「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(341) 2021年は、パラスポーツを“リモート”でも楽しもう!
気持ちも新たに、2021年がスタートしました。昨年、2020年はあたり前があたり前でなくなり、変化せざるを得ないことも少なくありませんでした。そんな一つは、大会やイベントの「インターネットライブ配信」でしょう。パラスポーツでも、多くの競技大会が無観客開催となった代わりに、インターネットで中継されるようになりました。
変化というより、むしろ進化といえるかもしれません。迫力や臨場感は会場観戦には劣りますが、ネット観戦のメリットもあります。会場への来場が難しい遠隔地のファンも、ネット環境があればどこからでも観戦可能です。異なる大会やイベントの開催日が重なっても、ネット観戦なら複数の試合を「ハシゴ」して楽しむこともできます。
会場とは違う楽しみ方もあります。例えば、ブラインドサッカーやゴールボールなど視覚障害スポーツは音を頼りに競技する選手を邪魔しないように、「静かに観戦」がマナーですが、ネット中継なら実況解説も入れられます。思い切り声も出せるし、周囲の人とプレーについて会話することもできます。また、コメント機能を利用して選手に応援メッセージを届けたり、離れたファン同士で情報交換しながら楽しむこともできます。
今号では、現時点で1月末の開催予定が発表されているパラ・パワーリフティング大会と車いすバスケットボールのイベントをご紹介します。まずは、1月30日(土)から31日(日)の2日間にわたって開かれる「第21回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」です。この大会は東京パラリンピック代表の最終選考につなげるためのラストチャンスの大会でもあり、真剣勝負が期待されます。
台上に仰向けになって行う競技の特性から、試技中の選手に上からのカメラで迫ることもできるため、臨場感たっぷりの迫力ある表情も見られます。パラ・パワーリフティングは昨年10月の国内大会で初めて、インターネットでのライブ中継に取り組んでおり、ノウハウも積み重ねています。
(参考)昨年10月に開催されたパラ・パワーリフティングの「第3回チャレンジカップ京都」より(提供:日本パラ・パワーリフティング連盟)
今大会でも「魅せる」中継として、さまざまな盛り上げ企画が進行中のようです。例えば、インターネットを通し、選手の視覚や聴覚に応援を届ける試みなどもあるそうです。いったいどんな映像が見られるのでしょうか?ぜひ、試合当日に下記URLからアクセスし、画面越しに選手を応援ください!
▼第21回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会
もう一つは、1月31日(日)に予定されている、車いすバスケットボールのイベント、「車いすバスケで日本を元気に~スポーツは無限、スポーツの力で乗り越えよう!~」です。メインイベントとして、男女それぞれ、日本代表強化指定選手による「特別強化試合」が行われます。
車いすバスケットボールのリモートマッチ、「車いすバスケで日本を元気に~スポーツは無限、スポーツの力で乗り越えよう!~」のデジタルチラシ (提供:日本車いすバスケットボール連盟)
車いすバスケットボールは対戦型球技でもあり、コロナ禍で大会中止があいつぎましたが、昨夏以降は男女とも代表合宿を再開し、それぞれ強化を進めています。「特別強化試合」はその成果が見られる貴重な機会となります。
▼車いすバスケで日本を元気に~スポーツは無限、スポーツの力で乗り越えよう!~
13:30~ オープニング/14:00~ 女子スペシャルマッチ/15:00~ 男子スペシャルマッチ
また、1月31日のイベントに先駆け、オンライン会議システム「Zoom」を利用し、選手とファンが交流できる「ファンミーティング」も実施中です。全5回の予定で、すでに昨年12月中に2回実施され、ミーティングの模様は下記のYoutubeチャンネルで順次、公開されています。
▼日本車いすバスケットボール連盟公式Youtubeチャンネル
残り3回の日程は日本車いすバスケットボール連盟の公式サイト(https://jwbf.gr.jp/)で随時発表予定されますので、要チェックです。
このように、今後もオンラインライブ中継が実施される大会やイベントが増えていくと思われます。会場観戦の機会が少ない中、逆に幅広いパラスポーツに触れるチャンスでもあります。当コラムでもできるだけ紹介していきますので、2021年はぜひ、「パラスポーツをリモートで楽しむ」スタイルにもチャレンジください。どうぞよろしくお願いします。
(*コロナウイルスの感染拡大がつづいており、今後、開催中止や予定変更の可能性もあります。事前に各競技団体の公式サイトなどでご確認ください)
(文:星野恭子)