電動車椅子サッカー第1回CLUB CHAMPIONSHIP/勝負の分かれ目はやはり精神力だった!(平野誠樹)
4月19日(土)に「第1回CLUB CHAMPIONSHIP」が開催されました。
関西エリアでは、記念すべき第1回目となる、国際基準の競技速度10キロ(国内ルール6キロ)で実施された大会でした。
優勝はRed Eagles兵庫、準優勝はナンチェスターユナイテッド鹿児島で、詳細な結果は原稿の末尾を参照していただきたいと思いますが、この大会に出場して一番印象に残ったのは、選手のサッカーに対する熱い思いがひしひしと伝わってくるスリリングな試合が数多くあった事です。
出場した6チームは全国的に見てどのチームも、日本一になれる実力を兼ね備えている素晴らしいチームでした。技術的には拮抗していただけに、勝敗を分けた大きなポイントはメンタリティーだった思います。相手より勝ちたいという執念が勝ったチームが勝利を勝ち取っていたように感じました。
優勝したRed Eagles兵庫は大会の開催に関しても、準備等で主体的に力を尽くしてくれました。そういう経緯がプラスアルファーとなって、地元関西という事もあり、絶対に優勝してやるという意気込みがヒシヒシと伝わってきました。
私が監督を務めるYokohama Crackersとは、昨年の選手権大会でも日本一の座を争った宿敵です。先日、関東エリアで開催された大会でも対戦していました。さらに振り返ると2011年に私のチームが選手権大会で初優勝した時にも、準決勝で対戦していました。
ここのところYokohama Crackersがずっと勝っていただけに、なおさらリベンジしてやるという強い気持ちを感じました。その気迫にしてやられる形で予選リーグの初戦で、私のチームは0対1と惜敗してしまいました。
必ず勝つという執念がRed Eagles兵庫にはあり、その差が勝敗に大きく影響したことは言うまでもありません。
それ以外の試合でも、いくつも面白い対戦がありました。
たとえばレインボー・ソルジャーとナンチェスターユナイテッド鹿児島の予選リーグでの試合。3月の大会で全く同じカードの決勝戦があり、その時に惜敗したナンチェスターユナイテッド鹿児島は、今回是が非でも勝ちたかったはずです。そして見事にナンチェスターユナイテッド鹿児島が4対2で勝利し、大きく決勝進出に前進した試合となりました。
私のチームYokohama Crackersは同じ関東で最大のライバルチームのレインボー・ソルジャーと、三位決定戦で激突しました。
レインボー・ソルジャーには人工呼吸器を着けながらプレーする元日本代表のプレーヤーが在籍しています。 その二人を中心として気迫を前面に出して向かってきました。私と同じ進行性の難病を抱える彼らが必死に戦う姿に、敵ながら心を打たれました。
それに反して我がチームからは、残念ながら闘志を感じる事ができませんでした。そのメンタルの差が明確に出る結果となり、何もできずに0対2で完敗しました。
このようにいかに精神的な要素がハイレベルな試合では勝敗を左右する事を、改めて痛感させられ、随所に選手のサッカーにかける熱い気持ちが見られました。
その大きなモチベーションの根底には、10キロの試合はワールドカップなどの国際大会に直結している事があると思います。 つまりそこで活躍する事により、どの選手にも日本代表になる可能性が開かれているということです。
そういう意味でも、今後もっともっと国際基準に準じた大会が増えて行く事を願っています。もしも、本当に日本が世界チャンピオンを目指すのであれば……絶対にに、そうあるべきでしょう。
<第1回CLUB CHAMPIONSHIPの結果>
【Aグループ】
Yokohama Crackers 0対1 Red Eagles兵庫
Yokohama Crackers 2対2 奈良クラブビクトリーロード
Red Eagles兵庫 2対0 奈良クラブビクトリーロード
1位:Red Eagles兵庫(得失点差 +3)
2位:Yokohama Crackers(-1)
3位:奈良(-2)
【Bグループ】
ナンチェスターユナイテッド鹿児島 4対2 レインボー・ソルジャー
レインボー・ソルジャー 4対0 兵庫パープルスネークス
ナンチェスターユナイテッド鹿児島 3対0 兵庫パープルスネークス
1位:ナンチェスターユナイテッド鹿児島(+5)
2位:レインボー・ソルジャー(+2)
3位:兵庫パープルスネークス(-7)
【5位6位決定戦】
奈良クラブビクトリーロード 4対0 兵庫パープルスネークス
【3位4位決定戦】
Yokohama Crackers 0対2 レインボー・ソルジャー
【1位2位決定戦】
ナンチェスターユナイテッド鹿児島 1対1 Red Eagles兵庫
(PK ナンチェ 6対7 Red)
【最終結果】
1位:Red Eagles兵庫
2位:ナンチェスターユナイテッド鹿児島
3位:レインボー・ソルジャー
4位:Yokohama Crackers
5位:奈良クラブビクトリーロード
6位:兵庫パープルスネークス