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奇蹟のイレブン 1966年W杯 北朝鮮VSイタリア戦の真実

1966年のW杯イングランド大会で優勝候補のイタリアを破り、アジア勢初のベスト8に進出した北朝鮮チームのドキュメンタリー。監督のダニエル・ゴードンが北朝鮮当局との4年間の交渉を経て、平壌での撮影取材に成功。当時の選手や監督などの証言で、W杯史上最大の番狂わせを振り返る。撮影当時、すでに50歳~60歳代だった選手たち、しかも勝利に浮かれてハメをはずし強制収容所に送られたとも噂されるメンバーが「金日成首領様のおかげで…」と泣きながら、しかし試合内容になると活き活きと描写する場面が興味深い。失業問題に苦しむ労働者の町ミドルスブラ(北朝鮮チームの宿泊先でもあった)の市民が、次第に朝鮮戦争の敵国の活躍に熱狂していったイングランドの国内事情を、もう少し詳しく描いて欲しいとも思うが、過去のW杯の様子を知ることのできるサッカーファン必見の一本。