星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ③9.28~10.8
「パラスポーツ・ピックアップ」は、国内外各地から届くパラリンピック競技の話題を独自にセレクトし、1週間分まとめてお送りするシリーズです。
今回は、少し遅れて届いた「号外」などもまじえたロング版。今週末の3連休に行われる「第13回全国障害者スポーツ大会」のプレイベントもリポートしています。
■CPサッカー
⇒CPサッカーとは、英語の「Cerebral(脳からの)Palsy(麻痺)」の略で、正式名称は「脳性まひ者7人制サッカー」。脳性麻痺や脳血管障害など脳に起因する障害で身体に麻痺がある人を対象にしたサッカー。一般のサッカーより小さいコートを使い、キーパー1名を含む7人で行う。1984年よりパラリンピックの正式種目で、英語表記では「Football 7-a-side」。
・9月28日~29日: 第13回CPサッカー全日本選手権大会が岐阜県・長良川球技メドウで行われ、全6チームのトーナメント戦の結果、決勝戦で前回覇者のCP神戸(兵庫県)がASユナイテッド(埼玉県)を5-0で下し、優勝した。
最終順位は、
1位 CP神戸 (兵庫県)
2位 ASユナイテッド(埼玉県)
3位 FCプログレッソ(岐阜県)
4位 エスペランサ (川崎市)
5位 大坂PAZ (大阪市)
6位 横浜BAY FC(横浜市)
■ロシア発
・4日: 開幕まで約5カ月に迫った2014冬季パラリンピック・ソチ大会(来年3月7日~16日)の観戦チケットの販売が始まった。競技の観戦チケット価格は350ルーブルから1500ルーブルまで(1ルーブル=約3円/10月9日現在)。平均価格帯は400~500ルーブル。開会式は700~5000ルーブル。閉会式は400~2000ルーブル。価格には税・サービス料のほか、会場までの公共交通機関料金(ルートは指定)が含まれるという。
チケットの購入方法は国籍や居住地によって異なる。現在、ロシア在住以外の外国人は、各国のパラリンピック委員会が指定した販売業者や大会公式サイトのチケット販売ページなどから購入できる。
⇒ソチ冬季パラリンピック
2014年3月7日~16日の会期で、45の国と地域から約1650選手が参加が予定されている。実施は5競技(アイススレッジ・ホッケー、アルペンスキー、車いすカーリング、クロスカントリースキー、バイアスロン)72種目で、パラ・スノーボードがアルペンスキー競技の新種目として追加が決まっている。
■ブラインドサッカー
6日: 「関東リーグ2013」は第4節のB1(全盲)クラス3試合が東京・渋谷区立広尾中学校で行われた。前節まで首位のAvanzareつくばがダブルヘッダーに臨み、1戦目は埼玉T.Wings(埼玉)に1-0で勝利したが、たまハッサーズ(東京)との2戦目に0-3と敗れた。もう1試合はbuen cambio yokohama(神奈川)が松戸・乃木坂ユナイテッド(千葉・東京)を1-0で下した。
同リーグはこの日で全8節のうち、ちょうど半分にあたる4節を終了。ここまでの首位はつくば(勝ち点9)で、2位yokohama(同7)、3位たま(同4)、4位埼玉(同3)、5位松戸(同3)、6位山梨(同0)となっている。
第5節は10月26日(土)、慶應義塾大学日吉キャンパス(横浜市)でB1クラスの2試合と、B2/3クラスの1試合が行われる。
■総合
・8日: 54年ぶりに東京で開催された「第68回国民体育大会」の総合閉会式が味の素スタジアム(東京・調布市)で開催され、式典に先立ったオープンインブイベントとしてパラスポーツ5種目のデモンストレーションが行われた。
陸上競技100m走には、2013リヨン世界陸上代表のT42(大腿切断クラス)の大西瞳選手(写真:右から2人目)をはじめ、同クラス村上清加選手(写真:右から4人目)、T44(膝下切断クラス)の阿部未佳選手(写真:右)と高圡文子選手(写真:右から3人目)の4人が参加。全員、12日に開幕する第13回全国障害者スポーツ大会の東京代表でもある。村上選手は「(観客の)拍手が気持ちよかった」と話し、大西選手は「今日は本番のいいリハーサルになった」と笑顔だった。
その他の種目は電動車椅子によるスラローム競技、車椅子レーサーによる200m走、視覚障害のある選手によるジャベリックスロー、車椅子バスケットボールが行われた。
⇒第13回全国障害者スポーツ大会
10月12日(土)~14日(月・祝)まで、都内各会場で開催。開閉会式以外は観戦自由、無料。実施競技や日程など詳細は大会公式サイトまで。
【公式サイトURL】http://shospo.net/2013/main/taikais?main_menu=taikai&sub_menu=501
■ 号外:ロンドン発■
・9月7日: 2012年ロンドン・パラリンピックから約1年、熱戦が繰り広げられたロンドン市のクイーン・エリザベスオリンピック公園で、“National Paralympic Day”と銘打ったイベントが開催され、ロンドン・パラリンピックのメダリストらが参加した車椅子バスケットボールやシッティング・バレーボールの試合をはじめ、プロコーチの指導によるパラスポーツ体験会などが行われた。
同イベントは10年前に始まった障害者アートの祭典“Liberty Festival”の一環として行われ、同時にライブコンサートや障害者アートの展示会、演劇なども催された。英国パラリンピック協会では、“National Paralympic Day”を毎年恒例のイベントにする希望はあるが、今年の結果を総合的に評価して来年の開催を判断したいとしている。
(カンパラプレス配信+NBSオリジナル)
(写真提供:越智貴雄)