ノーボーダー・スポーツ/記事サムネイル

「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(104) 12.12~12.20

国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトした「パラスポーツ・ピックアップ」シリーズ。

2015年も今号で最終号となりました。20年東京大会の開催決定以降、パラスポーツへの注目度も高まり、大会やイベントなども確実に増えています。でも、認知度や生観戦度はまだこれから、というのが現状です。少しでも多くの情報をこちらでピックアップし、パラスポーツの魅力を伝え、興味をもっていただくきっかけとなれればと思っています。2016年はいよいよリオデジャネイロでオリンピックとパラリンピックが開催されます。皆さま、どうぞよいお年を。そして、変わらぬご愛読をどうぞよろしくお願いいたします。

■東京発
・17日: その年に活躍した選手やチームを讃える「2015毎日スポーツ人賞」の表彰式が東京都内のホテルで開催され、パラスポーツからは特別賞(3チーム)にウィルチェアーラグビー日本代表チームが、新人賞(2名)に、パラ陸上の三須穂乃香選手が選出された。今年で23回目となる同賞でパラスポーツからの表彰はまだ少ないなか、2者の受賞は昨今のパラスポーツへの注目を反映したものだろう。なお、グランプリにはラグビーワールドカップ2015日本代表チームが選出された。

104_012015毎日スポーツ人賞の受賞者たち。前列左から、ウィルチェアーラグビー日本代表の庄子健選手、池透暢選手、池崎大輔選手。前列右が陸上競技の三須穂乃香選手=星野恭子撮影

特別賞に輝いたウィルチェアーラグビー日本代表は10月のIWRFアジア・オセアニア選手権で初優勝し、リオデジャネイロ・パラリンピック出場権を獲得したことなどが評価された。エースの池崎大輔選手は、「素晴らしい賞をいただき、感動しています。日本は今、世界ランク3位ですが、目指すところは世界一。リオに向かってチーム一丸となって挑戦したい」とさらなる飛躍を誓った。

また、同じラグビー界からグランプリに輝いたラグビー日本代表チームとも交流した。ウィルチェアーラグビーの池透暢キャプテンは、「実際にお会いして刺激をもらった。体も大きく、あれが世界で戦う体なんだなと感じた」と言い、庄子健キャプテンも、「体も大きいが、心も広い、いい人たちでした」と話した。

ラグビー代表の大野均選手は、「交流できたことはすごくよかった。これを機会にラグビーだけでなく、ウィルチェアー、7人制も含めて、ラグビー全体を盛り上げていけたらいい」と話し、堀江翔太選手は、「(ウィルチェアーラグビーの選手とは)一度、会いたいと思っていた。いつか試合も観に行きたい」と話していた。

パラ陸上から新人賞に選出された三須穂乃香選手は7月の日本パラ陸上選手権で100m女子T47クラス(上肢切断など)を13秒11の日本新記録で制したことなどが評価された。「栄誉ある賞をいただき嬉しいです。今年はこんなに注目されて夢の中にいるようでした。これを励みに一層がんばりたい」と笑顔を見せた。現在、新潟県立村上高校3年の三須選手は日本体育大学への進学が決まっている。「長い距離が踏めていないとか筋力が弱いなど、自分の弱い点はわかっているので、大学で新しい練習も取り入れて強化していきたい。(パラ選手として)日本女子初の100m12秒台の選手になれるようがんばりたい」と力強く話した。

もう一つ、パラ選手全体の励みとなる発言も飛び出した。遠藤利明東京オリンピック・パラリンピック大臣が祝辞のなかで、「ロンドン(オリンピック)のときは銀座でパレードを行ったが、リオ大会では、オリンピックとパラリンピックの選手合同でのパレードを行い、国民の皆さんからお祝いしていただきたいと思っている」と話した。実現すれば、2020年東京大会への後押しにもなりそうだ。

<全授賞者・チーム>
グランプリ: ラグビーワールドカップ2015日本代表
ベストアスリート賞: 内村航平
特別賞: ウィルチェアーラグビー日本代表/日本生命野球部/バスケットボール女子日本代表
新人賞: 三須穂乃香/サニブラウン・アブデル・ハキーム

