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星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ(66) 1.15~1.22

 国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトしたパラスポーツ・ピックアップ・シリーズ。2020年東京オリンピック・パラリンピックの大会準備が進むなか、パラスポーツやアスリートへの注目も高まってきたように感じます。このピックアップシリーズでも、2020年に向けての予習にもなるよう幅広く話題を集め、お届けしていきます。今号では障害者サッカー支援へ向けた協議会を設置するサッカー界の話題から、国内外から届いた大会情報をリポートしています。

 

■東京発

・15日: 日本サッカー協会(JFA)は2015年度の第1回理事会を都内で開催し、障害者サッカーの支援体制の強化を目的に、統括団体の創設や事業協力などの窓口となる「障がい者サッカー協議会(仮称)」の設置を決定した。日本には現在、7つの障がい者サッカー団体(日本ブラインドサッカー協会、日本脳性麻痺7人制サッカー協会、日本ろう者サッカー協会、日本知的障がい者サッカー連盟、日本電動車椅子サッカー協会、NPO法人日本アンプティサッカー協会、NPO法人日本ショーシャルフットボール協会)がそれぞれ活動している。JFAは以前からワーキング・グループを立ち上げ、各団体へのサポートのあり方などを検討してきたが、同協議会の発足によってより具体的な進展が期待される。

 

 例えば、これまで各団体がそれぞれ国際大会に派遣してきた「日本代表」はJFA公認チームではないためユニフォームはバラバラだったが、今後はサッカー日本代表と同じブルージャージを纏うことも可能になるかもしれない。一体感が高まり、励みに思う選手も多いことだろう。

 

 とはいえ、同じサッカーといっても障害に応じてルールも一部異なり、国際統括団体も異なるなど、管轄の統一化には課題も少なくない。だが、一般サッカーとの壁を低め、障害者サッカーの普及を進める確実な一歩となることは間違いない。他のパラスポーツにもいい刺激となることを期待しながら、サッカー界の今後の動向を見守りたい。

 

■ブラインドサッカー

・18日: 「関東リーグ2014第8節」が新宿区大久保公園で行われ、ロービジョン・フットサル(弱視クラス)の最終戦が行われた。すでに優勝を決めていたA.C TOKYOがF.C.SFIDAつくばを3-1で下し、有終の美を飾った。

 

 なお、次節は関東リーグの最終節となり、全盲クラスのブラインドサッカー最終戦、たまハッサーズ対乃木坂ナイツの1戦が行われる。今年度のリーグは混戦となっており、この試合で勝利したチームがリーグ優勝となり、もし引き分けた場合はたまハッサーズと前年覇者、Avanzareつくばとの得失点差勝負となる大一番だ。会場はクーパーフットボールパーク八王子富士森公園(東京都八王子市)で、24日14時にキックオフ予定(入場無料)。

 

 また、関西リーグも混戦となっており、25日に迎える最終戦、大阪ダイバンズ対兵庫サムライスターズの結果で勝者が決まる。こちらも14時に、兵庫県立視覚特別支援学校(神戸市)でキックオフの予定(入場無料)。

 

■パラサイクリング

・18日: 日本パラサイクリング連盟(JPCF)のパラリンピック日本代表候補選手5名が「2014西都原エンデューロ4時間耐久レース」(宮崎県西都市)に特別参加した。参加したのは、藤田征樹、鹿沼由利恵、田中まい、藤井美穂、相園健太郎の5選手。強化合宿の一環での試走という位置づけだったが、一般選手に混じっての走行は実戦感覚を磨くのに貴重な機会となる。また、関連イベントとして選手と子どもたちとの交流会も行われ、パラサイクリングのPRの場にもなった。

 

■陸上競技

・21日: 車いす陸上のトラック競技会、「サマー・ダウン・アンダー2015」が豪シドニーで開幕、初日は男女200m、400m、1500mが行われ、渡辺勝(凸版印刷)が男子1500mで優勝、400mでも2位に入った。

 

・22日: 「サマー・ダウン・アンダー2015」の第2日目、男女100m、800m、1500m、5000mが行われ、女子100mで中山和美が3位、男子5000mで洞ノ上浩太が優勝、800mで渡辺が3位に入った。

 

(星野恭子)