「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(487) パリパラリンピックの日本選手団団長に田口亜希氏が決定。パラ射撃女子で3大会出場
パリパラリンピックの開幕が近づき、その175日前となる3月6日、日本パラリンピック委員会(JPC)は同大会日本代表選手団の団長に、射撃のパラリンピアン、田口亜希氏に決まったと発表しました。
夏季大会でパラリンピアンが団長を務めるのは2021年東京大会の河合純一氏(水泳)に続いて2人目で、女性パラリンピアンでは初めてとなります。田口氏は7位に入賞した2004年アテネ大会から3大会連続出場し、東京大会ではオリンピック・パラリンピック選手村の副村長を務めたり、現在は日本財団パラリンピックサポートセンターのスタッフとして活動しながら、日本パラリンピアンズ協会副会長や日本ライフル射撃協会理事、日本オリンピック委員会(JOC)理事など要職も歴任しています。
パリパラリンピック日本選手団の団長に決まり、同大会マスコットのフリージュを手に記念撮影に応じる田口亜希氏
田口氏は自身の選手時代の経験も踏まえ、「選手が最高のパフォーマンスを発揮できるような雰囲気づくりから始め、よりよい環境をつくっていきたい」と抱負を語りました。団長への打診があった際、「驚いたが、光栄なことだと思った。その半面、重いことだなとも思ったが、選手を経験した私だからこそ、できることもきっとあるのではないかと考えた」と振り返り、「私だけではできないので、JPCや選手、競技団体などオールジャパンとして頑張っていきたい。パラリンピック前にオリンピックもあるので、情報をいただくなどして少しでもいい成績をおさめるべく、選手が最大限のパフォーマンスを発揮できるようにやっていきたい」と力を込め、そのために大切なこととして、「人とのつながり」を挙げ、「私だけでなく、みんなのつながりを一つに集約して最大限の力を発揮し、しっかり準備したい」と意気込みました。
東京大会で初のパラリンピアンの団長として活動した河合JPC委員長は、「パリの日本代表選手団にふさわしい人材として誰が良いのかを検討したうえで、複数の要因から最適な人として田口さんを選出した。田口さんらしさを全面に押し出し、笑顔でチームを率いてくれると期待している」とエールを送るとともに、「団長という重役を田口さんが一人で担うのでなく、みんなで支えていくことが前提。JPCも全力でサポートする」と決意を新たにしていました。
副団長にはJPC事務局長の井田朋宏氏が就任しました。東京大会と2022年北京冬季大会でも副団長を務め、昨年は杭州アジアパラ競技会の選手団長も務めています。井田氏は、「田口団長のもと、副団長として選手団本部をまとめて、選手がしっかり成果を出せるよう下支えをしていきたい」と話しました。