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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(441) 北京パラ金の川除選手、ノルディックスキーW杯総合チャンピオンに! 新田選手も3位に!

雪山から、嬉しいニュースが届きました! 3月1日からアメリカ・ソルジャー・ホローで開催されていた「FISパラノルディックスキー・ワールドカップ・アメリカ大会」の最終日となった8日、クロスカントリースキー20kmフリー(立位)のレースが行われ、日本の川除大輝選手(日本大学/日立ソリューションズJrスキークラブ)が48分27秒0で優勝、新田佳浩選手も54分30秒0で6位に入賞しました。

同大会は今季W杯の最終戦で、20kmフリーのレース後、今季のW杯総合成績が発表され、川除選手がW杯総合チャンピオンに、新田選手が総合3位となり、日本人選手2名が表彰台に乗る快挙を果たしました!
FISパラノルディックスキー・ワールドカップ総合優勝を果たした川除大輝選手(中央)と同3位の新田佳浩選手(右)。左は二人を指導する、長濱一年チーフコーチ (提供:日本障害者スキー連盟)

川除選手は昨年の北京パラリンピックでもクラシカル男子20km(立位)で自身初の金メダルに輝いた若きエース。日本障害者スキー連盟を通してコメントを発表しています。

20㎞フリーレースについては、「今大会から初めて行われたマススタート方式でのスタートでした。序盤は体の調子が上がらず納得の行く滑りはできていませんでしたが、後ろから来る選手とのタイム差があまり開かずにレースを展開できました。中盤から終盤にかけて、体の調子が上がり後続の選手に約50秒差つけて勝つことができました」と振り返りました。
クロスカントリースキー20kmフリー(立位)のレースで先頭に立ち、上り坂でも力強い滑りで飛ばす川除大輝選手(左) (提供:日本障害者スキー連盟)

W杯総合チャンピオンについては、「目標だった総合優勝に手が届き、とても嬉しいですが、一回で終わる選手ではなく、何回でも総合優勝できる選手になれるように、さらにさらに頑張っていきます。サポートしてくださった皆さん、応援してくださった皆さんありがとうございました」と喜びを語っています。

パラリンピック7大会連続出場のレジェンド、新田選手も、「久々のスケーティングロングでベストパフォーマンスというわけではありませんでしたが、なんとか粘って6位に入ることができました。アメリカ遠征で目標としていたW杯総合ランキングで3位を獲得できたことは自分自身の頑張りだけでなく、多くの方に支えられたことを忘れてはいけません」と感謝の思いをコメントしています。
諦めない粘りの滑りで前を追う新田佳浩選手(右) (提供:日本障害者スキー連盟)

パラクロスカントリースキー日本代表の長濱一年チーフコーチはW杯総合成績について、「日本チームから2人の選手がシーズン総合1位、3位を獲得できたことは大きな収穫あるシーズンとなった。今後もさらなる高い目標を持って進化できるチームをめざし頑張ります」と、二選手を称えるとともに、他の選手も含め、日本チーム一丸でのさらなる進化を誓っていました。

■札幌市で、アジアカップ開幕へ!
なんと、この二人のパワフルな滑りを間近に観戦できるチャンスがあります。3月18日から21日まで札幌市の白旗山競技場で開催される「CO・OP2023FISパラ・ノルディックスキーアジアカップ札幌大会」です。
「CO・OP2023FISパラ・ノルディックスキーアジアカップ札幌大会~ウクライナ特別招待・親善大会」の大会ポスター (提供:日本障害者スキー連盟)

コロナ禍の影響で過去2年、中止・延期があり、4年ぶりに日本で開催される国際大会で、日本をはじめ、韓国などアジアから4カ国が参加します。

さらに今回は、日本障害者スキー連盟が昨年、実施した募金活動を通じてウクライナチームを招待し、「ウクライナ特別招待・親善大会」としても開催されることになっています。スポーツの力による世界平和へのメッセージを強く発信する大会でもあります。

日本選手権団は、川除選手、新田選手をはじめ、全10選手(男子8、女子2)となっています。新田選手も、「ウクライナ、カザフスタンといった強国も参加予定なので、良い形でシーズンが終われるように最善を尽くします」と意気込んでいます。お近くの方はぜひ会場で、シーズン最後の熱戦を応援ください!

【CO・OP2023FISパラ・ノルディックスキーアジアカップ札幌大会」~ウクライナ特別招待・親善大会】
・会場:白旗山競技場(札幌市)
・レース日程:
3月18日(土)5kmクラシカル
3月19日(日)スプリントクラシカル
3月21日(火・祝)10kmフリー

(文:星野恭子)