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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(78) 4.11~4.14

国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトした「パラスポーツ・ピックアップ」シリーズ。今号は、修善寺で行われた、パラサイクリングの日本選手権の模様を中心にリポート。また、来月10日に韓国ソウルで開幕する視覚障害者競技の大会、「IBSAワールドゲームズ」の日本選手団も発表になりました。

 

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■パラサイクリング

11日: トラック競技としては国内最高峰の大会、日本パラサイクリングトラック選手権が、静岡県伊豆市の伊豆ベロドロームで開催され、C2~5クラス(切断・機能障害など)の男子5名、女子1名の選手がそれぞれ2種目に出場した。1個の日本新記録と5個の大会新記録が生まれた。

 

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【左脚1本でペダルを漕ぐ藤井美穂選手は今大会、金メダルと銅メダルを獲得=2015年4月11日/伊豆ベロドローム(撮影:星野恭子)】

 

なお、今大会では参加競技者が一定数を満たさなかったため、障害クラスを統合して競技が実施され、UCI(国際自転車競技連盟)規則を適用し、実測タイムに既定の係数(⇒註)を掛けた係数タイムによって順位が決定された。

 

(⇒)係数: 男子C3-4-5 1kmタイムトライアル:C5(100%)、C4(98.57%)、C3(93.36%)

男子C4-5 4km個人パーシュート:C5(100%)、C4(98.57%)

男子C3-女子C2 3km個人パーシュート:男子C3(100%)、女子C2(84.07%)

 

選手コメント

▼藤井美穂 C2クラス

女子500mタイムトライアル優勝 (タイム:53秒702=日本新記録及び大会新記録)

3km個人パーシュート(追い抜き)3位

「自己新は出たが、課題がいっぱいあって納得していない。自分はまだまだこんなものじゃないと思っている。トラックはスピードが出やすくて好きだが、ロードは苦手。これからはロードのシーズンに入るので、好きになれるよう練習したい。出場できる大会にはどんどん出て頑張りたい」

 

▼藤田征樹 C3クラス

男子1kmタイムトライアル優勝 (タイム:1分12秒736、係数タイム:1分07秒906=大会新)

3km個人パーシュート優勝 (タイム:3分41秒565=大会新)

「今日は日本記録更新を狙ったものの、わずかに足りなかったが、トラックシーズン最後の大会で、内容のある走りができ、次につながると思う。世界選手権(4月26日~29日)では3km個人パーシュートで銀メダルを獲得できたが、昨年からより負荷をかけたトレーニングの成果が出たと思う。来年に迫ったリオに出場して勝つために、しっかり意識して練習していきたい」

 

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【今大会2冠の藤田征樹選手は両ひざ下に特製の義足をつけて競技する=同】

 

▼石井雅史 C4クラス

男子1kmタイムトライアル2位 (タイム:1分9秒845、係数タイム:1分8秒846=大会新)

4km個人パーシュート優勝 (タイム:5分2秒198、係数タイム:4分57秒816=大会新)

「世界選手権で苦手な1kmタイムトライアルで4分台が出たし、わずかな差で4位だった。メダルを狙える位置にいると確認ができたので、リオを目指してやっていきたい。今大会では4分台には少し届かなかったが、まあまあのタイムだったのでよかった。今大会には若く、初出場の選手もいた。(リオや東京大会に向けて)“チームジャパン”として、皆で一緒に高めていきたい」

 

▼阿部学宏 C5クラス

男子1kmタイムトライアル3位/4km個人パーシュート2位

「昨年より練習不足で、記録は少し残念だった。今の目標は自己記録を伸ばすこと。もっと努力したい」

 

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【男子1kmタイムトライアルの表彰式。左から石井雅史選手(2位)、藤田征樹選手(1位)、阿部学宏選手(3位)=同】

 

▼相園健太郎 C3クラス

男子1kmタイムトライアル4位/3km個人パーシュート2位

「今日が初めての大会出場だったが、今の実力のなかで一番の走りができたので、よかったと思う。今の一番の目標は5年後との東京でメダルを獲ること。いっぱい練習して、藤田選手に少しでも追いつきたい」

 

▼小池岳太 C5クラス

男子1kmタイムトライアル5位/4km個人パーシュート3位

「これまではアルペンスキー競技を専門に行っていたが、最近、自転車競技にも挑戦を始めたところ。今回、初めて大会に出場させてもらい、嬉しく思う。今日は(自転車とスキーの)二刀流は甘くないと思い知ったが、やりがいも大きいし、相乗効果も期待できると感じた。今はタイム的に足元にも及ばないが、今後、トレーニングを頑張り、先輩の皆さんについていきたい」

 

■陸上競技

・12日: 「チャレンジ陸上大会2015」が熊本市の水前寺競技場で開催され、パラリンピアンをはじめ、全国から集まった約120選手がそれぞれトラックやフィールド種目に挑んだ。この大会の特徴は順位をつけないこと。全員に記録証が発行されるほか、各選手は事前に目標記録を申告し、大会で目標記録を更新した場合に記念品が授与される。

 

■東京発

・14日: 日本障がい者スポーツ協会(JSAD)は、5月10日~17日の8日間にわたって韓国・ソウルを中心に開催される、「ソウル2015IBSAワールドゲームズ」に派遣する、日本代表選手団を発表した。選手は全6競技に82名とガイド7名になる。

 

IBSAは視覚障害者のスポーツを統括する「国際視覚障害者スポーツ連盟」の略称で、この大会は視覚障害者を対象にした競技のみを行う国際総合競技大会。なお、今大会では全9競技が実施されるが、日本人選手が参加するのは陸上競技、柔道、ゴールボール、5人制サッカー(B1/B2・B3)、パワーリフティング、テンピンボウリングの6競技で、水泳、チェス、ショウダウンには参加しない。

 

競技ごとの詳しい選手やスタッフの名簿は、JSAD公式サイトで確認できる。

【リンク先:

http://www.jsad.or.jp/paralympic/news/detail/20150414_000466.html 】

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 (文・写真: 星野恭子)