ゴルフ界で「反乱」勃発!? 海老沢JGTO会長への批判の声、続々(上杉隆)
ついに日本のゴルフ界で「反乱」が発生した。革命となるか、クーデターに終わるか。
きっかけは本日付けの『日刊ゲンダイ』のゴルフ界の大御所のインタビュー記事に対しての、朝日新聞記者のTwitter上での一言だった。
〈今日の日刊ゲンダイに日本ゴルフツアー機構の海老沢勝二会長のインタビューが掲載されていました。「魅力ある選手が出てくれば視聴率は上がる。石川君、松山君や大堀君ら、3、4人が競いあうようになればツアーは盛り上がる」。なんて斬新なアイデアなんでしょうか。(承前)JGTO・海老沢勝二会長のインタビューの続き。「(中略)競技団体ですからタダで試合を開催という訳にはいきません。放映権料と主管料で運営できるようにしていかないと。今のままではいずれは行き詰まります」。いずれ、ですか。それは大変です。改革を急いで下さい〉(畑中謙一郎氏Twitter)
日本のゴルフ界、とりわけ男子ゴルフ界の危機的な状況は抜き差しならないところまで来ている。試合数の激減、スポンサー離れ、協会の肥大化と慢性的な財政危機、「逆放映権料」の問題(事実上テレビ局がお金をもらって放送する)などなど。しかし、こうした危機は現場の若手では共有されてきたものの、上層部は積極的に改革に踏み出そうとしないばかりか、むしろ自分たちの既得権を守ることに汲々としているのが現状だ。
そうした中、ゴルフ記者の「良心」とも呼ばれている朝日新聞の畑中記者がついに声を挙げた。そして、彼の「声」に呼応して、ネット上では若手ゴルフ界の改革派たちが一斉に反応しはじめている。
米国でのゴルフ留学経験のある中井学プロは、海老沢JGTO会長の発言を受けて〈唖然、呆然〉とした上で、〈少なくともプロや現場の人達は危機意識を持っています。肝心の舵取り役が…〉とTwitter上に記している。
またゴルフ界きって改革派であり、ラジオ『グリーンジャケット』名物MCでもあるタケ小山プロも皮肉たっぷりに畑中記者の「声」に応じている。
〈what a nice! Idea! ここまで行けば何も言うことはありませんし飲みに行きたい気分です。記事になっている時点で凄い!事です。〉(タケ小山Twitter)
さらにネット上(Twitter)での「反乱」は収まらない。プロゴルファー以外からも続々と海老沢会長への批判の輪が広がっている。
〈JGTO会長からの信じられないお言葉。それでは国内目線の他力本願。視聴率アップには、先ずは放送時間をライブに改めることが先決では?〉(トム河北/ゴルフジャーナリスト)
〈まず生中継だと思います。それだけでもかなりゴルフの見られ方が変わると思います。今日の女子なんか生で見たい。なのに放送のころにはネットに結果が出ていて、テレビを見る興味は半減以下〉(ゴルファーkoji氏Twitter)。
極めつけは田島創志プロだ。次のように呟いて、海老沢JGTO会長にはっきりとダメ出ししている。
〈jgtoは終了。現場の人たちはあんなに一生懸命なのに・・・。〉(田島創志プロ)
そして、昨年の男子レギュラーツアー開幕戦の覇者・塚田好宣プロのツイートが愉快な結論を導きだしている。
〈いいじゃないですか!^ ^ サイコーです。毎週4人だけでトーナメント開催したらいいのに〉
海老沢会長には、世界で唯一放映権料を得られない日本のゴルフ界とテレビ界の「ねじれ」の解消が期待されていた。
しかし、蓋を開けてみれば、テレビ界の首領だった海老沢元NHK会長は、就任から一年が経っても何ら具体的な改革案を打ち出せずにいる。そして今回の発言だ。
もはや、猶予はない。果たして、きょうの改革派たちの「反乱」は「クーデター」で終わるのか「革命」となるのか。それによって日本のゴルフ界の将来が決まるのかもしれない。