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NBS創設記念!! ツール・ド・フランス2013フォトリポート・第5ステージ(和田やずか)

■第5ステージ(7月3日/水):カーニュ・シュル・メール=>マルセイユ(228.5km)

[caption id="attachment_10577" align="alignnone" width="620"] 取材陣もいつも以上に頑張っていた。[/caption]

この黄色い車とスペアバイクは、チームのものではなく、主催者側が用意したニュートラルカーとスペアバイクです。
黄色はツール・ド・フランスのイメージカラーだが、こちらはMAVIC(マヴィック)というホイールやウエアなどを製造するメーカーのコーポレーションカラー。
選手がパンクに見舞われたとき、近くにチームカーがいればホイール(車輪)の交換ができるが、なかなかそうはいかない。そんなときニュートラルカーは、代わりのホイールを提供してくれる。コミッセール(審判員)の無線指示により集団の前や後ろに配置され万一の際に備える。

[caption id="attachment_10578" align="alignnone" width="620"] 暑い南仏ステージを長時間に渡って逃げていた6人のグループ。[/caption]

[caption id="attachment_10579" align="alignnone" width="620"] マイヨ・ジョーヌを鉄壁の守りで先導するオリカチームの選手たち。[/caption]

マイヨ・ジョーヌ(黄色いジャージ)を来ているエースを、アシストの選手が囲み、不慮の事故に合わないように、他チームのアタックに乗り遅れないように万全を配している。
ステージレースに出場する1チーム9人には、それぞれ役割がある。アシストはエースを勝たすための仕事をし、エースはマイヨ・ジョーヌを守り、またはマイヨ・ジョーヌを目指して走る。
自転車ロードレースはマラソンのように個人競技ではない。完全な団体戦なのだ。

[caption id="attachment_10580" align="alignnone" width="620"] 選手にタイム差を知らせるバイク。まだまだ序盤。カメラに笑顔の余裕。[/caption]

このバイクは、トップと集団とのタイム差などを選手に知らせるためのもの。
バイクの機動力を使い、ストップウォッチを駆使してタイム差を計り、
黒板に「TOP←50”→proton」(先頭と50秒差で集団)などと書いて選手に見せる。
レース序盤ではそんなに忙しくないが、アタックがかかったり、フィニュッシュが近くなると細かく表示されるため忙しくなる。

[caption id="attachment_10581" align="alignnone" width="620"] セミが鳴きわたる南仏ステージ。逃げる新城選手。余裕の走り。[/caption]

ナショナルチャンピオンジャージを着て出場する新城選手は、石垣島出身。暑さには慣れているのだろうか。
日本のナショナルチャンピオンジャージは、日の丸がアレンジされている。

[caption id="attachment_10582" align="alignnone" width="620"] マイヨ・ジョーヌは安全第一でステージを走りきった。[/caption]

[caption id="attachment_10583" align="alignnone" width="620"] イサギレ兄弟。兄(右)と弟(左)。[/caption]

[caption id="attachment_10584" align="alignnone" width="620"] ゴール手前300m。スプリンターたちが区間賞という獲物を狙う。[/caption]

区間賞(ステージ優勝)はその日の最大の見せ場。
賞金は2万2500ユーロだが、スプリンターにとっては「マイヨ・ヴェール(黄緑のジャージ・ポイント賞)」を獲得するためのチャンスが目の前にある。

[caption id="attachment_10585" align="alignnone" width="620"] ラスト150m。役目を終えたアシスト選手がエースの勝敗の行方を見守った。[/caption]

ゴールスプリントに参加していない選手は、けっして敢闘精神の欠如ではない。
チームのエースやスプリンターを絶好の位置に導くのが彼らの仕事なのだ。

[caption id="attachment_10586" align="alignnone" width="620"] ラスト300m。集団の中段で落車発生。観客の声援が悲鳴に変わった。[/caption]

ステージレースは走行時間で優勝が決まる。
タイムは、マラソンのように個人個人で計測しているわけでなく、集団ごとにタイムが設定され付与される。例えば100人の集団で100mと長くなったとしても同じタイムが与えられる。ただし、着順は写真判定により個別に付される。集団と集団の間隔が1秒以上開くと新たなタイムが設定される。
ゴール前の落車には救済措置があり、ゴールまで3km以内の地点で落車・パンク・メカトラブルなどに見舞われた選手は、事故発生時に属していた集団と同じタイムが与えられる。ステージの順位はフィニッシュラインを実際に通過した順位が与えられる。
怪我などでゴールラインまで行けなかったとしても、そのステージは完走したものとみなし、そのステージの最下位の順位が与えられる。
(ただし、タイムトライアルと山頂ゴールステージには、この3kmルールは適応されない。)

(文:木村好晴)
※参考文献:ツール・ド・フランス2013 100回大会公式プログラム(八重洲出版)