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こどもラグビーワールドフェスティバル2019 Supported by 三菱地所グループ (佐藤 由季)

あと150日あまりで、アジア初開催のラグビーワールドカップ2019が、ここ日本で開催されます。このラグビーワールドカップの開催に先立ち、各地域でも様々なイベントや取り組みは行なわれていますが、国を越えた、こどもたちのラグビーの国際大会・交流会は日本初ということです。

「こどもラグビーワールドフェスティバル2019」

2019年4月17日(水)~4月22日(月)
オーストラリア、ニュージーランド、イングランド、スコットランド、イタリア、インドネシア、日本世界7カ国・地域から小学校6年生以下のU12チームが横浜に集結し各国の子どもたちがラグビーを通して交流をはかる、そして日本を肌で感じてもらう、貴重な体験ができるフェスティバルです。
期間中の前半は横浜の観光や神奈川県内の学校に訪問するなど、文化を体験してもらい、4月20日(土)21日(日)の二日間は日産スタジアムにてこどもラグビーの交流戦とクリニックが行なわれました。※9人制 12分ハーフ 順位は決めない

【21日の交流戦の様子】
真剣勝負!倒れても立ち上がる、ぶつかっても突き進む、恐れないで立ち向かう!

ラグビークリニック                                                                   違う国から教わる

この大会でのポイント

1 日産スタジアムでラグビーが出来ること
この秋のラグビーワールドカップの決勝戦開催の地となるのが横浜国際総合競技場=日産スタジアムです。
今はハイブリッド(人工芝+天然芝)になっていますが、それでも芝を保つ為に時間制限や決まりがあるそうです。
ニュージーランドの子どもたちは、「今度のW杯決勝でオールブラックスが立つ前に自分たちが立てて嬉しい!」と自信満々に答えていたそうで、流石ニュージーランドのラグビー文化です。

2 国際大会レベル
今回の交流会では、審判も代表戦レベルの方が来て下さっていたとのことです。
審判へのリスペクトもラグビーの特徴の一つ。

3 各国のラグビー精神を子どものうちから感じられること
ラグビーは“紳士のスポーツ”と言われるようにキャプテンシーやスポーツマンシップが素晴らしかったです。
子どもたちでも堂々とリスペクトや感謝の気持ちを表していました。
例)日本→グラウンドに向かって大きな声で挨拶
  ニュージーランド→民族舞踊“ハカ”
  スコットランド→民族衣装“キルト”
また、今回の交流の際に心温まるお話もありました。
貧困の問題もあり、スパイクがない…というインドネシアの子に対して、イタリアの子が、2つスパイクがあるから!とサッと貸してあげたそうです。

インタビュー

●ラグビー界のレジェンドでかつて日本代表キャプテンも務められた現在はNPO法人ヒーローズ会長 林 敏之さん(写真:右)
日本の子どもたちのラグビー大会「ヒーローズカップ」は今年で11回目を迎えたが、ずっと子どもたちの“国際大会”を行いたいと思っていた。
日本でのW杯前になんとか…と思い、準備期間は半年もないくらい短い期間ではあったが、形になって良かった。
一国一国招待をして、子どもたちの受け入れの体制を整え、しかも日産スタジアムを使う、というのは正直とてもハードルが高く、このタイミングでしか出来ない!と思い切った。
自分がオックスフォードでラグビーをやった時の気持ちが忘れられなくてラグビーに突き進めたから、今回参加してくれた子どもたちにも、そのような気持ちを持ってもらえたら嬉しい。
「ラグビーは見えるものより、見えないものが大事。」

●東芝ブレイブルーパスの現役選手で3度のW杯も経験されている大野 均選手(写真:左)
とても良い取り組み。むしろ羨ましい。自分が子どもの時にこんな経験が出来たら、もっと戦い方や考え方が変わっていたかもしれない。
国ごとにアプローチやゲーム運びは全然違う。だからこそ、今回のようなクリニックも子どもたちにとって大きな刺激になったと思うし、身体が覚えていると思う。
そしてそれは、ラグビーに対してだけではなく、他のことにも生きてくるだろう。
日本のラグビーは“痛い”とか“キツイ”と思われがちだが、見て肌で感じて気付いてもらうのが一番。
ラグビーにかけるひたむきさや、チームを思う気持ち、仲間へのリスペクト、今回の経験は子どもたちにとって、一生忘れられないものになったのではないか。

フェアウェルパーティー

全てのプログラムが終了し、閉会式が終わった後、日本のラグビー生誕の地と言われている横浜カントリー&アスレティッククラブ=YC&ACにて、「祭り」をテーマにフェアウェルパーティーが行なわれました。
会場は縁日のような雰囲気で、ヨーヨー釣りやストラックアウト、食べ物は、焼きそばやカキ氷、チュロスなど、子どもたちが大好きなものが沢山あり大行列。激しくぶつかりあっていた逞しさから、すっかり少年の姿に戻っていました。
各国ステージに上がって、キャプテンからの挨拶やプレゼント交換、パフォーマンスなど感謝の気持ちに溢れていました。頑張って日本語で挨拶してくれた子や、今度は自分たちの国に来てくれたらどうか?と提案してくれた子までいて、しっかり堂々と挨拶をして気持ちを伝える姿に、ラグビーと“教育”の深い繋がりも感じました。

最後に玉木正之さんより…

「子どもたちの国際的な大会、交流が行なわれるのは凄いこと!」

これが第一回だけでなく、二回、三回…と続いて欲しい。
そして、ラグビーへの取り組みも、今年だけではなく、このW杯後が勝負だ!
とラグビーに携わる皆さんが声を揃えて仰っていました。

まずはラグビーワールドカップ2019を通じて、
日本のラグビー文化が再び盛り上がりますように…!!
 (佐藤 由季)