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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(510) 迫力を間近で体感! ⾞いすバスケの国内新リーグ戦、 「WB SUPER LEAGUE」 がスタート!

パリオリンピックが閉幕し、パラリンピック開幕間近のタイミングまで約2週間となった8月12日、国内パラスポーツで興味深い取り組みがスタートしました。車いすバスケットボールの新しいリーグ戦、「WB SUPER LEAGUE (呼称:スーパーリーグ)」が開幕したのです。

スーパーリーグは今年発足した「WB SUPER LEAGUE実行委員会」が運営する、車いすバスケとしては国内初のリーグ戦です。関東エリアを拠点とする、神奈川VANGUARDS、COOLS、埼玉ライオンズ、千葉ホークス、NOEXCUSEの5チームによって組織され、毎年夏から翌1月頃までの会期で、5チーム総当たりでの試合を実施し優勝チームを決定します。

関東を拠点とする5チームが参加して開幕した、「WB SUPER LEAGUE」

ちなみに、車いすバスケの国内大会としては毎年1月から2月に、クラブチーム日本一を決める「天皇杯・日本車いすバスケットボール選手権大会」が開催されています。前年の夏頃から本戦出場に向けた予選大会も行われ、各チームにとっては年間の大きな目標となっています。

他にもいくつかのカップ戦が実施されていますが、試合数は限られています。スーパーリーグは真剣勝負の対外試合の機会を増やし、また有観客で開催することで、車いすバスケファンにとっても観戦機会が増える画期的な大会です。

記念すべき開幕日となった8月12日は参加全5チームが顔を揃え、全4試合が実施されました。会場となった所沢市民体育館(埼玉県所沢市)には約400人の観客が集まり、熱戦を後押ししました。神奈川VANUARDSは赤、埼玉ライオンズなら緑など、それぞれのチームカラーのTシャツをまとったファンも多く、車いすバスケの人気を改めて実感させました。

開幕戦を戦う、千葉ホークス(紺)とCools(白)

また、参加した選手からは新リーグによって試合数が増えることは、「チーム強化にとても大きい」という声が聞かれました。

長くドイツのプロリーグでのプレー経験もあるNO EXCUSEの香西宏昭キャプテンは、「試合に向けた準備の仕方を練習できる。メンタルや体もそうだし、認知判断なども」と、新リーグの誕生を歓迎。

昨年、天皇杯を制した神奈川VANUARDSのエース、鳥海連志選手は、「国内大会が少ない中、こうやってリーグが開催されることはすごいポジティブ。多分これからどんどん形は変わっていくとは思うが、より良い方向に進んで、選手だったり、運営だったり、ファンの皆さんと一緒に作っていくリーグだと感じた」と期待感を語りました。