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星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ(32) 5.9~5.15

 国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトした「パラスポーツ・ピックアップ」シリーズ。今回は国内外からバラエティに富んだ競技のリポートをお届けします。また、今週末(17日、18日)には横浜市でパラトライアスロンが、福岡県で車いすテニスの国際大会が開催されます。現地で、またはインターネット中継で、世界レベルの戦いをぜひご観戦ください!

■パラサイクリング
・9日: UCI(国際自転車競技連合)主催のパラサイクリング・ワールドカップ・ロードレース第1戦がイタリアのカスティリオーネ・デッラ・ペスカーイアで開幕。男子30km個人タイムトライアルで、C3クラス(⇒註)の藤田征樹が41分55秒で銅メダルを獲得した。優勝したロシア選手とは12秒差だった。

(⇒註)クラス: パラサイクリングのクラス分けは障害の内容に合わせて使用する競技用自転車の種類によって4クラスに大別され、さらに各クラスの中で障害が重いほうから1、2、・・・と細分されている。C3は「自転車競技クラス1~5の中の3」という意味で、上下肢の麻痺や切断などの障害クラスの一つを表す。クラスは他に、身体の機能障害がある「ハンドバイク(H1~5)」「トライサイクル(T1~2)と視覚障害の「タンデム(B)」がある。詳細は日本自転車競技連盟の公式サイトまで。

■ウィルチェア・ラグビー(車いすラグビー)
・9日: 海外遠征中の日本代表はカナダ・バンクーバーでカナダ代表と親善試合を行い、56-61で惜敗した。

■陸上競技
・10日: 米国アリゾナ州で開催されたIPC(国際パラリンピック委員会)陸上競技グランプリシリーズ第4戦「アリゾナ・デザート・チャレンジ大会」で、2つの世界新記録が誕生した。

 □200m男子T52(車いす)クラス:
   レイモンド・マーティン(米国) 30秒02
 □走り幅跳び女子F42(大腿切断)クラス:
   バネッサ・ロー(ドイツ) 4m47cm

・11日: 仙台国際ハーフマラソンが仙台市内のコースで行われ、車いす部門男子で樋口政幸(バリストライド)が46分24秒で優勝、大会2連覇を果たした。2位と3位は46分28秒の同タイムフィニッシュの接戦となったが、山本浩之(チーム・ハート・スペース)が西田宗城(バカラパシフィック)に先着した。

■車いすテニス
・13日: 国際テニス連盟(ITF)公認スーパーシリーズのひとつで、「第30回飯塚国際車いすテニス大会(ジャパン・オープン2014)」が福岡県飯塚市で開幕した。世界ランク上位者を含む、国内外約100選手がエントリーしている。初日は男女シングルス1回戦などが行われ、男子シングルス現世界ランク1位の国枝慎吾や女子同2位の上地結衣らが順当に1回戦を突破した。大会は18日まで行われ、男女シングルス決勝戦の模様はインターネットでライブ中継が予定されている。

・15日: 男女シングル準々決勝が行われ、国枝、上地がともに準決勝に駒を進めた。

■パラトライアスロン
・15日: 「2014世界トライアスロンシリーズ横浜大会」(5月17日~18日開催)の記者説明会が横浜市内のホテルで行われた。17日に開催予定のパラトライアスロンの部の出場選手も紹介され、昨年の世界トライアスロンシリーズ最終戦(9月/ロンドン)で4位に入った古畑俊男(チームトライオン)など、国内外から60選手(男子15名、女子15名)がエントリーしている。

 パラトライアスロンは2016年リオデジャネイロ大会からパラリンピック正式競技となることが決まっており、注目が高まる中、ルールの整備なども進められている。障害の内容や程度に応じたクラス分けも、これまでは全7クラスだったが、今大会からPT1~5の5クラス(⇒註)に変更されている。

 レースは横浜市の山下公園周辺の特設コースで17日午前6時55分にスタート予定。レースの模様はインターネットでライブ中継が予定されている。

(⇒註)クラス: パラトラアスロンのクラスは競技の仕方で5つに大別される。PT1は「座位」で競技を行うクラスで、バイク種目はハンドサイクルで、ラン種目はレーサー(競技用車いす)を使う。PT2~4は「立位」で競技を行うクラスで、麻痺や切断などによる運動機能障害があり、障害の重いほうから2~4に細分される。PT5は視覚障害(全盲または弱視)のある選手のクラスで、各選手は必ず「同性のガイド1名」と一緒に競技を行い、バイク種目はタンデム(二人乗り)車を使う。詳細は、日本トライアスロン連合の公式サイトまで。