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星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ⑭12.19~12.24

 国内外のパラリンピック競技の話題を独自にセレクトした「パラスポーツ・ピックアップ」シリーズ。今回は、クリスマスイブに発表された、ソチ・パラリンピック日本代表選手団の力強いコメントなどをリポート。また、国際パラリンピック委員会(IPC)が選ぶ「2013年『最高の瞬間』トップ50」もいよいよトップ10に突入。日本のニュースもランクイン!

■ブラインドサッカー
・19日: ブラインドサッカー協会は、現在B2/B3クラスと呼ばれている弱視クラスの名称を2014年1月から「ロービジョンフットサル」に変更すると発表した。「ロービジョン」は、弱視や見えにくい状態を示す英語。同協会ではこれまで、「ブラインドサッカー」という名称の普及と定着をはかる目的で、弱視クラスについても、「ブラインドサッカーB2/B3クラス」と表記してきたが、「ブラインド」は全盲という意味の英語であるほか、B1(全盲)クラスと弱視クラスではルールも異なっている。名称変更は、こうした実情に合わせ、両クラスの区別を明確にすることが目的だという。

>全盲(B1)クラス → ブラインドサッカー
 サイドフェンスあり、アイマスクの着用、音の鳴る特殊なボールの
 使用など
>弱視(B2/B3)クラス → ロービジョンフットサル
 フットサルとほぼ同じルール。
 サイドフェンスなし、アイマスクなし、フットサル用ボールの使用など

■車椅子バスケットボール
・22日: 関東車椅子バスケットボール連盟が主催する年末の恒例大会、「HIGH8選手権」が横浜で開幕。同選手権は通常のゲームと異なり、ローポインター(持ち点1点から2.5点まで)の選手だけが参加できるという制限(通常の上限は4.5点)があり、コート上の5選手の合計持ち点も通常の14点でなく、8点以下に制限されている。大会名の「HIGH8」はこの特徴に由来する。第13回となる今年は日本全国から12チームが参加した。

【参加チーム】
 宮城MAX(東北地区)、NO EXCUSE(東京)、BLAST(東京)、
 関東女子連合(関東)、T-ROCKETS(関東)、埼玉ライオンズ(関東)、
 千葉ホークス(関東)、神奈川(関東)、横浜ドリーマー(関東)、
 清水M.S.T(近畿)、神戸ビクトリー(近畿)、中国選抜(中国)

・23日: 第13回HIGH8選手権は、宮城MAXがNO

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EXCUSEを59-32で下し、2年ぶり4度目の優勝を果たした。3位決定戦は昨年覇者の埼玉ライオンズが神奈川を67-44で下した。大会MVPには宮城MAXの藤井新悟が、またベスト5には原田翔平(埼玉ライオンズ)、森紀之(NO EXCUSE)、田中聖一(NO EXCUSE)、豊島英(宮城MAX)、向後寄夫(宮城MAX)がそれぞれ選ばれた。


■東京発
・24日: 「ソチ2014パラリンピック冬季競技大会」(来年3月7日~16日)の日本代表選手団の第一次発表記者会見が東京都内で行われ、アルペンスキー競技で9人、ノルディックスキー競技で6人の計15人(役員・スタッフ35名)が第一次メンバーとして発表された。最終メンバーは今後の国際大会の成績などを考慮して来年2月上旬までに発表される予定という。

[caption id="attachment_17865" align="alignnone" width="620"] (前列左から)森井大輝主将、久保恒造選手、(後列左から)中森邦男副団長、荒木雅信団長、太田渉子選手、三澤拓選手[/caption]

 選手団団長を務める荒木雅信氏(日本障害者スポーツ協会科学委員長)は「経験豊かなメンバーが揃った。金3個を含むメダル10個以上の獲得が目標。そのために役員、スタッフは(選手に対して)最大限のサポートをしたい」と話した。

 主将には4大会連続出場となるアルペン男子座位の森井大輝(富士通セミコンダクター)が指名された。「主将として、開会式翌日のダウンヒル種目でしっかり結果をだし、日本選手団に勢いをつけたい」と意気込み、目標の金3個は「アルペンチームだけで獲れる」と胸を張った。

 旗手には、3大会連続出場となるノルディック女子立位の太田渉子(日立ソリューションズ)が選ばれた。「(旗手は)責任の重さを感じる。これまで支えてくれた全ての方たちに恩返しできる結果を出したい。特に開会式翌日のバイアスロン・ショートで金メダルを獲ってチームに勢いがつけられたら」と目標を語った。

