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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(431)トピック盛りだくさんの2022年パラスポーツをプレイバック! 

まもなく終わりを迎える2022年。月別に、パラスポーツの主なトピックを独断でピックアップし、振り返ってみました。

【1月】 
依然として続くコロナ禍により、中止された大会も多かったなか、3年ぶりに「第19回アクサブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権」が東京フットボールセンター八王子富士森競技場(東京都八王子市)で開催され、決勝戦でfree bird mejirodaiがbuen cambio yokohamaを4対0で下し、初優勝を果たした。free bird mejirodaiは創部6年目での快挙。3位決定戦ではコルジャ仙台ブラインドサッカークラブがA-pfeile広島BFCを4対2で破り、チーム初の表彰台となる3位に入った。

【2月】 
2月1日から4日にかけ、パラアルペンスキー国内最高峰の大会、「2022ジャパンパラアルペンスキー競技大会」が菅平高原パインビークスキー場(長野県上田市)で開催。北京パラリンピック開幕を1カ月後に控え、男子チェアスキーの森井大輝などメダル候補の日本代表陣も最後の実戦に臨んだ。

【3月】
北京冬季パラリンピックがコロナ禍のなか、厳格なバブル方式で開催され、3月4日から13日の日程で6競技78種目が競われた。
コロナ禍や戦禍の影響を受けたなか、成功をおさめた北京パラリンピック (撮影:星野恭子)

日本選手団は 4競技(アルペンスキー、バイアスロン、クロスカントリースキー、スノーボード)に29選手が出場し、金4、銀1、銅2の計7個のメダルを獲得した。金4個は海外開催の冬季パラリンピックでの日本最多を更新。けん引したのは日本選手団主将でもあったアルペンスキー女子(座位)の村岡桃佳選手(トヨタ自動車)で金3個、クロスカントリースキー男子(立位)の川除大輝(日立ソリューションズJSC)が1個を加え、自身初めて表彰台の頂点に立った。

2月末のロシアによる侵攻の影響が濃く、心身共に難しい状況のなか、スキー強豪国のウクライナ選手団は力強くハイレベルなパフォーマンスを見せ、祖国に勇気と希望を与えた。

【4月】
日本ブラインドサッカー協会は4月18日、ブラインドサッカーのトップリーグ「LIGA.i(リーガ・アイ)」の新設を発表。従来の日本選手権とは別に、エンターテインメント性などを高め、一定の参加条件を備えたチームによるリーグ戦で王者を決するもの。

なお、初年度の今年は4チームが参加し、7月から9月にかけ、3節にわたってリーグ戦が展開された。最終節にあたる第3節は9月23日、フクシ・エンタープライズ墨田フィールド(東京都墨田区)で開催され、第1試合で埼玉T.Wingsがbuen cambio yokohamaを2-0で下し、通算3戦全勝の勝ち点9を挙げて優勝し、初代王者に輝いた。

全日程を終了し、4チームが全3節にわたって総当たりで戦った今年度のリーガアイ最終順位は、優勝が埼玉T.Wings、2位がfree bird mejirodai、3位がパペレシアル品川、4位がbuen cambio yokohamaとなった。

【5月】
5月1日から15日までブラジル南部のカシアスドスルで、聴覚障害者を対象にした4年に1度の国際総合競技大会「デフリンピック」の第24回夏季大会が開かれた。本来は2021年12月の開催だったが、コロナ禍により延期されていた。大会には主催する国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)に加盟する73の国と地域から約2400選手が参加し、20競技で金メダルが争われた。

日本からも93選手(男子46人、女子47人)がエントリーし、10日までに金12、銀8、銅10の計30個のメダルを獲得し、日本史上最多記録を更新する活躍。大会後半戦には陸上競技などもスタートし、さらなるメダルの上積みが期待されたが、日本選手団の選手・スタッフから複数の新型コロナウイルス感染者が出たため、11日以降の全競技で出場を辞退した。

なお、9月にオーストリア・ウィーンで開かれた国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)総会で、次回2025年デフリンピックの東京開催が決定。今大会での無念な思いは、地元開催の25年大会で晴らす。

【6月】
6月12日から18日まで、ポルトガル・マデイラで開かれた「世界パラ水泳選手権」。日本代表「トビウオ・パラ・ジャパン」からは16選手が出場し、金5、銀3、銅12のメダルを獲得。

【7月】
車いすテニスのレジェンド、国枝慎吾が「生涯ゴールデンスラム」を達成! これは、自身のキャリア内で、テニスの4大大会とパラリンピックの計5大会を制覇する快挙で、国枝は今年7月のウィンブルドン大会で車いすテニスの部男子シングルスを初制覇し、念願をかなえた。男子車いす選手では初の快挙。

【8月】
昨夏の東京パラリンピック開会式から1年となった8月24日、大会会場のひとつだった有明アリーナ(東京都江東区)で、「東京2020パラリンピック1周年記念イベント」が開催された。東京2020大会はコロナ禍のため、原則無観客開催だったが、同イベントは二部制の有観客で行われ、計9,200人の観客が男女車いすバスケットボールのエキシビションマッチやゲストのパフォーマンスなどを楽しんだ。

【9月】
9月7日から16日までタイ・プーケットで開催された「男子U23世界選手権」で、日本が初優勝。日本車いすバスケットボール史上初となる金メダル獲得の快挙を達成した。男子車いすバスケは、昨夏の東京パラリンピックでも初の銀メダルを獲得しており、その強さを改めて世界に誇示した。

【10月】
10月10日から16日までデンマーク・ヴァイレで、「2022車いすラグビー世界選手権」が行われ、2018年大会からの連覇を目指した日本は3位決定戦でデンマークを61-57で破った。オーストラリアが決勝でアメリカを58-55下して優勝した。

【11月】
41回目を数えた「大分国際車いすマラソン」が11月20日、大分市内で開催され、マラソンとハーフマラソンに男女あわせて158人が参加した。3年ぶりに海外からの一般参加や沿道の声援も復活。伝統の風物詩でにぎわう大分の街を先頭で駆け抜けたのは東京パラリンピック金メダリストで世界記録保持者のマルセル・フグ(スイス)で、1時間21分10秒の好タイムをマークしてマラソン男子で4大会連続10度目の優勝を飾った。2位には鈴木朋樹が入ったが、フグから遅れること3分半以上。「何も通用しなかった。悔しい。また一からやっていきたい」と、さらなる成長を誓った。

マラソン女子は土田和歌子がスザンナ・スカロニ(アメリカ)を最後のトラックで抜き去り、1時間37分59秒で10年ぶり7度目の戴冠。ハーフマラソン男子は生馬知季が連覇達成、同女子ではアルペンスキーとの二刀流、村岡桃佳が初出場初優勝を果たした。

【12月】
12月7日から16日まで、ポルトガル・マトジーニョスで「2022ゴールボール世界選手権」が開かれ、日本代表「オリオンJAPAN」は男女とも準々決勝で敗れた。最終順位は男子が過去最高の6位、女子は5位だった。

今年もご愛読、ありがとうございました。2023年もまた、よろしくお願いいたします。
(文:星野恭子)