ノーボーダー・スポーツ/記事サムネイル

星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(342)コロナ「第3波」の影響で、パラスポーツ大会などの中止・延期が相次ぐ

新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」ともいえる現状を受け、パラスポーツ界も対応を迫られ、1月に入って大会やイベントの中止や延期が続々と発表されています。

活動自粛期間を経て、「活動再開ガイドライン」などに従って少しずつ大会などが復活してきたタイミングだったので残念ですが、緊急事態宣言の発出やひっ迫する医療体制、さらに選手や関係者の健康や安全を考えると、止むを得ない適切な判断でしょう。

今号では、1月16日時点で中止や延期が発表されている主な大会やイベントなどをまとめました(順不同)。(■競技:大会・イベント名[予定開催日]→対応)

■車いすラグビー:日本選手権[1/22~24]→中止(ただし、特別大会として3月末までに実施検討中)

■ゴールボール:男女日本選手権[1/30~31]→中止

■ブラインドサッカー:アクサ×KPMG ブラインドサッカー2020カップの準決勝ラウンド[1月31日・広島/2月7日・東京]→延期(今後の開催可否も含め、開催方針決定しだい、後日改めて発表予定)
▼(参考)大会HP: https://2020cup.b-soccer.jp/

■バドミントン:澁谷区長杯[2/7]→中止

■車いすバスケットボール:2021国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会[2/11〜2/13]→中止

■車いすテニス:Japan Open 2021(飯塚国際車いすテニス大会)[4/20~25]→中止

もう一つ、前号(1/4: https://op-ed.jp/sports/4952)でご紹介した、パワーリフティングの第21回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会(1/30~31)は出入国の規制強化を受け、「海外選手の招待は断念する」ことが14日、日本パラ・パワーリフティング連盟より発表されました。現時点で大会自体は、感染症対策を徹底させ、日本人選手のみで開催予定ですが、中止の可能性もあり、少なくとも大会1週間前までには告知されるそうです。
▼(参考)大会HP: https://jppf.jp/news/detail/id/531

さらに、大会ではありませんが、視覚障害者柔道でも今月内に実施予定だった女子強化選手合宿などが中止されました。柔道はコンタクトスポーツであり、昨年春の感染拡大「第1波」以来、長期間にわたって対外練習なども自粛・制限されてきたなか、選手にとっては待望の合宿となる予定だっただけに、残念です。

とはいえ、選手やスタッフの中には視覚支援学校の教員や鍼灸師として勤務している人も少なくないこともあり、幅広い感染リスクも考慮しての判断となったようです。日本視覚障害者柔道連盟によれば、集合型合宿の代わりに今後、強化コーチを各選手の練習拠点地に派遣する個別対応の合宿などが検討・調整されるそうです。

選手や関係者の健康・安全は最優先ですし、移動中の感染リスクも考えられますから、こうした決定は現状では仕方がないでしょう。残念ながら、今後の感染拡大状況によっては、さらなる影響も考えられます。一日も早いコロナの収束はもちろん、選手たちがモチベーションを切らすことなく練習を継続し、その成果を発揮できる場が一日も早く戻ってくることを祈っています。

(文:星野恭子)