 このほか、会見に参加したアルペン男子立位代表の三澤拓(キッセイ薬品工業)は3度目のパラリンピックとなるが、「まだメダルを取っていないので、今回はぜひ形あるメダルを日本に持ち帰りたい。また、障害者スポーツというレベルだけでなく、片足でもこれだけ滑れるんだと、純粋にスキーの高い技術を見せられるように頑張りたい」と意気込んだ。ノルディック男子座位代表の久保恒造(日立ソリューションズ)は2010年バンクーバーに続いての代表。強豪ロシア勢を抑え、「特にバイアスロンのミドルとショートの2種目で頂点を目指したい。バンクーバー後の4年間、ロシアに勝つために何をすべきかを分析し努力してきた集大成が、本番で出せるようコンディションを整えて臨みたい」と抱負を語った。

<日本代表選手団 (12月24日発表分)>
【アルペン】
 男子座位: 狩野亮(マルハン)、鈴木猛史(駿河台大学)、
       谷口彰(相模組)、夏目堅司(八方尾根スキースクール)、
       森井大輝(富士通セミコンダクター)
 男子立位: 阿部敏弘(日本障害者スキー協会)、
       小池岳太(セントラルスポーツ)、
       東海将彦(エイベックス)、三澤拓(キッセイ薬品工業)
【ノルディック距離・バイアスロン】
 男子座位: 久保恒造(日立ソリューションズ)
 男子立位: 佐藤圭一(エイベックス)、
       新田佳浩(日立ソリューションズ)
 女子立位: 阿部友里香(岩手・盛岡南高)、
       太田渉子(日立ソリューションズ)、
       出来島桃子(新発田市役所)


■ドイツ発 
【2013年度パラスポーツ『最高の瞬間』トップ50】
(詳細は、IPC公式サイトまで。上記をClickしてください。)
 国際パラリンピック委員会(IPC)が12月31日までカウントダウン形式で毎日発表するリストを、コンパクトに紹介するシリーズ。

No.15: ボート世界選手権(8月/イギリス)で、ASカテゴリー(⇒註)のボルシャコワ選手(ロシア)が女子シングルスカル(1000m)で5分13秒95の世界最高記録を樹立し初優勝した。

⇒ASカテゴリー:ボート競技では障害の部位に応じて、L(脚の力を使って漕ぐことができる)、T(体幹を使って漕ぐことができる)、A(腕力を使って漕ぐことができる)、S(肩を使って漕ぐことができる)の4つのカテゴリー分けがある。ASカテゴリーは腕力と肩を使って漕ぐことができる組み合わせのカテゴリーの意味。

No.14: アイススレッジホッケーのカナダ代表チームがIPCアイススレッジホッケー世界選手権(4月/韓国)で、2008年以来の世界王者に返り咲く。

No13: UCIパラ・サイクリング世界選手権(8月/カナダ)のC4(脳性まひ)クラスで、ノバック選手(ルーマニア)が世界一に。彼が倒した相手は、パラリンピックと世界選手権を各6回制覇した絶対王者のジェジック選手(チェコ)だった。

No.12:  IPCノルディックスキー世界選手権(3月/スウェーデン)で、ロシアチームが他国を圧倒。特に男子ではペテュシュコフ選手が、女子ではライソーバ選手がそれぞれ5個ずつの金メダルを獲得し、チームを牽引。

No.11: 陸上競技で8つの世界新記録が誕生。特に義足のスプリンターたちが別次元の走りを見せた。例えば、オリビエラ選手(ブラジル)が6月の国際グランプリ(ベルリン)において、T43(両膝下切断)クラス男子100mでそれまでの世界記録を0.14秒上回る10.77秒をマーク、さらに7月に10.57秒まで伸ばした。また、200mでも20.66秒をマーク、世界記録を一気に0.64秒も更新。女子もT44(片膝下切断)クラスのリジン選手(オランダ)が100mで12.96秒をマークして同クラスでは史上初の13秒切りを達成。400mでも1分01秒10の世界新記録を樹立している。

No.10: ネマチ選手(イラン)がパラ・アーチェリー世界選手権(11月/タイ)で優勝。彼女は昨年、ロンドン・パラリンピックでも金メダルを獲得している。イラン人女性が五輪・パラリンピックで金メダルを獲得するのは史上初であり、今ではロール・モデルとしてイスラム教徒の女性たちに勇気を与えている。

No.9: IOC総会(9月/アルゼンチン)で、2020年パラリンピック開催都市が東京に決定。3大会連続パラリンピアンの佐藤真海選手が最終スピーチで大きく貢献、国際的な称賛を得た。「パラリンピアンとして、あのような重要な役目をいただき、大変光栄だった」と語り、「プレゼンテーション後、日本国内でのパラリンピックに対する見方の変化を感じる」と話している。

(カンパラプレス配信+NBSオリジナル)