「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」（417） ブラサカ新リーグ「LEGA.i」、埼玉T.Wingsが首位で9/23最終節へ！
「一つ先の、新リーグはじまる」をキャッチフレーズに今季からスタートしたブラインドサッカーの新リーグ、「LIGA.i （リーガアイ）ブラインドサッカートップリーグ2022」。今季は条件を満たした4チームが参加して、7月18日に第1節、同24日に第2節がすでに開催され、9月23日には最終第3節を迎えます。
今季から新設された「LIGA.i （リーガアイ）ブラインドサッカートップリーグ2022」は7月18日、浜松市で華々しく開幕 （©H.Wanibe/JBFA）
順位は総当たり戦で争われ、現時点では2戦2勝の埼玉T.Wingsが勝ち点6で暫定1位となっており、第3節で引き分け以上なら、新リーグ初優勝が決定します。しかし、第3節の第1試合でbuen cambio yokohamaが埼玉T.Wingsに勝利した場合は、1勝1敗（勝ち点3）で並ぶfree bird mejirodaiとパペレシアル品川にも優勝の可能性が残されています。
現在、首位を走る埼玉T.Wingsをけん引するのはここまで4得点を挙げている菊島宙（そら）選手です。幼い頃、女子サッカーで培ったシュートやドリブルの技術がブラインドサッカーに転向した今、菊島選手を唯一無二のブラサカプレーヤーとして輝かせています。
そんな菊島選手がさらに得点を伸ばし、埼玉T.Wingsが初代王者になるのか、あるいはbuen cambio yokohamaが一矢報いて、free bird mejirodai、またはパペレシアル品川が逆転勝利を飾るのか。9月23日（金・祝）に予定されている最終第3節が今から楽しみです。
第2節終了時点で首位を走る埼玉T.Wingsのエース、菊島宙選手。第2節の対品川パペレシアル戦より （©H.Wanibe/JBFA）
▼参考： ブラインドサッカー初のトップリーグ「LIGA.i（リーガアイ）」、7月に開幕！ （4月18日公開）
https://op-ed.jp/sports/6052
なお、第3節はフクシ・エンタープライズ墨田フィールド(墨田区総合運動場)で開催予定で、観戦チケットも発売中です。
メインスタンド（指定席）大人前売り1500円（当日2000円）、高校生以下1000円（同1500円）をはじめ、ゴール裏自由席や特典付きチケットなど各種用意されています。車いすなどでも入場しやすいアクセシビリティエリア（自由席）もあります。
▼チケット販売サイト
https://liga-i.b-soccer.jp/tickets
今季のLIGA.i（リーガアイ）には4チームが参加。9/23の最終節で、初代王者に輝くチームは？ （©JBFA）
試合スケジュールは11:00に第1試合 (埼玉 T.Wings対buen cambio yokohama)が、14:00に第2試合(free bird mejirodai対パペレシアル品川)がキックオフの予定で、第 2 試合終了後に表彰式が行われます。
今大会では順位に応じてチームに賞金が授与され、選手個人にも試合ごとに選ばれる「Player of the Match」のほか、最終節では大会MVP、いぶし銀の活躍を見せた選手に「TANAKA Great Effort Award」なども決まります。
なお、会場では実況中継もあり、音を頼りにプレーする選手を邪魔しないよう、無料レンタルの受信機を通して聴くことができるので、ブラサカを初めて観戦する人や視覚に障害がある人なども楽しめます。
■第1節プレイバック～リーグ初ゴールは川村怜選手
7月18日（月・祝）に浜松アリーナ（静岡県浜松市）で開かれた第1節では2試合が行われ、730人のファンが観戦しました。第1試合はパペレシアル品川の川村怜選手が後半3分に挙げた先制点が決勝点となり、パペレシアル品川がbuen cambio yokohamaに1－0で勝利しました。日本代表エースでもあり、記念すべき新リーグ第1号のシュートを決めた川村選手は、「歴史的な開幕戦で得点できてうれしいし、静岡の観客の前で、生の試合をみていただけたことがうれしい」と笑顔で語りました。
LIGA.iの第1号ゴールを決めたパペレシアル品川の川村怜選手（左）。競り合うのは、buen cambio yokohamaの斎藤悠希選手 （©H.Wanibe/JBFA）
