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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(379) 北京2022もオリ・パラ共通デザイン! 日本選手団の公式ウェア発表

北京2022冬季オリンピック開幕100日前であり、同パラリンピック開幕128日前にあたる10月27日、日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会(JPC)は合同で、同大会の日本代表選手団公式服装発表会を東京都内で行いました。今夏の東京2020大会につづいて、公式服装のデザインは、オリンピックとパラリンピックで共通となります。オリ・パラ一体のレガシーが引き継がれました。

式典・渡航用は男女とも紺色のブレザーとグレーのパンツに、男子は赤のネクタイ、女子は同色のスカーフを首に巻くスタイルです。表彰式などで着用する公式スポーツウェアは、日の丸をイメージした鮮やかなオレンジレッドのダウンジャケットやストレッチジャケットに、ライトグレーのパンツというコーディネートです。

冬季大会用ということで、「防寒性・防風性は当然の機能として、体が温まった後の衣服内温度や蒸れの調整、動きやすい素材やカッティングなどの機能性を盛り込み、競技に臨む選手のストレス軽減を目指して作製」されています。

北京冬季オリンピック・パラリンピックの日本選手団公式服装発表会でポーズを取るパラアルペンスキーの田中佳子選手(右)とスピードスケートの高木美帆選手。スクリーン内はパラスノーボードの岡本圭司選手(右)とスノーボード木俣椋真選手 (提供:©JOC)

発表会に登壇したJPCの河合純一委員長はまず、自身が選手団団長を務めた東京2020パラリンピックについて、「オリンピック代表(選手団)の活躍の後押しのもと、それを引き継いだパラリンピック代表も活躍でき、大成功の中で終えることができました」と感謝を述べました。

ちなみに、東京大会では日本は全51個のメダルを獲得し、うち金メダルは13個で国別ランキングも11位に躍進しました。

さらに、河合委員長は東京大会につづいて自身が選手団団長を務める北京冬季大会について、意気込みを語りました。

「公式服装、スポーツウェアとも、東京大会につづいて同じデザインを採用していただきました。JOCの山下(泰裕)会長が常々、『オリ・パラ一体』であることをメッセージだけでなく、見える形で示しつづけてくださることは、我々(パラアスリート)にとって大変ありがたく、光栄です。(北京大会でも)再びオリ・パラの選手たちの最高のパフォーマンスを通じて、日本中を熱狂のうずに巻き込めるよう頑張っていきたい。そのことが、我々が目指す活力ある共生社会の実現に向けて前進していくものと確信しています」

また、発表会には、オリンピアンと並び、パラアスリートたちも参加しました。アルペンスキー(座位)の田中佳子選手は公式スポーツウェアのストレッチジャケットとパンツを着用して登壇。「肌なじみも良くて動きやすいので驚きました。ジャケットは袖口に補強がしっかりしてあって、袖を巻き込んでしまうことが多い車いすユーザーにも配慮されています」とパラアスリートを考慮した機能性も高く評価。「北京大会がちゃんと開催できるよう、選手として(感染予防対策など)できることをしっかりやり、3月のパラリンピックのスタートに立てるように頑張りたい」と気持ちを新たにしていました。

また、白の公式Tシャツを着用し、オンラインで出席した岡本圭司選手はすでにパラスノーボードの日本代表に内定しています。「白、赤、金(のライン)が日本代表を表していると感じられるデザインで、すごく気に入っています。自分は(事故で)脊髄を損傷し、右足が動かなくなったが、前に進めるきっかけになった北京パラリンピックにいよいよ、これを着てTeam Japanとして挑戦させてもらえるんだと実感でき、ワクワクしてきました」と喜びを語り、「40歳で、障害があっても、輝けるスポーツの可能性や、スノーボーダーのカッコよさを滑りで表現したいと思っています」と初出場となる大舞台へ思いをはせていました。

北京パラリンピックは中国の北京で、同オリンピック(2022年2月4日~20日)後の3月4日から13日まで、6競技(アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、スノーボード、アイスホッケー、車いすカーリング)で全78種目が実施予定です。

なお、今回発表された北京大会公式ウェアは10月28日から、「日本オリンピックミュージアム」(新宿区霞ヶ丘町)で展示されています。(*コロナ対策のため、入館に要WEB予約)

▼日本オリンピックミュージアム
https://japan-olympicmuseum.jp/jp/

■JPC、新エンブレムを発表

さらに、JPCは同日、2022年1月1日から使用開始するJPC新エンブレムも発表しました。これは、2019年10月に国際パラリンピック委員会(IPC)がシンボルマークの「スリーアギトス」を変更したことに伴い、各国パラリンピック委員会においても2023年12月末までに、IPC の新シンボルマークを使ったエンブレムを制作する必要があり、今回の発表となりました。

JPCでは2種類のエンブレムを制作。第一エンブレムはIPCシンボルマーク(スリーアギトス)を使い、日本国旗と英語の正式名称である「Japanese Paralympic Committee」の文言を組みあわせたもので、JPC が主体となる事業や日本代表選手団の活動に対して使われます。

第二エンブレムは東京2020パラリンピック競技大会で、日本代表選手団の応援ロゴとして発表した「Team Paralympic Japan」のエンブレムと文言に、IPCの新シンボルマーク(スリーアギトス)が組みあわされたもので、2022 年より開始されるJPCスポンサーシッププログラムにおいて、スポンサー企業のマーケティング活動で使われます。

日本パラリンピック委員会が発表した新エンブレム (提供:日本パラリンピック委員会)

(文:星野恭子)