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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(332) 東京パラ開幕まで300日。パラスポーツの最新の動向は?

来夏に延期された東京パラリンピック開幕まで「300日」の節目を10月28日に迎えます。今号では同大会を見据えた、最近のパラスポーツの動きや大会・イベント情報などをピックアップしてお届けします。

<新強化体制など>
【ゴールボール】
東京パラへ向け、新強化体制を発表
日本ゴールボール協会は10月15日、日本代表チームの強化体制を再構築すると発表した。これまで男女別々に設置していた強化委員会を統合し、新たにゴールボール強化委員会を創設。強化委員長兼男女総監督には、2015年から女子の日本代表監督を務めてきた市川喬一氏が就任し、東京パラリンピックのメダル獲得を目指す。同氏の国際大会における豊富な経験や手腕が男女両チームの強化に反映されることが期待される。

市川氏は、「東京パラリンピック開催1年を切る中での組織編成となりましたが、これまでの経験を最大限発揮し、統合した強化委員会の指導者育成を進め、男女ともに東京パラリンピックに向け努力していきます」と意気込みを語った。

女子代表は2004年アテネ大会でパラリンピックに初出場して銅メダルを、2012年ロンドン大会では金メダルを獲得。5大会連続出場となる東京大会で金メダル奪還を目標にする。男子は初出場となる東京大会で表彰台を目指す。すでに男女それぞれ代表内定6選手も発表されており、合宿を重ね、強化が進められている。

【車いすバスケットボール】
男子代表、東京パラへの強化プランを発表
10月8日、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京・北区)で合宿中だった男子日本代表の京谷和幸ヘッドコーチ(HC)と豊島英主将がオンラインで取材に応じ、チームの現状と東京パラリンピックに向けた強化プランなどを説明した。

代表チームは新型コロナウイルス感染拡大による長期間の活動休止を経て、7月に合宿を再開。以後、PCR検査を実施するなど感染症対策を徹底しながら、毎月合宿を開催し強化を図っている。京谷HCによると、9月までは「基本的に体力面の回復などを目的」とし、10月に入ってから選手同士の接触が伴うゲーム形式のトレーニングも取り入れ、「戦略、戦術の部分の再確認をし、攻撃の基本戦略の共通理解を深めている段階」という。

今後は12月をメドに第一次選考として東京大会の代表候補メンバーを絞り、さらに戦略や戦術を突き詰め強化を図り、「何もなければ3月くらいに国際試合を予定している。4月くらいには代表12人プラス補欠を決めていきたい」との見通しを示した。

東京パラには男女とも開催国枠で出場が決まっており、男子は初のメダル獲得を目標とし、堅い守備から素早い切り返しで攻撃する「トランジションバスケット」を戦略の軸にして強化を進めてきた。

京谷HCは今年2月、長年同代表を率いた及川晋平氏の監督就任に伴い、アシスタントコーチからHCを引き継いだ。その直後からコロナ禍に見舞われたが、「基本的な戦略は変えるつもりはない。ただし、ゲーム終盤のミスや集中力がなくなって勝ちきれない。(その対策として)選手にはディフェンスもオフェンスも今までの1.5倍の運動量を求め、その中で規律とルールを徹底できるチームづくりを押し進めたい」と強化プランについて説明。

国際大会があいついで中止となり、海外勢との実戦感覚が積みにくい現状だが、京谷HCは、「トレーニングの強度を上げ、その積み重ねが一番大事。相手あっての競技だが、まずは足元を固めることだと考えている。たとえ、(東京パラが)ぶっつけ本番になったとしても、むしろプラスに働くかもしれない。悲観的には考えていない」と力強く語った。

【柔道】
21年3月の国際大会中止。強化合宿重ね、東京パラへ
日本視覚障害者柔道連盟は10月26日、来年3月7日東京・講道館で開催が予定されていた「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2021」を新型コロナウイルス感染拡大防止の観点などから中止したことを発表。東京パラリンピックに向けては強化合宿を充実させていくという。

<11月の主な大会・イベント情報>
【水泳】
秋季記録会を11月7~8日に宮城で開催へ
日本身体障がい者水泳連盟と日本知的障害者水泳連盟は10月21日、「2020年度第1回強化育成合同合宿兼秋季記録会」を11月7日と8日に宮城県総合運動公園セントラルスポーツ宮城G21プールで開催すると発表した。

東京パラリンピックも見据えた2021年に向けての強化活動として、両連盟の強化指定選手らが合同で合宿を行い、さらにトレーニング成果を確認するため、世界パラ水泳(WPS)公認の記録会も実施する。

なお、記録会は感染防止のため無観客で開催されるが、大会の模様はYouTubeでのライブ配信が予定されている。

当初は同日程、会場で第37回日本パラ競泳選手権が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で来年3月6日と7日、静岡県の富士水泳場での開催に延期された。東京パラ日本代表の選考は同5月21日から23日に横浜国際プールで開催予定のジャパンパラ競技大会で行われる。

【射撃】
ワールド杯代表選考兼ね、ライフル射撃選手権開催へ
日本障害者スポーツ射撃連盟は10月13日、公益社団法人日本ライフル射撃協会と共催で「第33回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会」を2020年11月7日(土)から8日(日)までの2日間、nexライフル射撃場(宮城県石巻市)で開催することを発表した。

同大会は、来年3月に開催予定の「2021年WSPS(世界パラ射撃連盟)ワールドカップ・アルアイン大会」の選考大会となる。

すでに、東京パラリンピックの推薦内定を決めている水田光夏選手に加え、推薦内定に近い位置につける渡邊裕介選手や山内裕貴選手をはじめ、多くの強化指定選手が参加予定で、ハイレベルな戦いが期待される。

新型コロナウイルス感染症対策のため無観客で開催されるが、大会の模様はYouTubeライブで配信が予定されている。

【パラスポーツ体験】
・パラスポーツ王国“夢プロジェクト2020”
11月3日(祝)10時~16時(予定)@しあわせの村(神戸市)
パラスポーツ体験や選手のパフォーマンス見学など。参加無料、予約不要。

・パラスポーツフェスタちば2020
11/14(土) 10時~17時(予定)@千葉ポートアリーナ(千葉市)
パラスポーツ体験や試合参加など。参加費無料無料。ただし、感染症対策のため、完全事前申込制(定員300名で締め切り)。
詳細・申込:

(文:星野恭子)