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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(106) 1.20~1.31

国内外のパラリンピック関連ニュースを独自にまとめた「パラスポーツ・ピックアップ」。

今号は、パラサイクリング、ノルディックスキー、車いすテニスの国際大会の結果リポートに加え、急遽、千葉市での開催が発表されたブラインドサッカーの国際強化試合の告知です。海外勢と切磋琢磨する日本パラアスリートの様子をどうぞ!

■パラサイクリング
・20日: 第5回アジア・パラサイクリング選手権ロード大会が東京都大島町で開催された。天候不良のため19日から延期された個人タイムトライアルが行われ、日本、マレーシア、東ティモールの各選手が参加した。結果は下記の通り。

106_01男子個人タイムトライアル(機能障害)で優勝した藤田征樹選手(写真提供:日本自転車競技連盟)

男子C1-5(機能障害/自転車)クラス(22.4km): 優勝 藤田征樹 (33分31秒69/時速40.08km)

男子T2(機能障害/トライサイクル)クラス(11.2km): 優勝 小川睦彦 24分35秒81(時速27.32km)

女子B(視覚障害): 優勝 鹿沼由理恵/田中まいパイロット組 34分32秒34(時速38.91km)

・26日~28日: 会場を伊豆ベロドローム(静岡県伊豆市)に移して、同選手権トラック大会が行われた。日本、中国、マレーシアが出場した。日本選手の主な結果は下記の通り。

106_02 女子タイムトライアル(視覚障害)で優勝した、鹿沼由理恵(後ろ)/田中まいパイロット。(写真提供:日本自転車競技連盟)

男子スプリント(視覚障害): 2位 大城竜之/照井拓パイロットッ組 (優勝:マレーシアのペア)

チームスプリント(混合C): 2位 日本(藤田、石井雅史、相園健太郎) (優勝:中国チーム)

女子1kmタイムトライアル(視覚障害): 優勝 鹿沼/田中組

男子1kmタイムトライアル(視覚障害): 2位 大城/照井組 (優勝: マレーシアのペア)

男子3m個人パーシュート(機能障害C1-3): 優勝 藤田

女子3km個人パーシュート(視覚障害): 優勝 鹿沼/田中組

男子4km個人パーシュート(視覚障害): 優勝 大城/照井組

男子4km個人パーシュート(機能障害C4-5): 2位 石井 (優勝:中国選手)

ノルディックスキー
・28日: 国際パラリンピック委員会(IPC)主催の「2016IPC障害者ノルディックスキーアジアカップ 」が韓国ピョンチャンで開幕した。IPCアジアカップは今大会が史上初の開催で、第1回目は2018年冬季パラリンピックの会場となる、韓国・ピョンチャン(平昌)オリンピック・パラリンピックスタジアムで行われている。韓国で障がい者スキーの国際大会が開かれるのは初めて。

「アジアカップ」とはいえ、アジア以外の国も参加できるオープン大会として行われており、今大会も日本、韓国、中国に加え、ノルディックスキー強豪国のロシア、アメリカ、カナダの全6カ国から約40選手が出場している。日本代表は男女8選手がエントリーしている。

大会初日は、男女クロスカントリースキースプリント・クラシカルが行われ、男子視覚障害の部(1.4km)で高村和人(岩手県立盛岡視覚支援学校教諭)/藤田佑平(早稲田大学大学院)ガイドのペアが優勝した。高村/藤田ペアはIPC国際大会で初の優勝。男子立位(同)は新田佳浩(日立ソリューションズ)が、女子立位(同)は阿部友里香(日立ソリューションズJSC/大東文化大学)がともに3位入賞を果たした。

・29日: IPCアジアカップ2日目は男女クロスカントリースキー・ミドル・フリーが行われ、男子視覚障害の部(10キロ)で高村/藤田ペアが優勝した。高村は、「初開催のアジアカップで金メダルを2つ獲得できたことは、これからの大会に向けて大きな弾みがつく」と今大会を振り返った。

・31日: IPCアジアカップ3日目は男女バイアスロン・スプリントが行われ、日本勢は3選手が出場し、女子立位(6キロ)で阿部が22分57秒5でP(ペナルティ)=2(2+0)3位に入賞した。阿部は「シーズン初戦のバイアスロンだったが、直前の合宿(北海道網走市)のおかげで、よいイメージをもって射撃に臨めた。1回目こそペナルティ2だったが、2回目の射撃は風が吹いても止むのを待ってから落ち着いて射撃をすることができた」とコメント。

大会は2月1日までで、最終日は男女バイアスロン・ミドルが実施される予定となっている。

■車いすテニス

・27日~30日: 全豪オープンテニス車いすの部が行われ、最終日に女子ダブルス決勝で上地結衣(エイベックス)/M・ブイス(オランダ)組がA・ファン=クート(オランダ)/J・グリフィオエン(オランダ)組を6-2、6-2のストレートで下して優勝。上地は他選手と組んだ年も含め、大会3連覇を達成した。上地は同シングルスの準決勝でファン=クートに敗れ、3年連続の決勝進出を逃した悔しさを払った。

男子はシングルスで、大会4連覇9度目の優勝を狙った国枝慎吾が初戦でG・リード(イギリス)に敗れる波乱があった。国枝はリードと組んだダブルスでは準優勝だった。5月の全仏オープンで巻き返しが期待される。

<これからの大会・新着>

【ブラインドサッカー】

2月11日(木・祝)、13日(土)、14日(日)の3日間、トルコ代表を迎えての日本代表強化試合の開催が決定! トルコは昨年の「IBSA ブラインドサッカーヨーロッパ選手権 2015」で優勝し、リオデジャネイロ・パラリンピック出場を決めた、急成長の強豪国。日本代表にとっては、高田敏志新監督体制のもとで行う初の国際試合となる。

106_03トルコ代表(左)/写真提供:日本ブラインドサッカー協会

2月11日(木・祝):FAVERZEフットサルコート(千葉県千葉市)

13日(土):ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA(千葉県千葉市)

14日(日) ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA(千葉県千葉市)

詳細は、日本ブラインドサッカー協会公式サイトまで。

(文: 星野恭子)