星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ⑯1.1~1.9
国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトした「パラスポーツ・ピックアップ」シリーズ。今回は、開幕まで2カ月を切ったソチ冬季パラリンピック関連の話題に加え、16年リオデジャネイロ・パラリンピックを目指す2つのサッカーから興味深いイベントの告知が届いています。
■ノルディックスキー
・8日: ワールドカップ・フィンランド大会がフィンランド・ボッカティで開幕した。13カ国から130選手以上がエントリー。あと2カ月に迫ったソチ冬季パラリンピック代表選手も多数含まれている。この日はクロスカントリースキーのミドル(男子10km、女子5km)のクラシカルが行われ、日本勢のトップは男子立位で5位に入った新田佳浩(日立ソリューションズ)で26分07秒6。優勝はブラディシュラフ・レコムチェフ(ロシア)で24分54秒0だった。
女子立位では太田渉子(日立ソリューションズ)が16分28秒9で7位、阿部友里香(岩手・盛岡南高)が16分31秒3で8位に入った。優勝はアレクサンドラ・コノノバ(ウクライナ)が15分08秒1。男子座位は世界ランク4位の久保恒造(日立ソリューションズ)が27分35秒8で10位。優勝は25分34.6をマークした同ランク1位のロマン・ペトゥシコフ(ロシア)だった。
・9日: クロスカントリースキーの男女ショートとミドル・フリーが行われ、久保恒造が男子座位ショート(5km)で13分50秒7をマークし、3位に入った。優勝はマクシム・ヤロビィ(ウクライナ)で13分28秒2だった。日本代表の荒井秀樹監督によれば、「2.5kmコースを2周するレースで、1周目は6位の好位置に付け、2周目のラップは全体でトップと僅差の2位で、後半の勝負強さを見せつけたレース展開だった」という。
日本障害者クロスカントリースキー協会によれば、久保はレース後、「昨日(編集部註:8日)のレースは、乗り比べるために先シーズン使用した低いシット(⇒註)で臨んだが、フィーリングが合わなかった。そのため、良いフィーリングを取り戻すことと、その中でロシアの選手達をどこまで追い詰めることができるか、という点を課題として、今日は新しい高さのシットに戻してレースに臨んだ。パフォーマンスとしてはまずまずで、コンディションは悪くはない。メインに据えているバイアスロン競技に向けて、良いフィーリングを得ることができたので、このフィーリングを明後日(同:11日)からのバイアスロンに繋げていきたい」とコメントしている。
また、女子立位のミドル(5km)フリーは出来島桃子(新発田市役所)が15分52秒で8位。アレクサンドラ・コノノバ(ウクライナ)が13分44秒1で優勝した。
⇒シット: 障害者スキーの座位カテゴリーの選手が使う、2本のスキーに座席を取り付けた特製のスキー「シットスキー」の座席部分のこと。シット(座席)の材質や形状は自由で、障害の内容や程度に応じて正座スタイルや椅子式などがある。シットスキーに乗り、ストックで漕ぐように進むが、ストックの長さもコースなどに合わせて変えられる。
■ドイツ発
・9日: 国際パラリンピック委員会(IPC)は、3月に開幕するソチ・パラリンピックと16年リオ・パラリンピックの日本における独占放送権をNHKが獲得したと発表した。契約内容によれば、NHKは総合テレビとEテレの2局を合わせ、ソチ大会は合計29時間の放送を予定しており、冬季パラリンピックとしては初めて、開会式を地上波で生中継するほか、大会期間中は毎日30分間のハイライト番組を放送するという。また、リオ大会の放送は合計46時間で、ハイライト番組は1時間になるという。
IPCのフィリップ・クレイヴン会長は、「我々IPCは、NHKと今後4年間、パートナーシップを継続できることをとても嬉しく思う。この契約は日本におけるパラリンピック放送が過去最長となることを意味し、20年東京大会に向けて強力なプロモーションとなる」などとコメントした。
また、NHKのサブライセンス先であるスカパーJSATがソチ大会期間中、24時間のパラリンピック専門局を開局し、生中継70時間を含む200時間以上の放送を予定している。
■脳性麻痺者サッカー
・講習会の参加者募集: 日本脳性麻痺7人制サッカー協会は、CPISRA(国際脳性麻痺者スポーツ・レクリエーション協会)による、選手やコーチ、サポートスタッフなどを対象にした講習会を1月18日~19日に大阪で開催する。パラリンピック・7人制サッカーチェアマンと技術責任者を講師に迎え、最新の国際情報やルール、指導方法やクラス分けについての講義とフィールドでの実技講習を行う。CPISRAからの受講修了証も発行される。
<Football 7-a-side Coaching and Classification workshop>
日 時:1月18日(土)10:00~20:00/19日(日) 9:00~12:00
会 場:J-Green堺(大阪府堺市)
対象者:7人制サッカー(CPサッカー)選手、指導者、サポートスタッフなど、
7人制サッカー(CPサッカー)に興味・関心のある人
定 員:40名(先着順)
参加費:3,000円
問合先:E-mail(mail@jcpfa.jp)またはFAX(053-420-0315)
詳 細:日本脳性麻痺7人制サッカー協会 公式サイト
■ブラインドサッカー
・初の女子練習会開催へ: 日本ブラインドサッカー協会(JBFA)は1月18日(土)に東京で、女性を対象にしたブラインドサッカー練習会を開催する。ブラインドサッカー(B1:全盲クラス。アイマスクをして音の鳴るボールを使用)やロービジョンフットサル(B2/B3:弱視クラス。ほぼフットサルと同じルール)に興味のある小学生以上の女性が対象で、JBFA公認コーチ陣がレベルにあわせて指導する。「ボールを蹴ってみたい」初心者や、「もっとサッカーを楽しみたい」「女子チームを作りたい」人など、晴眼者でも参加可能。
<ブラインドサッカー女子練習会>
会場:新宿NPO協働推進センター(新宿区高田馬場)
対象:健康上、運動が可能な小学生以上の女性で、下記のいずれかに該当する人。
(ア)視覚障がいがある(障がいの程度や等級は不問)
(イ)晴眼者でJBFA登録チームに所属している
(ウ)晴眼者でブラインドサッカーやロービジョンフットサルに興味がある
日時:1月18日(土)
(1) 13:00~14:30 B1(全盲)練習会
(2) 15:00~16:30 B2/B3(弱視)練習会
詳細:日本ブラインドサッカー協会 公式サイト
(カンパラプレス配信+NBSオリジナル)