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星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ(69) 2.4~2.8

 国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトしたパラスポーツ・ピックアップ・シリーズ。今号ではアルペンスキーやアイススレッジ・ホッケーなどの試合結果を中心にリポートしています。冬季競技のシーズンも後半に入り、今週13日(金)からはいよいよアジア初開催となる、「2015IPC(国際パラリンピック委員会)ノルディックスキー・ワールドカップ」が北海道旭川で開幕します。ワールドカップ今季第2戦となるこの旭川大会には日本を含め、10か国(ロシア、ノルウェー、スウェーデン、オーストリア、フランス、カナダ、アメリカ、カザフスタン、韓国)から約100名の選手・スタッフが参加します。3月15日から「スカパー!」で大会ハイライトも放送予定。ソチ冬季パラリンピックのメダリストなど世界トップレベルの滑りを間近に観るチャンスをお見逃しなく! 詳細は、大会公式サイトでご確認ください。

 

■アルペンスキー

・2日~5日: IPC(国際パラリンピック委員会)アルペンスキーのワールドカップ今季最終戦が、スイス・サンモリッツで開催され、前半2日間は大滑降が、後半2日間は滑降が行われた。日本からは、男子立位に2選手、同座位に4選手、女子座位に1選手が出場した。最終日の滑降で男子座位の鈴木猛史が3位に入った。今大会を通し、日本勢唯一の表彰台だった。

 

 IPCアルペンスキー競技はこのあと、北米カップなどを経て2月28日からカナダ・パノラマで世界選手権が開幕する(~3月10日)。さらに、3月21日から24日まで日本最高峰の大会、2015ジャパンパラ大会が長野県白馬八方尾根スキー場で開催されることになっている。

 

■アイススレッジ・ホッケー

・7日~8日: 「2015アイススレッジ・ホッケー東日本クラブ選手権大会」が長野市若里多目的スポーツアリーナ(ビッグハット)で、北海道、東京、長野の3チームが参加し総当たり戦で行われ、2勝を挙げた北海道が優勝した。各対戦結果は下記の通り。

 

  長 野 ○5 (1-1、2-1、2-0) 2● 東 京

  北海道 ○6 (4-2、0-0、2-0) 2● 東 京

  長 野 ●1 (0-1、0-0、1-0/GWS0-1) 2○ 北海道

 

 アイススレッジ・ホッケーは、下肢に障害のある人を対象に、アイスホッケーのルールを一部変更して行うスポーツで、スケートの刃を2枚取り付けた専用のソリ、「スレッジ」に乗り、左右の手にスティックを一本ずつ持ってプレイする。スティックはアイスピックとブレードがついた特製で、漕ぎながら前に進み、ブレード部分でパックを操り、パスやシュートを行う。アイスホッケーのように、ボディチェック(体当たり)が認められており、「評定の格闘技」とも称される、迫力とスピードが魅力のスポーツ。1試合は15分3ピリオド制で行われる。冬季パラリンピックの正式競技であり、日本は2010年バンクーバー大会で銀メダルを獲得している。

 

・7日: 4カ国(アメリカ、ロシア、カナダ、韓国)が参加して1日にカナダ・ルドゥークで開幕した「2015世界アイススレッジ・ホッケー・チャレンジ」大会の決勝が行われ、ソチ冬季パラリンピック金メダリストのアメリカが、延長戦の末、ロシアを2-1で下し、大会3度目の優勝を果たした。アメリカは2009年、12年にもカナダを破って優勝している。

 

 アメリカはこの「世界アイススレッジ・ホッケー・チャレンジ」大会の優勝で、昨年の「パラリンピック」大会金メダルと合わせ、「アイススレッジ・ホッケー三冠」に王手をかけた。残る一つは「IPCアイススレッジ・ホッケー世界選手権」で、今年は母国アメリカのニューヨーク州バッファローで4月24日に開幕する。

 

 3位決定戦は地元カナダが4-1で韓国を下した。

 

■陸上競技

・7日: 日本パラ陸上競技連盟と日本陸上競技連盟の協働による、跳躍選手対象のスウェーデン合宿に参加しているT44クラス(片膝下切断など)の鈴木徹が、現地の室内競技大会に健常者に混じって出場した。結果は1m90cmを跳び、12位だった。ちなみに日本陸連所属の健常選手、平松祐司(西城陽高校)が2m17cmをクリアし、2位に入っている。

 

■ソウル発

・4~5日: IPC(国際パラリンピック委員会)と2018年ピョンチャン冬季オリンピック・パラリンピック組織委員会(PCOCG)の事務折衝会議、第4回「プロジェクト・レビュー」を終了した。

 

 IPCの発表によれば、PCOCG側は競技施設や選手村、交通やアクセスビリティなどに関する最新の準備状況についてプレゼンテーションを行った。それに対し、IPCのハビエル・ゴンザレスCEOは、「大会まであと3年。今こそ、計画を実行に移す時。まだ多くのことを行わねばならず、これからの12カ月は大会を形づくる、とても重要な日々になる」と話したという。

 

 2018年ピョンチャン冬季パラリンピックは3月9日から18日に開催される。

 

(星野恭子)

Correction:スカパーの「2015IPCノルディックスキー・ワールドカップ」放映日を修正いたしました。