日本代表にもつながる若い選手の向上心に注目!電動車椅子サッカー関東ブロック代表を目指す戦いの始まり
6月21日、横浜ラポール(障害者スポーツ文化施設)で実施された、関東ブロック代表候補練習の取材に行ってきました。
まず最初に説明させて頂くと、日本電動車椅子サッカー協会が主催する大会は2つ存在します。
一つは毎年秋に開催される、日本一のクラブチームを決定する「日本電動車椅子サッカー選手権大会」です。今年度は10月18〜19日の日程で金沢の石川総合スポーツセンターにて開催されます。
もう一つは、各ブロック(九州、四国、中国、関西、中部、北陸、関東)の選抜チームによって行われる「日本電動車椅子サッカーブロック選抜大会」です。今年度は8月24日に鹿児島県の鹿児島アリーナで開催されます。
この二つの大会の大きな違いは、日本選手権大会は国内ルールの時速6キロの電動車椅子で実施され、ブロック選抜大会は国際ルールに準じた時速10キロで試合が行われることです。要するに、国際大会を見据えて競技レベルの向上を目的とする大会が、ブロック選抜大会なのです。
その大会に向けて始動した、関東ブロック代表候補選手による第2回目の練習を、密着取材しました。
関東ブロック代表の監督はYokohama Crackersの戦術コーチ、そして日本代表のアシスタントコーチを務める眞島哲也氏です。監督としてチームを率いるのは、眞島氏にとって初めての経験となります。どんなチーム作りをしていくのか大変興味深く、その手腕に大きな注目が集まっています。
今回の練習で一番印象に残ったのは、十代の選手から中堅及びベテラン選手まで幅広い年代の選手でメンバーが構成されていたことです。
関東ブロック代表候補選手の数も18名とかなり多くの選手が召集されていました。
関東ブロック代表が目標とするブロック選抜大会にエントリーできる選手数は8名と決まっています。それにも関わらずこれだけ多くの選手を選出したことから、今年度のチームはただ試合で勝つことを目標にしているのではなく、若い世代の選手育成を含めて関東全体の選手レベルの向上を重要視していることが感じ取れました。
これは今までの関東ブロック代表にはなかった視点であり、本来はこの育成を継続していくことを日本全体が今まで以上に意識していかないと、長期的に日本が国際舞台で活躍することはないでしょう。そういう意味でも今年度の関東ブロック代表が果たす役割は小さくありません。
関東ブロック代表には4人の現役の日本代表選手がメンバー入りしているので、彼らのプレーを間近で見られるだけでも若手の選手にとってはかけがえのない財産となります。
練習は16名の選手をABCDの4つの技術レベル別にチーム分けして行われていました。選手の力量に関わらず監督からチームコンセプトが明確に選手に伝えられていて、選手からは少しでも多くのことを吸収したいという前向きな気持ちがひしひしと伝わってきました。
私自身も過去に二度、関東代表監督を経験しましたが、練習には独特の緊張感がありどちらかというとピリピリした空気が漂っていました。但し、今年度の関東代表候補練習は活気のある明るいムードの中、一つ一つの練習メニューが行われていた印象が強く残っています。
それはおそらく眞島監督が数多くの若い選手を集めたことにより、より多くの選手が高い向上心を持って練習に望んでいることが、大きく影響していると思います。最終目標であるブロック選抜大会までに、どこまで若い選手が生き残っていられるのか楽しみに注目していきたいと思います!
関東代表チームに関する情報は「電動車椅子サッカー 2014年関東代表チーム公式ブログ」をご覧ください。
(平野誠樹/文と写真)