■ウィルチェアーラグビー
・18日~20日: 予選を勝ち抜いた8チームによる、国内クラブチーム王者の決定戦、「第17回ウィルチェアーラグビー日本選手権」が千葉ポートアリーナ(千葉市)で開催された。接戦となった決勝戦は、BLITZ(埼玉)が北海道Big Dippers(北海道)を56-55で振り切り、優勝した。AXE(埼玉)に3位に入った。

最終成績 :
優 勝 BLITZ/準優勝 北海道Big Dippers/3位 AXE/4位 RIZE/5位 Freedom/6位 Okinawa Hurricanes/7位 BLAST/8位 横濱義塾

ベストプレーヤー賞
0.5クラス:岸光太郎(AXE)/1.0クラス:今井友明(RIZE)、若山英史(横濱義塾)1.5クラス:乗松 聖矢(Okinawa Hurricanes)/2.0クラス:官野一彦(RIZE)、庄子健(RIZE)/2.5クラス:山口徹朗(RIZE):3.0クラス:池透暢(Freedom)

MSP賞
3.0クラス 島川慎一(BLITZ)

MVP賞
3.0クラス 池崎大輔(北海道Big Dippers)

日本ウィルチェアーラグビー連盟: http://www.jwrugby.com/

■陸上競技
・20日: 第46回防府読売マラソン大会が山口県防府市内で開催された。今年から新設された男女IPC登録の部(視覚障害の部)で、男子は熊谷豊が2時間39分40秒で、女子は道下美里が2時間59分32秒で制した。

同大会は、2016年リオデジャネイロ・パラリンピックのマラソン(視覚障害の部)の代表推薦選手の準選考レースを兼ねて開催され、選考対象となるIPC登録の部には熊谷、道下をはじめ、17人(男子11人、女子6人)がエントリーし、男子9人、女子5人が完走した。

なお、代表推薦選手は今大会の結果と、選考レースとなっている別府大分毎日マラソン(2016年2月7日)、もう一つの準選考レース、北海道マラソン(2015年8月30日)の全3レースの結果を受けて後日、発表される。

今大会で優勝した道下と、男子の堀越信司が今年4月の世界選手権を兼ねたロンドンマラソンで男女視覚障害の部でそれぞれ3位に入り、リオデジャネイロ・パラリンピック代表推薦順位男女第1位に内定している。

第46回防府読売マラソン 大会結果: http://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/41/46kiroku.html

■ブラインドサッカー
・12日: 東日本リーグ第7節(全9節)が渋谷区立広尾中学校(東京都渋谷区)で開催され、第1試合では連覇を目指すAvanzareつくばが松戸・乃木坂ユナイテッドを2-1で下し、リーグ首位を守った。第2試合は、GLAUBEN FREUND TOKYOが埼玉T.Wingsを1-0で下した。次節は1月16日(土)に新宿区大久保公園(東京都新宿)で、最終節は同31日(日)にクーバーフットボールパーク富士森公園(東京都八王子市)での開催が予定されている。

日本ブラインドサッカー協会: http://www.b-soccer.jp/

■シッティングバレーボール
・12日~13日: 第19回日本シッティングバレーボール選手権が神戸市立王子スポーツセンターで開催された。17チームが出場した男子は京都おたべーず太郎が、11チーム出場の女子は東京プラネッツ女組がそれぞれ頂点に立った。

日本パラバレーボール協会:http://www.jsva.info/

<年内の主な大会予定>

■ボッチャ
・第17回日本ボッチャ選手権/12月25日(金)~27日(日)/グリーンアリーナ神戸(兵庫県神戸市)

重度障がい者のための各カテゴリーの日本一を決める、国内最高峰の戦い!
日本ボッチャ協会(大会概要): http://www.japan-boccia.net/competition.html#competitionJAPAN

■車いすフェンシング
・日本車いすフェンシング選手権/12月26日(土)/駒沢オリンピック公園 総合運動場体育館(東京都世田谷区)

この大会は史上初めて、23日から同会場で先駆けて開幕する、「フェンシング全日本選手権個人戦」と同時開催で実施される。26日は大会最終日でもあり、一般のフェンシングの上位決定戦の観戦も可能だ。

チケット情報: http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1555058
日本車いすフェンシング協会: http://jwfa.info/index.html
日本フェンシング協会: http://fencing-jpn.jp/

(文・写真: 星野恭子)