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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(96) 9.18~9.20

国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトした「パラスポーツ・ピックアップ」シリーズ。今号では陸上競技の国内最高峰の大会「ジャパンパラ陸上競技大会」での好記録連発のニュースのほか、パラトライアスロンや知的発達障害選手の国際大会などもリポートしています。

陸上競技

・18日: 日本パラ陸上競技連盟は10月にカタール・ドーハで開催予定の「IPC陸上競技世界選手権」に派遣する日本人選手を発表した。身体障害クラスには47名(男子30名、女子17名)、知的障害クラスには12名(男子8名、女子4名)の計59名の選手団は過去最大人数となる。同選手権は2年に1度開催され、今大会には90カ国以上から約1300選手がエントリーしている。

前大会(2013年/フランス・リヨン)で、走り幅跳び男子T42クラス(大腿切断など)で金メダルを獲得した山本篤(スズキ浜松AC)は、「連覇を目指します」。100m、200mにも出場予定。

大会詳細と日本人選手の情報は下記の通り。

(なお、大会事前情報などは後日、掲載予定。また、大会期間中は現地よりリポート予定)

<IPC陸上競技選手権大会>

日程:10月22日~31日

会場:カタール・ドーハ

出場:世界90カ国以上から約1300選手

日本代表選手: http://jaafd.org/pdf/02-1/02-1_ipc2015_info20150918.pdf

・19日~20日: パラ陸上競技大会の国内最高峰の大会、「ジャパンパラ陸上競技大会」が大阪市のヤンマースタジアム長居で開催された。両日とも秋晴れのもとに行われ、10月にカタール・ドーハで開催予定のIPC世界選手権の代表も多数出場するなか、20個以上の日本新記録が塗り替えられた。

今大会は若手選手の活躍も目立った。T47クラス(上肢機能障害など)女子200mは辻沙絵(日本体育大学)が27秒48で優勝。自身が5月に出した日本記録も0秒29更新した。辻は在学する日体大での体力測定などから短距離の適性を見出され、今年3月にハンドボールから陸上に転向したばかりだが、短期間で才能を開花させた。「陸上はあまり得意ではなかったが、練習したらタイムも伸びてきて、今ははまっています」と笑顔。初の世界選手権代表にも決まっている。

全競技の結果リスト

http://gold.jaic.org/jaic/para/results/2015/2015jpc/kyougi.html

■パラトライアスロン

・18日: トライアスロンの世界シリーズの今季最終戦「ITU世界トライアスロン・グランドファイナル・シカゴ」がアメリカ・シカゴで開催され、パラトラアスロンの部に日本から4選手が出場した。各日本選手の成績と同一クラスの優勝者は下記のとおり。

・PT1クラス(身体機能障害・座位): 木村潤平選手 10位 1時間12分10秒/優勝 ビル・チェイフィー(オーストラリア) 58分38秒

・PT4クラス(同・立位): 佐藤圭一選手 13位 1時間5分35秒/優勝 ステファン・ダニエル(カナダ) 59分27秒

・PT5(視覚障害): 中澤隆選手(原田雄太郎ガイド) 8位 1時間16分2秒/優勝 アーロン・シャイディース(アメリカ)1時間3分16秒

山田敦子選手(畔上多恵子ガイド) 10位 1時間21分56秒/優勝 ケイティ・ケリー(オーストラリア) 1時間8分51秒

■エクアドル発

・20日: 知的発達障がいのある選手を対象とする世界最高峰の大会「INASグローバルゲームズ」がエクアドルで開幕した。同ゲームズは4年に1度開催され、第4回目となる今年は34カ国から約700選手がエントリーしている。日本選手団は男子63名、女子31名で、5競技(陸上、水泳、卓球、フットサル、バスケットボール)に出場する。大会は27日(日)まで行われる。

日本選手団の選手名簿や大会日程など詳細は下記リンクから。

http://www.jsad.or.jp/news/detail/20150827_000577.html

(文・写真: 星野恭子)