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中村敏雄著作集 第8巻 フットボールの文化論

『中村敏雄著作集 第8巻 フットボールの文化論』

著者:中村敏雄

編者:吉田文久

出版社:創文企画

価格:¥3,672

 

 

 日本のスポーツに対し歴史的、文化的認識の重要性を説いた中村敏雄氏のフットボール論の集大成。フットボールとは、ラグビーとは、オフサイドとは何か。フットボールの選手、指導者、ファン、メディアならば、本来知っていなければならない知見が展開されている。日本はフットボールをはじめとするスポーツを輸入した国であり、自らとは異なる文化として、より理解を深める必要がある。しかし、どの体育課程においても身体の動かし方のみに終始し、スポーツの発祥、発展、ルールの変遷など、文化の源となる歴史教育はほとんどなされていない。なぜサッカーは手を使っていけないのか、なぜラグビーは手を使っていいのか、なぜオフサイドは反則なのか、なぜオフサイドというルールが存在しているのか。世界的にもまれに急速な発展を遂げているこの国のフットボール環境だが、これらの質問に、どれだけの人が明確な回答を用意できるだろうか?フットボールのルールは、少なくとも800年以上のフットボール史の結果であり、すべてに必然性がある。そのルールの変遷をはじめとする歴史的知見を得ることなしに、フットボールの本当の理解と日本のスポーツ文化の発展はないように思う。
 この中村敏雄著作集は1〜8巻と別巻の全9巻。他には体育科教育論やスポーツ文化論の思想、比較文化学などがある。

 

『オフサイドはなぜ反則か』(中村敏雄)参照