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【仁川アジア競技大会2014レポート】メダルラッシュに湧く日本選手団のなかで惨敗のビーチバレー。リオ五輪は、どうなる!?

 韓国・仁川で行われている第17回アジア競技大会。26日にはビーチバレーボールで日本代表の男女各2チームが準々決勝に挑んだ。

 

 しかし男子の村上斉・高橋巧組、長谷川徳海・上場雄也組は、ともに中国ペアに0-2のストレート負け。女子の村上めぐみ・幅口絵里香組、草野歩・藤井桜子組も、ともにタイのペアにストレートで敗れた。アジア大会ビーチバレーボール競技で日本がメダルを逃したのは、98年に競技が実施されるようになって以来、初めて。

 

 アジアでは、日本はビーチ強豪国のひとつだった。男子は02年アジア大会で金メダル。女子もほぼ毎大会メダルを取るなど、アジア大会で実績を残してきた。オリンピックでも、女子は00年に4位入賞、男女合わせると連続出場を続けアジアで存在感を示してきた。

 

 だが近年、バレー強国の中国だけでなく、カザフスタン、インドネシア、タイなどにも追いつかれ、遅れを取り始めている。日本バレーボール協会は危機を感じ、昨年強化体制を刷新、新体制で臨んだ初めての大きな国際大会で、その危機感を持った中、結果が求められた大会のはずだったが……。

 

 準々決勝で女子の第1代表の草野・藤井組は、立ち上がりからスパイクのミスが続き、一気に突き放されると最後までリズムを取り戻すことができず、第1セットを失ってしまう。第2セットも同様の展開で立て直すきかっけも掴めないまま敗れた。

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 男子第1代表の長谷川・上場組も、同様の試合内容。ほぼ何もできずにベスト8で大会を終えた。草野は「チームも個人も技術が足りなかった」と話し長谷川は「落ち着いて攻撃できなかった」と話した。

 

「惨敗」の結果。ベスト4にも残れず、もはやアジアの強豪国とは言えなくなった。新しい強化体制の成果は出せず、技術的にも精神的にも足らないと話す代表選手。

 

 バレーボール協会最大の目標は2年後のリオデジャネイロ五輪出場だが、来季から始まる五輪出場権獲得ポイントレース(ワールドツアーの結果から算出)に参戦するのは現実的に厳しい。また、おそらく1枠を争うことになるアジア大陸出場枠の獲得も、本大会の状況では暗雲が垂れ込める。「帰国したらすぐにでも大会の分析、総括を行う」と白鳥ビーチバレーボール強化委員長が話すように、早急で大幅な手当てが必要だろう。

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(小崎仁久/文と写真)