「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(291) 開幕まで250日あまり。「東京パラリンピック」の準備状況の今
パラリンピックイヤー2020年の幕開けが目前の12月、東京パラリンピックに関する大きなニュースが相次いで発表されています。2019年最後の今号で、まとめてお届けします。コラムが公開される12月16日は、東京パラリンピック開会式まで253日となり、準備も急ピッチで進められています。開会式や閉会式でパフォーマンスするキャストや聖火リレーのランナーなど、「大会をつくる一人になる」チャンスも続々発表されています。ぜひ、大会を盛り上げる一人になってください!
■開会式・閉会式を創り上げる、キャスト募集中!
東京2020大会組織委員会は、開会式や閉会式に出演するキャストのオーディションを実施すると発表した。募集するのは、1)主役となる「リーディングキャスト(若干名)」、2)個性や特技を活かしたパフォーマンスを行う「オリジナルキャスト(20名程度)」、3)集団群舞の「マスキャスト(400名程度)」。2014 年 4 月 1 日以前生まれなど、いくつかの条件はあるが、障害のある人の積極的な応募なども呼びかけている。応募期間は12月10日からすでに始まっており、2020年1月10日まで受け付けている。(12月9日リリース)
▼募集概要
https://tokyo2020.org/jp/games/ceremony/paraentertainer/
東京2020パラリンピックの開会式・閉会式の出演キャスト募集のキービジュアル。左は開会式のステージ演出を手がけるケラリーノ・サンドロヴィッチ氏、右は閉会式のステージ演出を手がける小林賢太郎氏 (提供:Tokyo 2020)
■観戦チケット第2次抽選販売、来年1月15日から29日まで!
パラリンピック観戦チケットの第2次抽選販売期間が2020年1月15日から29日までと発表された。当選発表日など詳細なスケジュールは後日、発表される予定。
ちなみに、第1次抽選販売(2019年8月22日~9月9日)では申込ID登録数が約39万人、申込チケット枚数(第1希望のみ)が約311万枚で、これは過去最高の販売枚数を記録したロンドン2012大会の実績(順に約11.6万人、約114万枚)のおよそ3倍にあたり、関心の高さがうかがえる。(12月10日リリース)
▼チケット販売ページ
https://ticket.tokyo2020.org/paralympic
■聖火ランナー応募受付中。2020年2月29日まで
「はじめて出会う3人がチームになって運ぶ聖火リレー」という、パラリンピックではかつてない方式で行われる聖火リレーのランナー募集がスタート。応募には2008年4月1日以前に生まれた人など、いくつかの条件が設定されているが、幅広いバックグランドを持つ人を募集し、約1,000人が選出される予定。(11月22日リリース)
▼聖火リレー概要
https://tokyo2020.org/jp/news/notice/20191122-02.html
▼聖火ランナー応募ページ
https://tokyo2020.org/jp/special/torch/paralympic/torchbearer/
東京2020パラリンピック聖火リレーの概要発表会見(2019年11月22日)で、「聖火ランナー募集」をPR。左から、聖火リレー公式アンバサダーの女優、石原さとみさん、森喜朗組織委員会会長、聖火リレー検討委員の河合純一さん、同じく聖火リレー公式アンバサダーの田口亜希さん (撮影:星野恭子)
■公式記録映像、制作。そして、国内外で公開へ!
NHKと国際パラリンピック委員会(IPC)は、東京2020大会組織委員会の協力のもと、東京2020パラリンピックの公式記録映像を共同制作することを発表した。2020年末に、NHKで特集番組として放送されたのち、国内外で公開される予定。
開催国での制作が義務付けられているオリンピックとは異なり、パラリンピックでは国内外での公開を目的に公式映画が制作されるのは史上初のこととなる。(12月11日リリース)
▼参考: NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191211/k10012211341000.html
■マラソンは東京での実施を確認。トライアスロンのスタート前倒しへ。
マラソンは当初の予定通り、全5種目(男女車いす、同視覚障害、男子上肢障害)とも大会最終日の9月6日、東京での開催で確定した。スタートは6時半から。また、8月29日、30日に行われるトライアスロンは暑さ対策の観点から競技開始時間を7時半から6時半に繰り上げることも発表された。(12月12日リリース)
4月8日に発表された東京パラリンピックの陸上競技マラソンコース。当時は、「2008年北京大会以来、3大会ぶりにオリンピックと同じコース」と言われたが、オリンピックのマラソンが札幌市開催となったことで、パラ単独の開催となる (撮影:星野恭子)
▼パラリンピック競技スケジュール
https://tokyo2020.org/jp/games/schedule/paralympic/
▼パラトライアスロンは会場観戦がおすすめ
https://tokyo2020.org/jp/news/notice/20191211-01.html
■実施種目数、22競技540種目から539種目に変更
参加選手数の規定から4種目の実施可否が審議されていた陸上競技で、1種目の除外が決まり、168種目から167種目で実施されることが確定した。この決定により、大会では全22競技539種目の実施で確定した。選手数の上限4,400名は変更なし。
除外されたのはT52(車いす)女子100mで、11月に開催されたドバイ世界選手権大会での参加状況で判断されることになっていたが、出場選手が5人に留まり、「最低6人」の規定に届かなった。(12月4日リリース)
参考: 日本パラ陸上競技連盟
https://jaafd.org/committee/secretariat/20191202-001-74
さて、2019年も今号が最終となりました。1年間、ご愛読ありがとうございました。来年はいよいよ東京2020大会が開催されます。こちらの連載でも、大会がより楽しみになる情報などをお届けします。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
(文・取材:星野恭子)