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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」 (153) リオ・パラリンピックをプレイバック!

大会1日目(9月7日)

第15回夏季パラリンピック・リオデジャネイロ大会の開会式が、リオ市内のサッカーの聖地、マラカナンスタジアムで行われた。選手入場の先頭は、パラリンピックで初めて結成された選手2名からなる難民選手団。そのあとに159の国と地域から合わせて約4,300選手が行進。車いすテニスの上地結衣を旗手に、83番目に入場した日本選手団。今大会では17競技に132名の選手と15名の競技パートナーが派遣された。金メダルは前回ロンドン大会の5個から倍増の10個獲得が目標。

大会2日目(8日)

視覚障がい者柔道で広瀬誠が男子60kg級で銀メダルを獲得。日本のメダル第一号になる。同66kg級の藤本聰も銅メダルでつづき、水泳では津川拓也が男子100m背泳ぎS14(知的障がい)銅メダルを獲得。

大会3日目(9日)

視覚障がい者柔道女子57kg級の広瀬順子が初出場で銅メダルを獲得。日本の女子柔道としても初のメダル獲得。

連覇を目指すゴールボール女子は初戦のイスラエル戦は引き分けたが、この日、地元ブラジルを2-1で撃破。大きな勝ち星を挙げた。

大会4日目(10日)

視覚障がい者柔道男子100kg超級で、正木健人が銅メダルを獲得。ロンドンにつづき2連覇達成はならず、悔し涙。

リオ大会からパラリンピックの正式競技となったトライアスロンは男子の部3クラスが行われ、初代王者3名が誕生。観光地コパカバーナビーチ付近の特設コースが舞台で、観光多くの観客が、ハンドバイクや競技用車いす「レーサー」のスピード感や、義足での力強いランに大歓声を送った。日本からは木村潤平(PT1/車いす)と佐藤圭一(PT4/上肢機能障がいなど)が完走を果たした。

大会5日目(11日)

重度の脳性まひ者などを対象とする球技、「ボッチャ」の混合団体戦準決勝がおこなれ、日本がポルトガルを8-5で破り、銀メダル以上を決めた。2008年北京大会での初出場以来、日本勢のメダルは初めて。

陸上男子5000mT54(車いす)で樋口政幸が過去最高の4位入賞を果たす。強豪ぞろいのこのクラスでは快挙。

トライアスロン女子(PT2/運動機能障害)で秦由加子が6位入賞。

大会6日目(12日)

重度の脳性まひ者などを対象とする球技、「ボッチャ」の混合団体戦で銀メダルを獲得。前回覇者のタイには4-9で敗れたが、ロンドンでのベスト8から大きく躍進した。ボッチャでの日本のメダル獲得は団体、個人とも初。

水泳では金メダル獲得の期待がかかる木村敬一が男子50m自由形で銀メダルを獲得。複数メダル獲得に向け、まずは1個目。

陸上競技では、男子400mリレーT42-47(切断など)で日本が日本新記録をマークして銅メダルを獲得。陸上チームとしては今大会初のメダル獲得。

ゴールボール女子はアルジェリアを7-1で下し、1次リーグ2勝1分け1敗で準々決勝進出。

車いすバスケットボール男子1次リーグは日本が豪州に敗れ、1次リーグ1勝4敗となり、9,10位決定戦に回った。

大会7日目(13日)

陸上男子400mT52(車いす)で、初出場の佐藤友祈が銀メダル獲得。4年前のロンドン大会をテレビ観戦し、「自分も出たい」と思った夢を実現させた上、メダルまで獲得した期待の新星。

水泳ではS11(視覚障害)の木村敬一が100m平泳ぎで銅メダル獲得。昨年の世界選手権で優勝していたが、金メダルには届かなかった。また、男子50m自由形S7(運動機能障がい)で山田拓朗が銅メダルを獲得。出場4度目にして初のメダル獲得。

大会8日目(14日)

自転車ロード競技で個人タイムトライアル(30キロ)が行われ、男子C3クラス(自転車/切断・機能障がいなど)の藤田征樹、女子Bクラス(タンデム/視覚障がい)の鹿沼由理恵、田中まいパイロットのペアがそれぞれ銀メダルを獲得した。ギア故障のまま競技に臨んだ鹿沼は、「最後まであきらめなくてよかった」と田中パイロットともに喜びをかみしめていた。

