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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(333) 東京2020大会組織委、ボランティア研修会とチケット払い戻しについての会見を開催

東京2020オリンピック・パラリンピック組織委員会は先週、大会ボランティアを対象にしたオンライン研修会のメディア公開と、大会延期に伴う観戦チケット払い戻しの実施概要の記者会見を相次いで行いました。

■東京2020大会のボランティア オンラインで研修再開

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は10月28日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断していた大会ボランティアの共通研修をオンラインで実施しました。
東京五輪・パラリンピックを支える大会ボランティアの共通研修がオンラインで実施され、配信会場で参加者にあいさつする講師たち(提供: Tokyo 2020)

競技運営などのサポートを行う大会ボランティアは約8万人で、研修は去年10月から始まっていましたが、コロナ禍により中断。感染防止の観点から、数百人規模で行われる対面形式からオンライン形式に変えて、10月21日から再開されています。

対象となるのは2月最終週に予約済みで参加できなかった人や海外在住者などでまだ研修を受けていない人を合わせた約5,000人で、12月までオンラインで開催されます。1日2回実施され、28日は3日目で、約70人が参加した午後の部の6回目が報道陣に公開されました。

参加者は約2時間、ボランティアとしての心構えやオリンピック・パラリンピックの歴史から、障害がある人への応対の仕方、ボランティアとして活動する上でのルールなどを学びました。
東京オリンピック・パラリンピックの大会ボランティアのオンラインによる共通研修で、講師のかけ声に手を挙げて応える参加者たち(提供: Tokyo 2020)

研修後、大会ボランティアとして参加する大学生2名がオンラインで取材に応じました。パラリンピックに携わる予定の横浜市の大学1年生、毛利慈英さん(18)は、「リスクを抱えながら活動することになり、不安は結構あるが、(ウイルスを)感染させない、感染しないことを意識して、選手も見る人も全員一丸となってみんなで楽しめるいい大会をつくっていきたい」と抱負を語りました。また、オリンピックで競技結果のデータ入力などを担当予定の大阪府高槻市の大学4年生、中浦柚樹さん(21)は、「きっと誰にとっても忘れられない大会になると思うので、しっかり一生懸命、サポートしたい」と話してました。

今後の予定では、オンライン研修の終了後、来年3月から5月にかけてボランティアに対してシフトが通知され、4月からは役割別の研修やリーダーシップ研修が行われます。5月以降にユニホームなどが配布され、6月からの会場別研修を経て、本番を迎えます。

■東京2020大会延期受け、希望者に観戦チケットの払い戻しを実施

東京2020オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は10月30日、新型コロナウイルス感染症の拡大で来夏に延期された同大会の販売済みチケットの払い戻しに関する記者会見を行いました。オリンピックは約448万枚、パラリンピックは約97万枚のチケットが販売済みで、原則として来年の大会でもそのまま利用できますが、延期によって来場が困難になった希望者を対象に払い戻しが実施されます。
東京2020大会観戦チケットの払い戻し手続きについて説明する、大会組織員会の鈴木秀紀マーケティング局次長(提供: Tokyo 2020)

一般チケットは1枚単位で払い戻しできますが、「車椅子ユーザーチケットとその同伴者チケット」はセットでの払い戻しとなり、どちらか一方だけの払い戻しはできません。また、「東京2020みんなで応援チケット」はグループ単位でまとめての払い戻しとなります。

受付期間はオリンピックが11月10日未明~同30日午前11時59分、パラリンピックは12月1日未明~同21日午前11時59分です。また、返金はオリンピックが12月下旬以降、パラリンピックは来年1月中旬以降となります。

申請手続きは公式チケット販売サイト内「マイチケット」から購入者本人のみが申請可能です。組織委は「チケットの払い戻しに関して、当委員会がご自宅に訪問したり、メールやお電話で金融機関の口座番号やクレジットカード番号をお伺いしたりすることはありませんのでご注意ください」と詐欺やなりすましなどの被害に遭わないよう呼びかけました。

▼詳細:オリンピックの公式チケット払い戻し
https://ticket.tokyo2020.org/

▼パラリンピックの公式チケット払い戻し
https://ticket.tokyo2020.org/paralympic

なお、組織委の鈴木秀紀マーケティング局次長は、新型コロナウイルスの感染防止策などで今後、観客を減らすなどの対応により、「観戦の機会をご提供できなくなった場合には、別途、払い戻しを実施させていただく予定です」と話しました。

また、今後の東京2020観戦チケットの販売や公式リセールなどについては、決まり次第、あらためて公式サイトなどで発表される予定です。