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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(380) 車いすバスケ日本代表、パリ2024への新体制を発表。北九州では有観客の大会が開幕間近!

東京パラリンピックでは日本の男子代表が史上初の銀メダルを獲得、同女子も6位入賞と活躍した車いすバスケットボール。「おもしろかった」「ファンになった」といった人も多いのではないでしょうか? 

男女日本代表はすでに2024年パリパラリンピックでのさらなる躍進に向けて始動しています。10月28日には日本代表新強化体制発表会見がオンラインで開かれ、東京パラにつづいて男子代表を率いる京谷和幸ヘッドコーチ(HC)と、東京パラ後に就任した女子代表の岩野博HCが出席し、パリ大会に向けた強化方針や目標を語りました。

男子の京谷HCは今後の強化方針として、「世界一走ってハードワークできる」「世界一切替が早い」「どこからでも得点できる」の3つをチームコンセプトに掲げました。これまでに培ってきたトランジションバスケや固いディフェンス、豊富な運動量は「ジャパン・スタイル」として継続しながら、さらにシュート精度やゲーム判断力などを強化し、レベルアップを図っていくといいます。

女子の岩野HCは、「得点力で勝負していけるチームづくり」を強化プランとして挙げました。大柄の海外勢に比べ、小柄な日本チームの場合、アウトサイドからのシュート力やセットプレーの精度などで対抗していくことが必要です。これまで磨いてきた「走るバスケ」のスタイルは維持しながら、得点力のさらなる強化にも取り組みます。女子はまた、世代交代も課題であり、今後は地域との連携を強め、全国的な次世代選手の発掘、育成にも注力していくそうです。

なお、新任となる岩野HCは自身も3大会連続のパラリンピアンだったことに加え、オーストラリアでもプレー経験があり、現役引退後は日本の女子チーム「カクテル」を7回、リーグ優勝に導いています。日本車いすバスケットボール連盟の小林順一技術委員長によれば、そうした豊富な経験が期待され、代表HCに選任されたそうです。

男女とも、来年10月には中国・杭州でのアジアパラ競技大会、11月にはドバイでの世界選手権が控えます。今後は強化指定選手を対象にした代表選手選考合宿なども始まっていきます。

京谷HCは、「まずは世界選手権でトップ5をキープし、パリ大会で再びファイナルの舞台に立つことが目標」と話し、岩野HCも、「世界選手権ではベスト4を狙いたい。パリ大会ではメダル争いにからみ、その先に金メダルを目指せれば」と意気込んでいました。

■車いすバスケの迫力のプレーを観戦するチャンス!

11月12日(金)~13日(土)には、北九州市立総合体育館(福岡県北九州市)で、「第23回全日本ブロック選抜車いすバスケットボール選手権大会」が、競技力の向上とチーム間の交流を図ることを目的に開催されます。

東京、関東、近畿、九州の国内ブロック4チームがリーグ戦方式で競い、順位を競います。試合は男女混合で行われ、東京パラ銀メダリストの古澤拓也選手や6位入賞を果たした女子代表の網本麻里選手など、パラリンピアンも多数参戦します。

さらに、来年、千葉市で開催予定の男子U23世界選手権大会を控えるU23日本代表チームも参加し、各ブロックチームと強化試合(順位・表彰対象外)を行います。U23チームは東京パラ日本代表を率いた京谷和幸ヘッドコーチが指揮を執り、若きエースの鳥海連志選手や赤石竜我選手らもメンバーとなっています。

今大会は観戦対策を徹底(*)したうえで、有観客で開催され、入場は無料です(*入場時に検温、消毒等行い感染予防ルールに従って観戦)。コロナ禍で、なかなか生観戦の機会が少ないなか、お近くの方、興味・関心のある方はこの機会に迫力ある車いすバスケや選手たちのハイレベルなパフォーマンスをお楽しみください!

また、大会前日の11月11日(木)には、「第16回北九州市小学生車いすバスケットボール大会」も開催され、5校7チームが参加予定です。北九州市では2002年に車いすバスケットボールの世界選手権が開催されたことを機に、車いすバスケットボールの普及に熱心に取り組んでいます。

市内の小学校では障害の有無にかかわらず、体育の授業などで競技に親しんでいて、この大会は日ごろの練習の成果を発表する毎年恒例の大会となっています。車いすを上手に操りながら、懸命にプレーする姿からは、車いすバスケがパラスポーツの枠をこえ、スポーツとしての可能性の広がりも感じられます。

なお、今年は感染症対策のため残念ながら、小学生大会の観戦は保護者・学校関係者に限られていますが、今後もこうした形でパラスポーツが自然に広がる機会が増えていくことを期待します。

<第23回全日本ブロック選抜車いすバスケットボール選手権大会>
日程:2021年11月12日(金)~13日(土)
会場:北九州市立総合体育館 (*入場無料)
詳細: https://www.kitakyushu-cup.com/

(文:星野恭子)