最強のサラリーマンゴルファーがシニアデビュー
昨年プロ転向した田村尚之選手が、今週行われる「ISPSハンダカップフィランスロピー シニアトーナメント」でシニアツアーデビューすることになった。
田村選手は、1990年から23年連続して日本アマ出場、日本ミッドアマでは2連覇するなど、長年に渡ってアマチュアゴルフ界で活躍してきたトップアマだったが、同郷の広島県出身である倉本昌弘PGA会長に薦められてプロ転向を決意。1回だけのつもりで挑戦した昨年8月のプロテストに見事合格し、今年4月の東建ホームメイトカップでレギュラーツアーデビューを果たした。
同月にはPGAシニアツアーの最終予選会に挑戦しトップタイのスコアで出場権を獲得。6月24日に50歳の誕生日を迎えたことで、今週のシニアツアーデビューになったわけだ。
個性的なスイングながら、レギュラーツアーでも遜色のない飛距離を誇る田村選手の持ち味は、シンプルで思い切りの良いゴルフ。フェースを目標に向けたまま上げて下ろすだけのイメージで、すべてのクラブを打つという。またパッティングではどこからでもカップを狙っていくそうで、返しの距離が長くなるのも厭わないとアグレッシブだ。自己流で作り上げたそのプレースタイルは、聞けばなるほどと頷けるものばかりで、人並み外れた体力も必要なく、アマチュアにとって最も参考になるプロゴルファーといっても過言ではないだろう。
会社勤めをしながらツアーに挑戦する「サラリーマンプロ」の田村選手がどんなプレーを見せてくれるか楽しみだが、シニアデビュー戦初日の組み合わせは、昨年全米プロシニアを制した井戸木鴻樹選手、同じく昨年の日本シニアオープンの覇者・室田淳選手と同組で、ツアー側の田村選手に対する期待の高さが伺える。
なお、「ISPSハンダカップフィランスロピー シニアトーナメント」は、6月27日から3日間、箱根湖畔ゴルフコースで開催される。
(小林一人)
写真:公益財団法人 日本ゴルフ協会HPより