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女子ラグビーW杯出場決定!ニックネームは……(松瀬 学)

この原稿はスマートフォンのユーザー向けアプリの『スポーツ屋台村』(五輪&ラグビーPLUS・松瀬学のコラム)にアップしたものです。加筆修正し、News-Logに公開します。

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『躍進女子ラグビーの理由と課題』

やってくれました。7人制女子ラグビーのことである。ワールドカップ(W杯)女子アジア地区予選(インド)で、日本代表が3位に食い込み、来年6月の本大会(モスクワ)出場を決めた。これで強化のスピードは落ちず、「金メダル」を掲げる2016年リオデジャネイロ五輪に望みがつながった。

「朝早くから大変恐縮です……」。10月9日。午前9時からの帰国会見。10数人のメディアに囲まれ、日本代表の浅見敬子ヘッドコーチはぎこちない笑顔を浮かべた。人気的には不遇のジャパン時代を過ごした35歳。高まる注目度に戸惑いながら、「もうびっくりですね。不思議な感覚です。オリンピックってやっぱりすごいですね」と言う。

そうなのだ。リオ五輪の正式競技となってから、7人制ラグビーの人気はじわりじわりと上がっている。もちろん強くなければ話しにならない。が、日本協会の強化が実を結び、9月上旬のボルネオ大会で強豪オーストラリア、カザフスタンを連破して準優勝。先週末のW杯女子アジア地区予選では3位決定戦で再び、カザフスタンに17-7で走り勝った。

これで上位3チームに与えられるW杯出場権をゲットした。リオ五輪を考える上でこれはとてつもなく大きい。なぜかといえば、強化のスピードを鈍らせずに済んだ。人気面でいっても、新聞、雑誌はもちろん、テレビの露出も増えることになる。

躍進の理由は、昨年から徹底して取り組んできた体力アップと組織的なディフェンス整備にある。ウエイトトレーニングの成果も出始め、それが突き刺ささるタックル、激しいブレイクダウン(タックル後の争奪戦)に表れた。とくに円盤投げから転向してきたFW片嶋佑果の成長は目を見張る。

ただ準決勝では身体能力のフィジーに7-31で完敗した。永遠の課題ともいうべき小柄ゆえのパワー不足を露呈した。さらにトライをとりきるスピード、すなわち決定力も足りない。ここは一人、大きなスピードランナーがほしいところだが……。

大会の決勝はフィジーが中国を下した。フィジーが五輪予選で、アジアと同じ枠に入ってくるかどうかは不透明ながら、アジアでは中国が少しばかりリードし、日本、カザフスタンが並んで追いかける状況とみる。もちろん香港やタイも侮れない。

現在、世界のトップ6はニュージーランド、オーストラリア、イングランド、オランダ、カナダ、米国だろう。これにアジアでは中国、日本、カザフスタンが続く構図なのだ。

来年のW杯まで8カ月。リオ五輪を考えると、出場枠の絡みもあって、結果を出すことが求められる。アジアではまだスピードのある中国が日本より上とみる。スピード、パワーの差を埋める団結力、組織プレーの向上がマストである。キーワードは「継続」。代表チームとして月に2、3回は合同合宿をはり、男子チーム相手にタフな試合を繰り返す。格上の国で海外合宿を実施する。国際大会に参加する。この1年こそが正念場である。

ついでにいえば、なでしこジャパン(サッカー)、火の鳥ニッポン(バレーボール)のごとく、何か代表チームのニックネームをつくらないか。いっちょ、人気アップのため、公募なんてどうだ。

【『スポーツ屋台村』&NLオリジナル】