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日本オープンをアジアのメジャーに! 2020年に向けて(タケ小山)

 いよいよ2013日本オープンゴルフ選手権が開幕した。

 規定を満たせば、プロだろうがアマチュアだろうが、誰でも挑戦できるオープン大会。事実上、その年の日本で一番強いゴルファーを決める試合なわけだが、108人という出場人数には少し寂しさを覚えるのも確かだ。150人近くが出場していた1980年代に比べるとあまりにも少ない。

 ゴルフはメンタルなスポーツなので出場者も煩悩の数にした、などとは笑い話にもならないが、108つは除夜の鐘だけで十分。しかも日本のエース2人が米ツアーと重なって出場できないという条件が重なるならば、「開催時期を見直す」という選択肢があってもいいと思う。

 全米、全英の両オープンは6月、7月に156人のフルフィールドで行われており、国中のゴルファーがプライドを賭けて挑戦してくるのだ。私もアメリカで武者修行中に全米オープンの最終予選を戦い、出場選手の熱さを肌で感じたことがあるが、ナショナルオープンに出場することは彼らにとっての「夢」なのである。

 日本人ゴルファーにとってもその思いは変わらないはずなのだが、日本のナショナルオープンは門戸があまりも狭い。出場できる可能性を広げ、日本のゴルフを元気にするという意味でも、ぜひとも日照時間の長い夏に開催してもらいたい。予選からの出場枠も30人程度に増やし、全国で予選会を実施すれば、参加意欲も高まるはずだ。

 2016年のリオデジャネイロ大会からゴルフがオリンピックの正式競技に復帰するが、その4年後には東京大会が控えている。2020年のゴルフ競技を成功させるためには、アジアのゴルフ界で日本がリーダーシップをとっていることが必要だし、そのためには日本オープンをかつてのような、魅力があり、海外ツアーへの登竜門として、世界中から活きのいい選手が目の色を変えて挑んでくるような大会に再び育て上げなければならないだろう。

 そう考えたとき、なぜゴルフには天皇杯がないのだろうかという疑問にぶち当たる。野球、サッカー、ラグビー、バレーボール、相撲など、日本で広く行われているスポーツには、天皇賜杯をめぐってプロとアマが同じ土俵に立って争う天皇杯という大会があるのだが、なぜかゴルフにはないのである。だとするならば、日本オープンにもぜひ天皇賜杯を頂きたい。そうなれば権威がさらに上がるし、真の日本一ゴルファーを決める試合として、と同時にアジアのメジャー大会として、より一層飛躍できると考えるのは私だけだろうか。

(タケ小山:プロゴルファー 第73回日本オープン出場)