「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」（433） 車いすバスケのクラブチーム日本一決定戦、3年8カ月ぶりに開催へ。メダリストたちも多数参加！
東京パラリンピックで男子日本代表が史上初の銀メダルを獲得したり、昨年のU23男子世界選手権では世界制覇の快挙などもあり、人気急上昇中の車いすバスケットボール。そのクラブチーム日本一を決める大会、「天皇杯第48 回日本車いすバスケットボール選手権大会」が1月20日（金）から21日（土）にかけて東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催されます。
「天皇杯第48 回日本車いすバスケットボール選手権大会」のメインビジュアルと、優勝チームに授与される天皇杯（上）
大会には全国10ブロックでの1次予選会や東・西日本での2次予選会などで上位に入った全8チームが出場し、トーナメント形式で日本一を争います。日本代表で活躍する選手の多くも、所属クラブに戻ってしのぎを削り合います。また、国内ルールで行われるためチームは男女混合で、障害のない選手も参加できることも特徴です。
同大会の開催は約3年8カ月ぶりで、しかも有観客で開催されます。2019年5月に第47回大会が開催されて以降はコロナ禍の影響で2020年度、2021年度は中止されました。また、東京パラリンピックもほぼ無観客開催、U23世界選手権は海外（タイ）が会場だったので、ようやく車いすバスケを間近で観るチャンスが戻ってくるのです。
見どころも盛りだくさんです。前回大会まで11連覇中の絶対王者、宮城MAXが連勝記録を伸ばすのか。あるいは、コロナ禍を乗り越えて力を蓄えてきた他チームの戦いぶりも気になりますし、東京パラリンピックなどで経験や自信を身に着け進化した代表選手たちのハイレベルなパフォーマンスも楽しみです。
また、大会スペシャルパートナーのサントリーや三菱電機による特設ブースでは、車いすバスケの魅力を体感できる体験会や情報発信が実施されるそうです。
なお、初日の20日（金）は入場無料ですが、2日目の21日（土）は全席有料で開催されます。車いすバスケでは国際大会での有料開催の実績はありますが、日本選手権としては初となります。大会実行委員長で、日本車いすバスケットボール連盟の矢田成昭副会長は有料化について、「国際大会での好結果を経て、車いすバスケの価値を高めるためのチャレンジ」と話しています。チケットは好評発売中です（下記参照）。
会場観戦以外にも見るチャンスがあります。21日（土）の決勝戦はBS日テレで生中継放送が、また、1回戦から3位決定戦までの9試合は日本車いすバスケットボール連盟公式YouTubeチャンネルでライブ配信が実施されます（下記参照）。
日本最高峰の車いすバスケの大会を、ぜひお楽しみください！
■事前会見で、選手が意気込み
大会開幕を前に、1月11日には大会前記者会見が都内で開かれ、活躍が期待される3チームの代表選手らが登壇しました。
1月11日に都内で行われた、「天皇杯第48 回日本車いすバスケットボール選手権大会」の事前記者会見で活躍を誓った出場選手たち。左から、伊丹スーパーフェニックスの堀内翔太キャプテン、NO EXCUSEの香西宏昭キャプテン、宮城MAXの萩野真世アシスタントコーチ兼選手
前回覇者、宮城MAXの萩野真世選手は女子日本代表でも活躍する現役ですが、今季からMAXのアシスタントコーチも兼任しています。12連覇も期待されていますが、「前回までは日本代表選手が多いチームでしたが、先輩方が東京パラリンピック後に引退したので、新しいチームとしてみてほしいです。フレッシュなメンバーでゼロからのスタートとして出場します。目の前の試合に全力で挑み、まずは1勝を目指したい」と控えめに意気込みを語りました。
チームにはU23男子代表で金メダル獲得に貢献した伊藤明伸選手など若手や次世代選手も多く、「皆でチームを作り上げているところ。今までのチームの印象とは違うと思いますが、若い選手のスピードにチームの勢いも乗せて行きたい。温かい目でフレッシュなチームを応援ください」。新生チームとして一丸となり、新たな歴史づくりに挑みます。
東日本第2次予選会優勝チームのNO EXCUSEからは香西宏昭キャプテンが登壇。2大会前には準優勝もしている強豪チームで、昨年6月には元日本代表ヘッドコーチ（HC）の及川晋平氏がチームに復帰し、新体制となりました。
「昨年5月末に僕自身も（ドイツリーグから）帰国。及川さんもHCに復帰して再始動し、順調に強化が進んでいます。キャプテンの僕だけがリードするのでなく、皆で意見を出しながら練習しています。優勝したいし、やってきたことを思いきり出して、1試合ごとに成長する大会にしたい」と力強く語りました。
「年齢が高い選手が多いチームですが、自分たちの良さを出せるような戦略や戦術を組んでいます。うまく連係して戦えたら」と、ベテランならではの経験やテクニックを生かして優勝を狙います。
西日本第2次予選会優勝の伊丹スーパーフェニックスの堀内翔太キャプテンは、「東日本（のチーム）はメディアに出ている選手も多いので、優勝して西日本地区も盛り上げたい」と力を込めます。
チームの強みは2次予選会でも全員得点を達成したというシュート力で、「どこからでも得点できる点が強み。西日本地区の選手にも注目してもらえるような大会にしたい」と強い自覚と責任感で勝ちにこだわって戦います。
なお、初日の20日には学校連携プログラムとして、会場の東京体育館がある渋谷区内の9つの小・中学校から約1,000名の生徒が来場し、選手のパフォーマンスを後押しする予定です。
自身5大会目となるパリパラリンピック出場も目指している香西選手は、「まずは日本代表に入れるように、この天皇杯でもアピールできるように精進したい」と意気込むとともに、「パリ大会以降に向けて、会場やテレビなどで見ている子どもたちに、『あそこでやりたい』と思ってもらえるようにしたい」と、車いすバスケの未来も見据えた目標を語りました。
スピード感や迫力、車いすを自在に操るテクニックなど見どころ満載の車いすバスケの日本一決定戦。この機会にぜひ会場で、オンラインやテレビで、応援ください！
「天皇杯第48 回日本車いすバスケットボール選手権大会」の試合スケジュール （提供： 日本車いすバスケットボール連盟）
＜「天皇杯第48 回日本車いすバスケットボール選手権大会」詳細＞
https://jwbf.gr.jp/tournaments/185
＜チケット販売＞
ローソンチケット： https://l-tike.com/sports/mevent/?mid=619508
L コード： 32859 要利用登録（無料）
チケットに関するお問合せ： https://l-tike.com/contact/
＜テレビ放送＞
チャンネル： BS日テレ
放送日 ： 1月21日（土）
放送時間 ： 午後3時30分～5時30分 （枠内未終了の場合延長あり）
対象試合 ： 決勝（GAME10）
＜インターネット配信＞
チャンネル： 日本車いすバスケットボール連盟公式YouTubeチャンネル
放送日時： 1月20日（金） 朝9時30分～22時00分頃 （1回戦～準決勝＝GAME1～6）
1月21日（土） 朝8時30分～15時30分頃 （順位決定戦＝GAME7～9）
＊注： 決勝（GAME10）の配信はありません。
（文・写真：星野恭子）
