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長嶋・松井 国民栄誉賞ダブル受賞への何故!?(玉木 正之)

長嶋茂雄氏と松井秀喜氏が国民栄誉賞を受賞した……とのニュースを聞いたのは、大阪のTV番組に出演中のことで、そのとき、出演者は全員、一声に、「なんで?……今ごろ?……」と驚いた。

なぜ、今……? それが、今回の受賞に対するナチュラルな反応である。

ミスター・プロ野球と呼ばれた長嶋氏は、今日のプロ野球人気を築いた第一人者であり、国民栄誉賞という賞が存在するなら、プロ野球界では、最も受賞に値する有資格者と言うことができるだろう。

松井秀喜氏も、ヤンキースでのメジャーでの活躍を評価するなら、もちろん受賞する資格はあると思われる。が、ならば、メジャーへの扉を開いた野茂英雄投手は、なぜ受賞できなかった?……との疑問が湧く(プロ野球界以外にも、柔道のオリンピック3連覇の野村忠宏氏や、漫画家の手塚治虫氏など、受賞して当然といわれながらタイミングを失して(?)または、政治的理由で(?)、受賞していない人は少なくない)。

早い話が、5月5日の子供の日に東京ドームで行われる、松井秀喜氏の引退セレモニーに花を添えるため、政界(自民党)と強いパイプを持つ読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆のナベツネこと渡邉恒雄が働きかけた結果……と、邪推するほかない。

そういえば、2002年にナベツネ氏が球団数を削減して「10球団1リーグ化」への移行を画策し、プロ野球界初の選手たちによるストライキが行われたとき、当時民主党の幹事長だった(ように記憶してるが…?)仙谷由人氏から電話があり、ストライキの事情とプロ野球界の現状解説に呼ばれたことがあった。

そして説明したあと、選手会のストライキに協力する、と宣言されたので、何故? と訊いたところが、「ナベツネとナカソネの間に楔を打ちたいから」と、正直な答えが返ってきた。

プロ野球選手会のストライキを支持する署名が(たしか)数十万票も集まったのは、民主党が動いたおかげだったが、当時選手会のストライキを支持していた小生は、少々複雑な気持ちになったものだった。

ナベツネにしろ、反ナベツネにしろ、プロ野球が政治に利用されていることに不快感を感じたのだ。そして、今回の国民栄誉賞も……。

王貞治氏が、日本のプロ野球記録として、ハンク・アーロンのホームランのメジャー・リーグ記録を凌駕したことをきっかけに始まった国民栄誉賞。衣笠祥雄氏も連続試合出場記録で、かつてのメジャーの記録を上回って受賞した。

そして今回の松井は、メジャーでの活躍で受賞。日本人の優秀な選手はアメリカへ渡って活躍する時代……日本のプロ野球は大リーグの下部組織に成り下がったのか…これは、TPPという名の「国際化」を先取りした姿なのか……?

【Canerata di Tamakiナンヤラカンヤラ & NLオリジナル】