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日本プロ野球物語 (画像は第3巻「プロ野球 昭和の名選手」)

戦後間もなく日本プロ野球草創期に活躍した名選手たちの姿を、当時の貴重な映像で綴ったシリーズ。

第1巻 「阪神タイガース ダイナマイト打線」

第2巻 「南海ホークス 百万ドル内野陣」

第3巻 「プロ野球 昭和の名選手」

第4巻 「野球教室 若林忠志・山本一人・別当薫」

第5巻 「巨人軍物語」 以上、全5巻。 いずれも昭和20~30年代に撮影された映像を基にして、1999年にVHS化、2006年にはDVD化されて、それぞれ販売された。

 第3巻では、のちにパ・リーグ会長を務めた中澤不二雄が、川上、青田、藤村、大下ら、往年のスター選手たちのプレーを技術解説。第4巻には、若林、山本、別当の3選手が昭和23年に甲子園球場で行った、子どもたち向けの野球教室の様子が収録されている。また第5巻は、ジャイアンツ球団創設25周年を記念して、昭和33年に劇場公開された記録映画の編集版。約45分と短くなってはいるが、ゴールデンルーキー時代の長嶋茂雄や、多摩川グラウンドで投球練習に励む入団直後の王貞治の姿も見ることができる。

 このシリーズを製作した「日本映画新社」は(09年4月に解散)、国策宣伝のための映画会社「日本ニュース映画社」として誕生。戦時下の日本で、ほぼ独占的にニュース映画を製作しており、戦時中や終戦直後のスポーツ映像を数多く所有していた。それだけに、プロ野球の過去の名選手、名場面を集めた作品はさまざま発売されるなか、史料映像としての価値では、このDVDが群を抜いている。