「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(421) 車いすラグビー日本代表が連覇に挑戦! 世界選手権まもなく開幕
10月10日にデンマーク・ヴァイレで開幕する車いすラグビーの世界選手権に臨む日本代表チームが9月22日、オンラインで記者会見を開き、大会への意気ごみなどを語りました。日本は前回2018年大会で初制覇を果たしており、大会2連覇を狙います。
大会は10月10日から16日までの7日間で行われ、現在世界ランキング1位の日本のほか、東京パラリンピック金メダルのイギリスなど世界ランキング上位の12チームが集結し、世界王者の座を競います。予選は6チームずつの2プールに分かれて総当たり戦を行い、順位に応じて決勝トーナメントへと進む方式で行われます。
日本は東京パラで銅メダルを獲得した12選手で挑みます。18年大会、そして東京パラに続いてチームを指揮するケビン・オアーヘッドコーチは、「2連覇へのプレッシャーはない。積み上げた経験が日本代表にはある」と自信を見せました。「個人のスキルに頼っていた東京パラのときよりもさらに連携が取れるようになり、チームとして成長している」と選手を評価し、「より高いレベルで幅広いラインナップ(コート上の4選手の構成)が組める。どの相手チームにも対応できるチームができつつある」と力強く語りました。
車いすラグビー日本代表、ケビン・オアーヘッドコーチ。「世界選手権はパリ(パラリンピック)に向けてパリに向けて勝ちに行きたい大会。チームのバランスや連携を考え、ベストメンバーを選んだ」 (写真:日本車いすラグビー連盟主催オンライン会見より)
選手を代表して会見に臨んだ池透暢主将は「パリパラリンピックの金メダル獲得に向けて、(海外チームの)新しい選手や戦略をチェックしたり、自分たちのやってきたことが正しかったのかなどを試す大会にしたい」と今大会を位置づけ、「大会を通して、1戦1戦のなかで自分たちの穴を見つけ、埋めていきながら、最後の試合で最も強くなれるような戦い方をして、優勝を目指したい」と目標を口にしました。
「予選から楽な試合はひとつもないと思う」と気を引き締めつつ、「ワクワクした気持ちが強い」と意気込む、池透暢主将 (写真:同上)
もう一人、チーム最年少ながら成長著しい橋本勝也選手は東京パラ後に転職し、今年4月からアスリート雇用になったことで練習時間が増え、競技との向き合い方も変化し、今大会でも活躍が期待されています。「アジリティ、体力面とも上がってきて、世界選手権に向けてコンディションはいい。4年前も選手としてベンチにいたが、プレータイムは短く、戦術もあまり理解しないままだった。今回は、4年間でこれだけ成長したぞというところを見せつけたい思いでいる」と意気込みました。
「アスリート雇用になり、今までできなかったことができるようになっている。ラグビーに対するIQが高くなっていると感じているし、楽しくラグビーができている」と自信を口にした、橋本勝也選手 (写真:同上)
なお、大会は10月10日17時(日本時間11日0時)からのデンマークーブラジル戦で開幕し、日本代表の戦いは11日11時45分(同11日18時45分)からの対コロンビア戦からスタートする予定です。その後、デンマーク、カナダ、ブラジル、オーストラリアと戦って、決勝トーナメント進出を狙います。46試合すべてがライブ配信される予定です(https://2022wrwc.com/event/streaming/)。
ぜひ、応援ください!
<2022 WWR 車いすラグビー世界選手権>
大会サイト: https://2022wrwc.com/
日程: 2022 年10 月10 日(月)~10 月16 日(日) 計7 日間
会場:デンマーク・ヴァイレ
参加チーム: (カッコ内は2022年9月16日時点のWWR世界ランキング)
プールA: イギリス(2)、アメリカ(3)、フランス(5)、ニュージーランド(8)、ドイツ(10)、スイス(13)
プールB: 日本(1)、オーストラリア(4)、カナダ(6)、デンマーク(7)、ブラジル(9)、コロンビア(11)
[車いすラグビー世界選手権2022日本代表選手]
(持ち点クラス/名前/背番号/所属企業/年齢)
0.5/長谷川勇基/2/ソシエテ・ジェネラル証券/30
0.5F/倉橋香衣/3/商船三井/32
1.0/小川仁士/23/バイエル薬品/28
1.0/今井友明/9/三菱商事/39
1.0/若山英史/1/静岡銀行/37
1.5/乗松聖矢/22/SMBC日興証券/32
2.0/中町俊耶/14/コロプラ/28
2.0/羽賀理之/4/ペプチドリーム/37
3.0/池透暢/21/日興アセットマネジメント/42
3.0/池崎大輔/7/三菱商事/44
3.0/島川慎一/13/バークレイズ証券/47
3.5/橋本勝也/32/日興アセットマネジメント/20
(文:星野恭子)