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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(250) 東京2020パラリンピックに向け、ホップの2018年からステップの2019年へ! 年末年始のパラスポーツ大会結果などを総ざらい!

スタートして早3週間の2019年ですが、新年第1号の今号は幸先よく「250号記念回」となりました。2013年夏のスタートから、足かけ5年半。楽しみに読んでくださる読者の皆様、支えてくださるスタッフの方々のおかげで、パラスポーツ情報の貴重な発信の場である「パラスポーツ・ピックアップ」を続けてこられました。ありがとうございます。2020年の東京パラリンピックを目前に控え、今年も幅広い視野と軽いフットワークで、パラスポーツのさまざまな話題をお届けしたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、2019年の第1号は、前半で昨年末から最近にかけて行われた大会の結果のまとめを、後半では東京2020大会組織委員会が年末に発表した、「東京2020パラリンピック競技大会に関する2018年5大ニュース」をお届けします。

東京2020パラリンピックを見据え、選手発掘イベントで見いだされたり、他競技から転向してきたり、ここへきて選手層が厚みを増す競技も見られます。彗星のごとく現れる若手や新人選手なども加わり、国内でのトップ争いや代表争いも激しさを増し、試合の見ごたえも増しています!

年末年始に開催された大会結果

<2018年>

【12月14日~16日: 第20回ウィルチェアーラグビー日本選手権大会@千葉ポートアリーナ】
地区予選を勝ち抜くなどトップ8チームによる日本一決定戦は、決勝戦で沖縄ハリケーンズ(沖縄)が大接戦の末、48-47の僅差でFreedom(高知)を下し、3年連続で全国の頂点に立った。3位決定戦では、BLITZ(東京)が54-45でRIZE CHIBA(千葉)に勝利した。

最終順位: 優勝 Okinawa Hurricane(沖縄)/準優勝 Freedom(高知)/第3位 BLITZ(東京)/第4位 RIZE CHIBA(千葉)/第5位 AXE(埼玉)/第6位 TOHOKU STORMERS(東北)/第7位 北海道Big Dippers(北海道)/第8位 Fukuoka DANDELION(福岡)

[トピック] 日本は世界ランク3位に!
国際ウィルチェアーラグビー連盟が1月7日付で最新の世界ランキングを発表した。
1位 オーストラリア/2位 アメリカ /3位 日本/4位 カナダ/5位 イギリス/6位 346点 スウェーデン/7位 フランス/8位 デンマーク/9位 ニュージーランド/10位 ブラジル

【12月15日~16日: 第4回ダイハツ日本障がい者バドミントン選手権大会@福岡・久留米アリーナ】
2020年東京パラリンピックで初めて正式競技として実施されることになっている、パラバドミントンの日本一を決める大会で、パラリンピックの対象ではない聴覚障害、知的障害の選手も参加する、国内最高峰の大会。

[種目別各クラス優勝者]
シングルス男子
WH1(車いす) 小林幸平/WH2(車いす) 渡辺敦也/SL3(下肢障害) 藤原大輔/SL4(下肢障害 )山本勝洋/SU5+ (上肢障害+聴覚障害)今井大湧/SS6(低身長) 畠山洋平/ID(知的障害クラス)中野林太郎

シングルス女子
WH1 里見紗李奈/WH2 山崎悠麻/SL3 林海央/SL4 藤野遼/SU5+ 鈴木亜弥子/ID7 内田典子

[ダブルスや詳細な順位など]
http://www.tournamentsoftware.com/sport/tournament.aspx?id=18653D31-4FBD-4EFD-A394-C243F7272610

【12月23日:第33回全日本視覚障害者柔道大会@東京・講道館】
男女別階級別に、日本一を決める大会に全52選手が出場。男女13階級の優勝者は2019年6月までに行われる国際大会の日本代表にも内定した。

[男子階級別優勝者]
60kg級 平井孝明(熊本)/66kg級 瀬戸勇次郎(福岡)/73kg級 永井崇匡(東京)/81kg級 北薗新光(兵庫)/90kg級 廣瀬悠(愛媛)/100kg級 林芳映(福島)/100kg超級 正木健人(奈良)

*国際大会派遣対象外
シニア 牛窪多喜男(埼玉)/無段者 西村博章(東京)

[女子階級別優勝者]
48kg級 半谷静香(東京)/52kg級 石井亜弧(東京)/57kg級 廣瀬順子(愛媛)/63kg級 工藤博子(東京)/70kg級 小川和紗(千葉)/70kg超級 土屋美奈子(埼玉)

結果詳細:http://judob.or.jp/wp2018/wp-content/uploads/2019/01/33rd-All-Jpn-Competition-Results-1.pdf

[トピック] 新星登場!
男子66kg級を制したのは、18歳の瀬戸勇次郎(福岡教大)。決勝でパラリンピック3連覇の藤本聡(徳島県立徳島視覚支援学校職/43歳)を、準決勝では2016年リオパラリンピック男子60キロ級銀メダルの廣瀬誠(愛知県立名古屋盲学校教/42歳)を連破しての栄冠だった。

