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大戦前夜のベーブ・ルースー野球と戦争と暗殺者

『大戦前夜のベーブ・ルースー野球と戦争と暗殺者』

著者:ロバート・K・フィッツ

訳者:山田美明

出版社:原書房

価格:¥3,024

 

 

 1934年(昭和9年)、アメリカ大リーグ・チームが来日。約1カ月、全国をまわり18試合を行った。ベーブ・ルース、ルー・ゲーリック、ジミー・フォックス…とスターが揃った大リーグ・チームに何十万人の群衆が日米の旗を振り「バンザイ、バンザイ」と叫んだ。元考古学者にして歴史家の著者は、ルースをはじめとする選手たちと、この日本ツアーを事細かに描きつつ、開戦に向かい刻々と時が迫る時代、進展しない日米交渉、若き陸軍士官によるクーデターを迫力ある文章で綴っていく。スーパースター、ベーブ・ルースの来日も、野球は日米の溝を埋めることはできず、やがて戦争に突入。対照的な文化を持ちながら、野球という同じスポーツを楽しんでいた日本とアメリカ。二国の文化的歴史を、野球を通じて描いた素晴らしいノンフィクション。原題は「バンザイ・ベーブ・ルース」。