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星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ⑮12.26~12.31

 明けましておめでとうございます。
 今年はいよいよソチ・パラリンピックが開催されます。
 この「パラスポーツ・ピックアップ」シリーズでもカバーしていきます。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて今回は、ソチ・パラリンピック日本代表選手団を応援する、公開ホヤホヤのプロモーション映像や、大晦日に発表された、国際パラリンピック委員会(IPC)が選ぶ「2013年『最高の瞬間』トップ50」の第1位など、ワクワクする話題満載です。

■東京発
・26日: 日本障害者スポーツ協会・日本パラリンピック委員会(JPC)は26日、ソチ2014冬季パラリンピック大会に臨む日本代表選手を応援する動画、「JPCプロモーション映像2014・冬」を公開した。
 アルペンスキーやノルディックスキー日本代表選手が多数出演。雪山を舞台にした競技の模様のほか、スポーツジムでの筋肉トレーニングの様子などが2分15秒にわたって映し出されている。

 迫力ある映像は、日本障害者スポーツ協会公式サイトの関連ページから視聴できる。
http://www.jsad.or.jp/news/detail/20131226_000256.html
(※音声がでます。ご注意ください。)

■車椅子テニス
・31日: 国際テニス連盟(ITF)は2013年度の世界チャンピオンとして男子は国枝慎吾選手、女子はアニーク・バン・クート(オランダ)選手の2名を発表した。

 2013年度の国枝選手は、グランドスラム3大会すべてで決勝まで進み、オーストラリア・オープンでは自身14度目のメジャータイトルを獲得した。また年度最終大会であるマスターズの優勝を含み、全7個のタイトルを手にしている。通算成績は41勝7敗で、年末に世界ランク1位に返り咲き、5度目の年度チャンピオンに選ばれた。国枝選手は「5度目のチャンピオンに選ばれて誇りに思う。来シーズンへの大きな自信になる」などとコメントしている。

 一方、バン・クート選手は、グランドスラム3大会のうちオーストラリアとUSオープンを制するなど、ドイツのサビーネ・エラーブロックとの1年を通した激しい争いの末、最終ランキングで1位の座を手にした。

 両選手の表彰式は、6月3日にパリで開催される「ITF世界チャンピオン・ディナー」の席で行われる予定。


■ドイツ発 
【2013年度パラスポーツ『最高の瞬間』トップ50】
(詳細は、IPC公式サイトまで。上記をClickしてください。)
 国際パラリンピック委員会(IPC)が12月31日までカウントダウン形式で毎日発表するリストを、コンパクトに紹介するシリーズ。

No.8: 国際パラリンピック委員会(IPC)は世界各地でのパラスポーツの普及・発展を目的にした、総額63万ユーロの支援助成金プロジェクト、「アジト財団支援助成金プログラム(Agitos Foundation Grant Support Programme)」を発足させた。2013年度はすでに各国のパラリンピック委員会など30以上の国際団体に助成金が提供され、14年度にも同程度の提供が予定されているという。

No.7: IPC陸上競技世界選手権(7月/フランス)のT42(大腿切断)クラス男子100mはとても珍しい結末となった。ポポウ選手(ドイツ)とリードン選手(オーストラリア)が12秒68の同タイムをマークし、1時間半にもわたる写真判定の結果、同着と判定され、金メダルを分け合ったのだ。

No.6: 車椅子テニスの女子シングルスでパラリンピック4連覇を果たすなど世界トップランクのフェルフェール選手(オランダ)が2月、現役を引退した。470試合連続勝利、668週連続世界ランク1位、パラリンピック8個のメダル獲得、グランドスラムで44勝など輝かしい記録を残した彼女は引退後、オランダ・パラリンピック委員会と外部アドバイザーとして契約。2016年リオ大会まで、同委員会の新たなスポンサー探しと、選手の育成などに関わるという。

No.5: 水泳世界選手権(8月/カナダ)の女子100m自由形S8(肢体不自由)クラスで、14歳のエリオット選手(オーストラリア)が世界王者でパラリンピック金メダリストのロング選手(アメリカ)を破り、初出場で初優勝を飾った。1分05秒85のタイムは世界新記録だった。

No.4: 車椅子バスケットボールのアメリカ大陸杯(8月/コロンビア)の準決勝でメキシコがパラリンピック金メダルのカナダを67-57で下し、最終的に同大会で銅メダルに輝き、2014年の世界選手権(6月/韓国)の出場権も得た。一方、カナダは史上初めて同選手権の出場を逃した。

No3: IPCアルペンスキー世界選手権(2月/スペイン)で、ボシェ選手(フランス)が圧倒的な強さを見せ、出場した5種目すべてを制した。2010年バンクーバー・パラリンピックでは1種目も表彰台に上れなかったが、ソチ大会では大きな活躍が期待される。

No.2: 車椅子レーサー、マクファデン選手(アメリカ)は2013年、大活躍だった。陸上競技世界選手権(7月/フランス)でのトラック6種目(100m、200m、400m、800m、1500m、5000m)全制覇に加え、男女通じて史上初の車椅子マラソンの年間グランドスラム(4月/ボストンとロンドン、11月/ニューヨークシティとシカゴ)を達成。彼女は今、2014ソチ・パラリンピックのノルディックスキーでのアメリカ代表となり、パラリンピック夏・冬出場を目指している。

No.1: 国際パラリンピック委員会(IPC)は、「続々と結ばれたパラリンピック大会のテレビ放映権契約」というニュースを2013年度の「最高の瞬間」の第1位として選んだ。パラリンピック・ムーブメントはまもなく、世界的な露出が著しく増大しようとしている。なぜなら、パラリンピック大会のテレビ放映権に関する大型契約が2013年、次々と結ばれたからだ。

 なかでも最大は、米国NBC放送による契約だ。14年ソチ冬季大会と16年リオ夏季大会の期間中、米国内で大会の模様が計116時間放送される予定となっている。ほかにも、英国のチャンネル4放送やEBU(欧州放送連合)、カナダ放送局同盟などが同様の契約を結んでいる。

(カンパラプレス配信+NBSオリジナル)