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「星野恭子のパラスポーツ・ピックアップ」(225)ゴールボール世界選手権開幕、ウィルチェアーラグビー大会優勝・・・新着ニュースいろいろ!

今号は、5月下旬から6月3日までに起きたパラスポーツニュースをさまざまピックアップして、新着順に並べました。パラスポーツの最新トピックスをどうぞ!

6月3日(日):【ゴールボール】世界選手権開幕。日本は男女とも白星スタート!

視覚障がい者を対象としたパラリンピック特有のチーム球技、ゴールボールの世界一を決める「2018IBSA選手権大会」がスウェーデン・マルメにて開幕した。大陸予選上位国など、男子16カ国、女子12カ国が参加。男女それぞれ2つのグループに分かれ、総当たり戦の予選リーグを経て、各グループ上位4チームが決勝トーナメントに進出する。

ゴールボール世界選手権で初日2戦2勝の日本男子チーム(左)。予選2試合目のカナダ戦より(撮影:星野恭子)

この大会で3位までに入ると、2020東京パラリンピックの出場権が与えられる重要な大会となっている。日本は開催国枠で出場が決まってはいるが、男女とも今大会でメダルを獲得し、自力でのパラリンピック出場を目標に掲げている。

この日は男女とも予選リーグがスタートし、日本男子(世界ランク15位)は初戦のチェコ(同13位)に11-9で、つづくカナダ(同14位)にも11-6で勝利した。女子(同5位)も初戦のオーストラリア(同9位)に2-1を競り勝った。
ゴールボール世界選手権で、守備陣形を整え、相手の攻撃を待つ日本女子(撮影:星野恭子)

男子の信澤用秀(ようしゅう)キャプテンは、「いいスタートが切れた。このまま勢いに乗りたい」、女子の天摩由貴キャプテンも、「初戦で緊張したが、みなの力は出せたと思う」と笑顔。2日目以降の活躍も誓っていた。

大会は8日まで。全試合がインターネットでライブ配信されている。

▼公式サイト: http://www.wcg18.se/ (スケジュールや結果など)
▼インターネット配信: http://www.wcg18.se/live-broadcast(世界ランキングは2018年5月31日時点)

6月1日(金):【パラスポーツ】パラリンピック競技専用の施設「日本財団パラアリーナ」、東京・お台場にオープン

パラリンピック競技専用の体育館「日本財団パラアリーナ」が、東京都品川区の「船の科学館」敷地内に完成し、オープニングセレモニーが行われた。2020年東京パラリンピックに向けた選手の強化や競技の普及を目的に、日本財団パラリンピックサポートセンターが8 億円かけて整備したが、暫定的な施設で、東京大会終了後、2021年には取り壊される予定という。

体育館は延べ床面積約3000平方メートルで、バスケットコート2面分のメインフロアの他に、ボッチャや車いすラグビーができるコートもある。車いすでも利用しやすいように動線やトイレの広さなどが考慮されるなどバリアフリーを意識した設備となっている。

パラアスリートにとっては、「車いす競技は床が傷つく恐れがある」と利用が断られたり、「バリアフリーに不備がある」など使いにくい施設も多い。「パラアリーナ」は東京大会で実施される22競技の選手らが無料で利用できる。

5月27日(日):【ウィルチェアーラグビー】日本、ジャパンパラ4カ国対抗強化大会で、3年ぶりの金

激しいタックルが魅力のウィルチェアーラグビーの国際強化大会、「ジャパンパラ大会」の決勝戦が千葉ポートアリーナで行われ、世界ランク4位の日本が同5位の英国を53-46で破り、3年ぶりの優勝を果たした。大会MVPには得点を量産して勝利に貢献したエース、池崎大輔が選ばれた。
ウィルチェアーラグビーの国際強化大会、「ジャパンパラ大会」の予選、日本対イギリス戦より (撮影:星野恭子)

出場は他に、スウェーデン(世界6 位)とフランス(同7位)で、4チームとも今年8月にオーストラリアで開催世界選手権の出場国だったが、日本は今大会、予選でイギリスに1点差で敗れた以外は勝ち切った。リオパラリンピックで銅メダルを獲得し、2020年東京大会での金メダルを目指す日本にとって、重要なステップとなる世界選手権に向けて、大きな弾みとなる優勝だった。なお、3位決定戦はフランスがスウェーデンを54-32で退けた。

ウィルチェアーラグビージャパンパラ大会でMVPを受賞した、日本のエース、池崎大輔選手 (撮影:星野恭子)

【陸上競技】大腿義足の前川楓、100mで日本記録更新!

愛知県のいちい信金スポーツセンター(一宮市)で開催された、「2018愛知パラ陸上競技フェスティバル」で、右大腿義足の前川楓が100mで16秒76をマークし、自身の持つT63女子の日本記録を0.07秒更新した。
日本新記録をマークした100mで力走する前川楓選手 (撮影:星野恭子)

前川は冬場のトレーニングでウエイトを8kgも落としたといい、「いい練習ができている。もっとタイムがでそうな手応えがある」と笑顔。

2017年ロンドン世界選手権の走り幅跳びで銀メダルを獲得した前川は12日にも、健常者に混じって出場した「中部実業団対抗陸上競技選手権大会」での走り幅跳びで、追い風参考記録ながら4m05の自己最高をマークするなど、今季は序盤から好調。

5月21日(月):【ブラインドサッカー】日本、国際親善試合優勝!イランに歴史的初勝利も

世界ランク5位のイランなど4チームが参加し、ベルギーで行われた国際親善大会「CAROLO CUP 2018」で、日本が3戦全勝で優勝を果たした。最終順位は準優勝がイラン、3位がシャルルロワ(ベルギーのクラブチーム)、4位がドイツ選抜となった。事実上の決勝戦となった最終試合で、日本はイランを1-0で下したが、この勝利は9度目の挑戦にしてイランに初勝利となる歴史的勝利だった。
国際親善大会「CAROLO CUP 2018」で優勝し、喜ぶブラインドサッカー日本代表選手とスタッフら (提供:日本ブラインドサッカー協会)

通算8得点でゴールデンブーツ賞(個人最多得点賞)に輝いた川村怜主将は、「初めてイランに勝利できて、新しい歴史をつくることができて本当に嬉しい。前半の立ち上がりからいい流れでプレーでき、日本のリズムで前までボールを運ぶことができた。相手のプレスの強度も高く、寄せは速かったが、成長している感覚も持てた。今後は世界トップレベルのプレッシャーの中でどれだけシュートまでいける回数を増やしていけるか」と前向きに語った。
「CAROLO CUP 2018」で個人最多となる8得点で、ゴールデンブーツ賞を受賞した、川村怜主将 (提供:日本ブラインドサッカー協会)

また、高田敏志監督は、「(3月の)ワールドグランプリ以降取り組んできた、自陣壁際の深い位置からゴール前へ誘導してボールを奪う戦術もはまった。決定的なチャンスも意図して作り、人とボールが動く日本のサッカーで勝つことができた。世界選手権前で仕上がった状態のイランに勝利できたことは、日々できることをしっかり考えてトレーニングを積んできたこと」の成果と話した。(情報、コメント、写真は、日本ブラインドサッカー協会より提供)

(文・取材:星野恭子)