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チャンピオンの品格‐日本電動車椅子サッカー界のトップであり続ける為に

 8月24日(日)、日本電動車椅子サッカーブロック選抜大会が、初めて鹿児島の地で開催されました。

 

 出場したブロックは北海道、北陸、関東、中部、関西、中国、そして九州の7チーム。結果から言いますと、私が一度練習を取材した関東ブロック代表が3連覇の偉業を達成しました。

 

 この大会は、国際ルールと全く同じ競技規則の最高速度10キロで行われる日本最高峰の大会。各ブロックから選抜されたトップアスリートが集結して激しい試合が繰り広げられました。

 

 国内ルールでは競技時の速度は6キロに制限されているので、10キロで開催される大会は、選手にとって非常にやりがいのある貴重な実戦の場となります。

 

 本来であれば国際ルールに準じて日本の競技規則も統一していければ良いのですが、国産の電動車椅子は最高速度が6キロに制限され、海外製の電動車椅子を使用している選手との格差が生じてしまうため、競技規則の統一は実現されていません。

 

 6キロと10キロを比較すると、全く違う競技といって良いほどの大きな違いがあります。

 

 そういった事情がありながら、選手は柔軟に大会ごとにプレースタイルを変えながらベストを尽くしている、というのが現状です。

 

 そのような厳しい環境の中で、関東ブロック代表がブロック選抜大会において3連覇を実現させたことは、電動車椅子サッカー界の歴史に刻まれた大きな成果でした。

 

 私が監督を務めるYokohama Crackersからは4名の選手が関東ブロック代表に選出され、優勝に貢献する活躍をしました。

 

 10キロの大会が終わり、10月18日・19日に国内最強クラブを決定する「マルハンカップ第20回日本電動車椅子サッカー選手権大会」が金沢で開催されます。

 

 Yokohama Crackersにとっては連覇がかかる大会だけに、例年以上に大きなプレッシャーの中、大会に臨むことになります。

 

 2年前も連覇を目指して戦いましたが、準決勝で惜敗してその夢は打ち砕かれました。

 

 2度目の挑戦で連覇という大きな目標を達成出来るかは、戦術だけでなく、プラスアルファーとして強靭な精神力が必要不可欠です。

 

 今大会は18チームを3チームごとの6つのグループに分けて予選リーグ(勝ち:勝点3、引き分け:勝点1、負け:勝点0)が行われ、各グループの1位の6チームにプラスして、各グループの2位の中で最も勝ち点の多い上位2チームが準々決勝に進出します。

 

 予選リーグのグループ分けは抽選で行われ、そこで驚くべき結果が待っていました。

 

 それは、昨年の日本選手権で優勝したYokohama Crackers、準優勝のRed Eagles兵庫、そして3位のレインボー・ソルジャーの上位3チームが同組になったことです。

 

 これは死のリーグを超えて地獄のリーグとも言える凄まじい結果でした。

 

 この偶然の組み合わせも含めて、連覇することはこれほど難しいのかと、サッカーの神様の気まぐれなイタズラに、思わず苦笑いを浮かべてしまいました。

 

 しかしながら、優勝する為には数々の強敵と対戦するのは避けられないことであり、それが1試合目であるということに過ぎず、逆に言えばこのリーグを1位で突破したチームは優勝にグッと近づくので、大きなチャンスでもあると感じています。

 

 ディフェンディング・チャンピオンの名に恥じないメンタリティーで、本番に向けて残り少ない練習にどれだけ本気で臨めるか、王者としての品格が問われます。

 

 己との戦いに打ち勝った者のみに、栄光のゴールが待ち受けているので、選手には今一度初心を忘れず、真摯にスポーツと向き合う姿勢を示してほしいです。

 

 最後に以下のアドレスから、8月24日(日)に開催されたブロック選抜大会に向けて練習や大会に臨む、関東ブロック代表を追ったドキュメンタリーの動画が閲覧できますので、ぜひ御覧ください!

 

■関東代表チームYOUTUBE

 

(平野誠樹/文と写真)