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星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ(37) 6.18 ~6.24

 国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトした「パラスポーツ・ピックアップ」シリーズ。今回は車いす競技の世界戦の結果のほか、3月に行われたソチ冬季パラリンピックの大会動画公開のニュースが届いています。感動の瞬間をもう一度!
 
■ウィルチェア・ラグビー(車いすラグビー)
・19日: 世界トップ8カ国が参加して、「カナダカップ」が開幕。予選Bプールに入った日本は、ニュージーランドに51-47、デンマークに58-50と連勝し、好発進した。
 
・20日: 予選最終戦に臨んだ日本はカナダに55-67で敗戦。予選2勝1敗でBプール2位となり、続いて行われた準決勝ではAプール1位のオーストラリアと対戦し、47-60で敗れた。
 
・21日: 3位決定戦に臨んだ日本は、イギリスに52-48と競り勝ち、銅メダルを獲得した。決勝戦はロンドン・パラリンピック金メダリストのオーストラリアが地元カナダを62-54で退け、優勝した。また、個人賞のベスト・プレイヤーの3.0クラス(⇒註)に池崎大輔が選ばれた。
 
 なお、8月5日~10日までデンマーク・オデンセで、ウィルチェア・ラグビー世界選手権が開催される予定になっており、日本は再び、世界トップに挑戦する。
 
(⇒註)ウィルチェア・ラグビーのクラス: 各選手は車いすの操作やボールを扱う能力など障害のレベルによって0.5点、1.0点、1.5点、2.0点、2.5点、3.0点、3.5点の7クラスに分類され、競技中にコート上でプレイする4選手の持ち点の合計は8.0点以内でチーム構成しなければならない。(ただし、チームは男女混成でもよく、女性選手が加わる場合は女性選手1名につき持ち点の合計から0.5点がマイナスされる)
 

■車いすバスケットボール
・20日: 2014年女子世界車いすバスケットボール選手権大会がカナダ・トロントで開幕。地区予選を勝ち抜いた世界トップ12カ国が出場する、全12チームが2プールに分かれて予選リーグに臨んだ。日本は初戦で地元カナダと対戦し、53-83で敗れた。
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【日本女子代表チーム(前列左から)北間優衣、財満いずみ、添田智恵(キャプテン)、荻野真世、浦元美貴、(中列左から)北田千尋、網本麻里、有川美穂、土田真由美、三浦恭子、吉田絵里架、(後列左から)、石田菜月マネージャー、前田浩司アシスタントコーチ、橘香織ヘッドコーチ、廣木美奈マネージャー、橋本佳世子トレーナー (欠席:増子恵美)=東京体育館、5月18日/撮影:星野恭子】
 
・23日: 日本は、中国戦(21日)は善戦したものの55-61、イギリス戦(22日)は48-62と連敗中だったが、4戦目となったブラジル戦は第1クォーターから積極的に攻め、粘る相手を振りきって63-52で勝利。今大会初白星を挙げた。
 
・24日: 日本は予選最終戦で、現世界ランク1位で、今大会4連勝中のドイツと戦い、49-82で敗れた。結果、予選リーグ1勝4敗で決勝トーナメントには進めず、26日に行われる9-10位決定戦でメキシコと対戦が決まった。
 
■陸上競技
・18日: アフリカで初めての開催となったIPC(国際パラリンピック委員会)陸上グランプリシリーズの第7戦、チュニジア・チュニス大会が閉幕した。大会は20カ国約260選手が出場し、16日から3日間の日程で行われたが、地元チュニジアのWalid.KtilaがT34(車いす)クラス男子100mで自己のもつ世界記録にあと0.04秒に迫る15秒37で優勝したほか、アフリカ勢の活躍が目立つ大会となった。
 
・21日: IPC陸上グランプリシリーズ第8戦のベルリン大会(20日-22日)で、T44(片下腿切断など)クラスの佐藤真海が女子走り幅跳びに出場、4m56で2位に入った。イギリスのシュティフィ・リードが自身のもつ世界最高記録(5m32)に迫る、5m29で優勝した。大会には34カ国から約570選手が参加した。
 
 なお、今季のグランプリシリーズはこのあと、8月25日にイギリス・バーギンガムで行われるグランプリシリーズ・ファイナルが最終戦となる。
 
■ドイツ発
・18日: 3月16日のソチ冬季パラリンピック大会閉幕から3カ月を記念して、IPC国際パラリンピック委員会は、大会のハイライトシーンや開閉会式の模様などを約3分間にまとめた短編動画、『ソチ2014-バリアを壊す("Sochi 2014 - Breaking Down Barriers")の一般公開をスタートした。動画の視聴はこちらから(音量注意)。 
 
(星野恭子/文と写真)