視覚障害者柔道の全日本選手権で、男子66㎏級の表彰式の様子。左から、藤本聰選手、瀬戸勇次郎選手、廣瀬誠選手、加藤克紀選手

4歳で柔道を始めたが、先天性の目の病気で徐々に視力が低下。高校3年時に誘われて、視覚障害者柔道に転向。現在は大学柔道部で健常の選手たちと稽古に励む。「組んで始める」視覚障害者柔道のルールに合わせ、他の部員が相手をしてくれるという。

今大会決勝ではベテランの藤本に対し、積極的に技を掛け続け、残り2分を切ってから技ありを奪い、最後は抑え技で勝ち切った。

「攻める柔道を身に付けて、(東京)パラリンピックでも勝ちたいです」

<2019年>

【1月13日~14日: 2019ゴールボール ジャパン メンズ オープン@千葉・佐倉市民体育館】

オーストラリア代表、タイ代表、カナダ・バンクーバーゴールボールクラブ(VGC)を招き、日本代表A、Bを交えた5チームによる大会。総当たりの予選プールを経て、日本代表Aが優勝、日本Bも3位!優勝した日本男子Aチーム。左3人目より、宮食行次選手、辻村真貴選手、山口凌河選手、田口侑治選手

最終順位:
優勝 日本A/準優勝 タイ/3位 日本B/4位 オーストラリア/5位 カナダ・VGC

最多得点賞:
山口凌河 (日本A) 24得点(5試合累計)

[トピック] 初代表選手たちが躍動!
ゴールボールは視覚障害者のスポーツとして開発された球技で、今大会は2020年東京パラリンピック初出場となる日本男子代表の強化を目的にした国際大会。日本代表は強化指定選手から選抜された9名をA(4人)、B(5人)の2チームに分けて大会に臨んだが、Aの宮食行次(みやじき・こうじ)とBの佐野優人は初のナショナルチーム入り。ともに練習の成果を発揮し、落ち着いたプレーでチームの勝利に貢献。鮮烈な国際戦デビューを果たした。

3位に食い込んだ日本Bチーム。左から、金子和也選手、信澤用秀選手、川嶋悠太選手、佐野優人選手、小林裕史選手

3人1チームで行うゴールボールは主に攻撃を担う左右のウイングと守備の要で攻撃の司令塔でもあるセンターに分かれる。佐野も宮食も元々はウイングをメインとする選手だが、今大会ではチーム事情もあってセンターに入る時間も長かった。

「練習では経験があった」とはいえ、不慣れなポジションにもかかわらず、ともに好プレーを見せ、佐野は、「ウイングの二人がゴールネットを揺らしてくれたとき(得点)に、喜びの気持ちが生まれた」と話し、宮食も、「ゲームメークをする面白さや魅力を感じた」と、センタープレーヤーの可能性と存在感を示した。

両チームを率いた江黒直樹ヘッドコーチは若手抜擢の意図を、「チーム内に競争し合う刺激が欲しかった」と説明。狙い通りの活躍を、「喜ばしいこと」と歓迎。

センターポジションに入り、守備の姿勢を取る、宮食行次選手。奥は、辻村真貴選手

ゴールボール公式大会のベンチ入り登録選手数は最大で6人。佐野と宮食など急成長の若手の台頭もあり、男子日本代表争いは混とんとしてきた。より一層の切磋琢磨でチーム力をアップさせ、初出場となる2020年東京パラリンピックで活躍を期待したい。

【1月19 日(土)~20日(日) ジャパンパラ2018ボッチャ競技大会@東京・新宿コズミックセンター】
ボッチャは、四肢まひなど重い障害のある人向けに開発されたスポーツで、カーリングにも似た球技。ジャパンパラ大会は、2016年リオパラリンピックで、BC1/2チーム戦銀メダルを獲得している日本代表チームの強化を目的に、海外から強豪チームを招いて開かれている。

今年の結果は、BC1/2チーム戦では日本が韓国に2連勝で優勝、BC4ペア戦では、カナダが日本に2勝して優勝を果たした。また、BC3個人戦は参加予定国のキャンセルにより、日本人同士の試合に変更された。12月に行われた日本選手権大会の上位3名による試合は、リオパラリンピック代表の高橋和樹が決勝で河本圭亮を6-0で下して優勝。日本選手権では敗れていた河本にリベンジした。

BC4ペア戦で強豪カナダとの2試合目で健闘した、フレッシュな16歳コンビ、宮原陸人選手(左)と内田俊介選手

村上光輝ヘッドコーチによれば、日本代表はリオ(大会)で銀メダルを獲得したBC1/2チーム種目だけでなく、2020年東京大会では実施される全7種目でメダル獲得を目指しているという。その目標を踏まえて今大会を振り返り、「BC1/2はいろいろな戦術を試せたし、チームでの戦いができた。若手(17歳、16歳2人)で臨んだBC4ではのびのびと自由な発想のプレーができた」など、代表チームとしてさらなる可能性と手ごたえを得た様子だった。