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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(516) パラ陸上・全盲のランナー唐澤剣也、パリで実感した3年間の進化と課題

前号に続いて今号も、パリパラリンピックで金メダルは逃したものの大健闘といえる活躍をした選手をご紹介します。全盲のランナー、唐澤剣也選手(SUBARU)です。2021年の東京パラリンピックにつづく2回目の出場で、パリ大会では陸上競技T11(視覚障害)男子5000メートルで銀、1500メートルでは4位に入りました。

実は、この種目と順位は東京大会と全く同じです。しかし、その内容については、初出場だった東京大会はライバルの状況もよく分からない中で臨み、「勢いで取った2位、4位」。パリ大会は、「勝負にこだわってラストを勝ち切ることを意識して練習から取り組んで」きた結果の順位。「東京では最後にけっこう離されましたが、今回はちょっと詰められた。自分自身もレベルアップし、金メダルにも近づいてきているのかなと思う」と唐澤選手本人が充実の表情で語るほど、手応え十分のものだったのです。