車いすテニス女子シングルスでは上地結衣がオランダ選手にストレート勝ちし、銅メダルを獲得。日本女子のシングルスでのメダル獲得は史上初。上地は前回ロンドンではベスト8だった。

水泳の男子100mバタフライ(S11クラス)木村敬一が銀メダルを獲得。今季世界ランキング1位で臨み、金メダルも期待されたが、優勝したスペイン選手とは0.19秒差に泣いた。

陸上の女子400mT47(上肢切断など)で、辻沙絵が銅メダルを獲得。ハンドボールから陸上に転向して約2年での快挙。

大会9日目(15日)

陸上競技の男子1500mT52(車いす)で佐藤友祈が銀メダルを獲得。400mと合わせて2つ目。いずれも、アメリカのレイモンド・マーティンが金メダルで、佐藤は東京大会でのリベンジを誓っていた。

車いすテニスでは、シングルス3連覇の夢がついえた国枝慎吾が、斎田悟司と組んだ男子ダブルスで銅メダルを獲得。「苦しんだ大会だけに、ほっとして涙が出た」

水泳では、男子100m自由形で木村敬一(視覚障がい)が銅メダルを獲得。今大会4個目のメダル獲得。

これで、全体では銀8、銅11の計19メダル獲得となり、前回ロンドン大会の16個(金5、銀5、銅6)を越える。しかし、金メダルは依然としてゼロ個のまま。

大会10日目(16日)〈銀〉

陸上の男子走幅跳T42(大腿切断など)で、山本篤が6m62の自己タイ記録で銀メダル獲得。水泳の男子200m個人メドレー S14(知的障がい)で中島啓智が銅メダル。

陸上でオリンピック出場にも期待がかかった、義足のジャンパー、マルクス・レームは8m21を跳び、優勝。

大会11日目(17日)

ブラインドサッカーは決勝戦で、ブラジルがイランを1-0で破り、優勝。ブラジルは無敵の大会4連覇。3位決定戦ではアルゼンチンが中国を1-0で下し、銅メダル獲得。

大会12日目(18日)

ウィルチェアーラグビーで日本チームがカナダを破り、銅メダルを獲得。前回ロンドン大会で4位に終わった悔しさをバネに、4年間の強化が報われた。

陸上では視覚障がい者男子マラソンで岡村正広が銅メダルを獲得。こちらも、前回ロンドン4位から見事にメダルを手にした。また、今大会から初採用となった視覚障がい者女子マラソンでは、道下美里(青山由佳ガイド/堀内規生ガイド)が銀メダルを獲得。「今の私には銀メダルが最高のメダル」と笑顔。

閉会式がマラカナンスタジアムで行われ、パラリンピック旗がリオ市長から小池百合子東京都知事に引き継がれた。東京のピーアールタイムでは、「POSITIVE SWITCH(ポジティブ スイッチ)」をコンセプトに、義足モデルのGIMICOさんや左脚切断のダンサー、大前光市さんらがパフォーマンスを披露した。その後、聖火が静かに消え、リオ大会は成功裏に閉幕した。

日本は銀10個、同14個の計24個と合計個数では前回ロンドン大会の16個から5割増しとしたが、金メダルなしに終わり、10個獲得10位以内を目指した国別順位では64位となり、目標を大きく下回った。今後は競技団体ごとに今大会の結果分析を進め、強化体制などを見直して、次回は地元開催となる東京大会での躍進を目指すことになる。

9月19日

日本代表選手団の解団式が行われ、日本チームの団長、主将、メダリストらが記者会見した。日本のメダル獲得数(金0、銀10、銅14)について、大槻洋也団長は「4年後、東京開催を迎えるにあたり、各競技団体は今回の結果を客観的に分析し、強化につなげていただきたい。2020年の東京大会では、目標とする成績(金メダルランキング7位、金22個)を残せるようにしたい」と話した。

日本チームの藤本怜央主将は、「今回(自身)4大会目で、大きな仕事を任せられて、競技に専念していく中で、日本の強さをしっかりと出していこうというところは見せれたかなと思う。今回の結果は、2020年の東京大会のバトンになったと思うし、この日本選手団の戦いを見て、将来、同じ舞台を戦おうと夢を持っている子どもたちにパラリンピックとはこんなところなんだ、日本選手団とはこのような素晴らしいメンバーだということを感じてもらい、4年間その種目で勝てるように頑張って欲しい」などと語った。

153解団式に臨んだメダリストら。前列左から4番目が大槻洋也団長、同5番目が藤本怜央主将

(文・写真: 星野恭子)