第2試合は前半3分、free bird mejirodaiの園部優月選手が先制弾を決めるも、埼玉T.Wingsの菊島宙選手が前半8分と15分にシュートを決めて逆転。埼玉T.Wingsが2－1でfree bird mejirodaiを下しました。女子代表エースでもある菊島選手は、「女子のブラサカ（の存在）を知ってもらうことにも意味がある。有料チケット大会はレベルの高い試合をお見せしなければというプレッシャーもあるが、見ていただいて、『SNSなどで広めたい』と思われるようなプレイがしたい」と意気込みました。
各試合で活躍した選手に贈られる「Player of the Match」は第1試合では川村選手が、第2試合では菊島選手が受賞しました。
このあと、エキシビションマッチが行われ、buen cambio yokohamaが斎藤悠希選手の2ゴールでタイ代表を2－0で破り、勝利しました。齋藤選手は、「海外のナショナルチームと試合をする機会はないので得点できてうれしかった」と笑顔で話しました。
タイ代表はコンギアッ・コンデェンパイ監督によれば、東京パラリンピックに初出場で7位に入った後、主力選手数名が引退し、サッカー経験のない新人もスカウトするなどして新チームとしてスタートしたばかりと言います。「招待をいただき、感謝しています。まだ発展途上中のチームですが、いい学びの機会になりました。今は遅れているが、また（日本と）肩を並べられるよう頑張りたい」と同監督は通訳を通して前向きに語りました。
■第2節プレイバック～埼玉T.Wingsがリーグ2勝目で、暫定1位
第2節は7月24日（日）に品川区立総合体育館（東京都品川区）で開催され、600人を越える観客を前に2試合が行われました。第1試合では緊張感ある攻防がつづきましたが、前半11分に埼玉T.Wingsの菊島選手が先制、後半4分にも追加点を挙げてリードを広げます。後半15分、パペレシアル品川の川村選手が1点を返しますが、埼玉T.Wingsが2－1で逃げ切りました。
菊島選手は、「相手は日本代表も多く、体も強く、勝てるかなと不安だったが、自分の得意なプレーで、ドリブルからシュートを打ててよかった」と笑顔で振り返りました。
第2試合はfree bird mejirodaiが後半4分、鳥居健人選手のゴールで得点し、そのまま1－0でbuen cambio yokohamaに勝利しました。決勝弾を決めた鳥居選手は、「試合前からシュートはどんどん打っていこうと（チームで）話していた。パスをつないでもシュートを打たないと相手の脅威にもならないので」と話し、実力拮抗で均衡状態だった試合を動かし、決めた貴重な1点の背景を振り返りました。
第2節のbuen cambio yokohama戦で決勝点を決めた、free bird mejirodaiの鳥居健人選手（左）（©H.Wanibe/JBFA）
この2試合の結果、2勝目を挙げた埼玉T.Wingsがリーグ暫定1位となりました。「Player of the Match」は、第1試合は埼玉T.Wingsの山中優汰選手が、第2試合はfree bird mejirodaiの鳥居選手が受賞しました。
この日もタイ代表とパペレシアル品川のエキシビションマッチが行われ、タイ代表が前半3分、ギッティタッ・ウィモンワンのシュートで挙げた1点を守り切り、パペレシアル品川に勝利しました。
タイ代表チームが海外招待国として第1節と第2節のエキシビションマッチに出場。第2節の試合終了後、対戦相手、パペレシアル品川の選手らと記念撮影 （©H.Wanibe/JBFA）
＜LIGA.i ブラインドサッカートップリーグ 2022 最終節＞
・日程：9月23日(金・祝)
・会場：フクシ・エンタープライズ墨田フィールド(墨田区総合運動場／東京都墨田区)
https://sumidacity-ground.com/access
・スケジュール：
11:00 第1試合キックオフ (埼玉 T.Wings vs buen cambio yokohama)
14:00 第2試合キックオフ (free bird mejirodai vs パペレシアル品川)
第 2 試合終了後、表彰式
▼LIGA.i大会特設 HP
https://liga-i.b-soccer.jp/
（文：星野恭子／写真提供：日本ブラインドサッカー協会）
