授賞式の後には、現地の平和団体によるトーチパレードが氷点下のオスロで開催されました。この伝統的な行事では、被団協の代表者らが亡くなった被爆者のパネルを手に、800メートルの道のりを歩きました。日本から持参したパネルには131人の顔写真が掲げられ、現地の若者たちもパレードに参加し、核兵器廃絶への思いを共有しました。

また、ノーベル委員会のフリードネス委員長は、「被爆証言は核廃絶に向けた重要な役割を果たしている」と評価し、未来に向けた記憶の継承の重要性を強調しました。田中さんをはじめとする被団協の活動は、単なる抗議活動にとどまらず、次世代に希望を繋ぐものとして、世界中に広がり続けています。"