太平洋ひとりぼっち
海洋冒険家・堀江謙一による、約３ヵ月間におよぶヨット「マーメイド号」での太平洋単独横断の日々を描いたベストセラールポを映画化。「東京オリンピック」「ぼんち」「野火」と並ぶ市川崑監督の大傑作。石原裕次郎が日活から独立、みずから設立した石原プロモーションによる初めての製作映画でもある。主演の石原裕次郎が「海の男＝海でしか生きられない男」を、市川崑の指示通りに好演している。兵庫県西宮からパスポートを持たずに不法出航、最後にサンフランシスコに着いた裕次郎（堀江青年）は、とにかく眠る。そう、まるで「老人と海」の老人のように。ここにスポーツをする「体そのもの」のリアルな面白さ、スポーツの本質が、きちんと描かれている。
