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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(292) パラスポーツを観に行こう!~1月開催の主な大会・イベント情報

いよいよ2020年、東京オリンピック・パラリンピックイヤーが幕を明けました。日本代表争いも熾烈さを増し、テスト大会なども佳境の今こそ、大会本番前にパラスポーツ観戦はいかがですか?1月は、開催数は少なめですが、代表選考会や日本選手権、冬季競技のスキー大会なども行われます。この機会に、ぜひ!

<1月の見逃せない一戦!> 
パラテコンドー サンマリエ カップ

開催日: 1月26日(日) 12:00 試合開始 (11:00 開場)
会場: 日本財団パラアリーナ (東京都品川区)
詳細: 
https://www.ajta.or.jp/data/2019/games/outline/ajta_sunmarie-cup_outline_2019.pdf?33531192

「サンマリエ カップ」はパラテコンドーの東京パラリンピック日本代表選手選考会として行われる特別な大会です。東京大会から初めてパラリンピック正式競技となることから注目度が増しているパラテコンドーは、上肢に障害のある選手を対象とし、蹴り技による格闘技です。

頭部への攻撃は反則、パンチはポイントにならないなどパラリンピック独自のルールはありますが、使用するコートや試合時間、ヘッドギアなどの防具は一般のテコンドーと同じです。熱く迫力ある対戦が見られます。
〈参考〉豪快な蹴り技で観客を魅了するパラテコンドー(撮影:星野恭子)

男女とも上肢障害の程度により4つのクラス(K41〜44)が設定され、それぞれ体重別の3階級に分かれて競いますが、東京パラでは障害の最も軽いK44クラスと次に軽いK43クラスが統合して実施されます。つまり、男女それぞれ3つの金メダルを目指し、激闘が期待されます。

見どころの筆頭は豪快な蹴り技ですが、選手は上肢(手、腕)に障害があります。左右アンバランスな中で、安定した片脚キックを見せたり、すばやい身のこなしで相手の攻撃をかわしたり、高い身体能力にも注目です。

選手はそれぞれ、自身の障害とともに、相手の障害の特性も見極めて、どう守り、どう攻めるか戦略を練ります。選手の狙いどころを想像しながら観戦するのも面白いでしょう。

勝敗は試合時間内(2分x3ラウンド、1分インターバル*)に有効な攻撃で獲得した合計点の多いほうが勝ちとなります。蹴り技のポイントは、飛び蹴りや回し蹴りなど難易度によって異なる(2点~4点)ので、試合終了間際に大技が決まって逆転も多いにありえます。また、ボクシングのようにノックアウト(KO)決着もあります。最後まで目が離せないところもみどころです。(3R終了時点で同点の場合は、ゴールデンラウンド・2分を実施)

その日本代表につながる重要な大会、「サンマリエ カップ」では東京パラ実施種目のうち、国内の代表候補が複数いる、男子2、女子1階級のみが行われます。各階級の優勝者が代表候補選手に内定し、日本パラリンピック委員会(JPC)に推薦(*)されることになります。(* 後日、JPCの審査を経て、正式に代表に決定される)

▼実施種目: K44(K43)男子-61kg(61kg未満)/K44(K43)男子-75kg(75kg未満)/K44(K43)女子+58kg(58㎏以上)

なお、観戦無料で入場自由ですが、会場の都合上、一般観戦エリア(立ち見)のみとなります。また、人数によっては入場が制限される可能性もありますが、会場が狭い分、間近に迫力ある試合が見られること、請け合いです。ただし、会場内は土足厳禁のため内履きのご用意をお忘れなく。

会場観戦が難しい方にはインターネット中継やケーブルテレビ放送も予定されていますので、選手たちの熱い闘いをぜひご覧ください。

▼YouTube「TOKYOパラスポーツチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCEvSLkNd8HGeOqZZKEh9SMg

▼ケーブルテレビ(東京23区および多摩地域のみ)

東京大会でパラリンピックデビューとなるテコンドーですから、誰が代表になっても「初代表」となり、「パラリンピック初代メダリスト」への挑戦権を手にすることになります。緊張感あふれる試合を、ぜひお見逃しなく!

<1月開催の主な大会・イベント>

■1月7日(火)~2月16日(日)
【イベント】 東京2020公式アートポスター展

国内外のアーティスト19人によるオリンピック、パラリンピックをテーマに制作した計20作品が初公開されるアート展。オリンピックは『YAWARA!』などの漫画家の浦沢直樹氏や写真家のホンマタカシ氏国内外12人が制作し、パラリンピックは『ジョジョの奇妙な冒険』などの漫画家の荒木飛呂彦氏や写真家で映画監督の蜷川実花氏国内8人が手掛けている。
会場: 東京都現代美術館 エントランスホール (東京都江東区) *入場無料
詳細: https://tokyo2020.org/jp/games/artposter/

■1月11日(土)~12日(日)
【クロスカントリースキー】 第22回全日本障害者クロスカントリースキー競技大会

身体障がい(座位・立位)、視覚障がい(立位)、知的障がい(立位)を対象に、カテゴリーごとに日本一を競う。
会場: 富沢クロスカントリースキーコース (北海道旭川市) *観戦無料
詳細: https://jps-ski.com/

■1月12日(日)~13日(月・祝)
【車いすバスケットボール】 皇后杯 第30回記念日本女子車いすバスケットボール選手権大会

女子のクラブチーム全8チームによる、日本一決定戦。試合はトーナメント戦で行われる。
会場: 神戸市立中央体育館 (神戸市)※入場・観戦無料
詳細: https://jwbf.gr.jp/tournaments/161

【アルペンスキー】 2020日本IDアルペンスキー選手権大会
障害カテゴリー(知的障害、身体障害、視覚障害)ごとに、大回転(1日目)と回転(2日目)で順位を競う。なお、知的障害カテゴリーの選手は、2020INAS世界選手権大会の派遣選手選考レースも兼ねている。
会場: 長野県よませ温泉スキー場(長野県下高井郡)  ※観戦無料
詳細: https://jps-ski.com/

■1月13日(月・祝)
【水泳】 第3回日本知的障害者選手権新春水泳競技大会

世界パラ水泳(WPS)公認大会。今年は、知的障害クラスに加え、身体障害クラス(座位、立位、視覚障害)も実施されるため、全国から430名を超える選手が出場予定。
会場: 千葉県国際総合水泳場 (千葉県習志野市) ※観戦無料
詳細: https://www.jidaf.org/23

【テコンドー】 サンマリエ カップ
上記、<1月の見逃せない一戦>をご参照ください。

(文・写真:星野恭子)